少し前まで、脱毛サロンの利用者といえば女性だけのイメージがありましたが、近年は男性専用の脱毛サロンの数も増加しており、子どもや高齢者の間でも脱毛の需要は高まってきています。
性別や年齢に関係なく、市場規模が拡大しているということですが、それに伴い、独立して脱毛サロンを開業する人も増加しています。

そこで気になるのは、「脱毛サロンや美容業界で働いたことがない人でも、脱毛サロンを経営することはできるのか」ということです。
お客としての利用経験しかないという方も多いですが、そのような未経験者でも脱毛サロン経営は可能なのか、このコラムで解説します。

脱毛サロンを開業するメリット

最初に、脱毛サロンを開業するメリットを解説します。
現在脱毛サロンを開業する人が増加している理由としては、以下のようなメリットがあるからだと言えます。

• 生産性が高い
• 維持費が安い
• 一人で運営できる

生産性が高い

脱毛は施術の所要時間に対し、支払われる料金が高く、非常に生産性が高いビジネスだと言えます。
料金設定は各脱毛サロンによって異なりますが、例えば全身脱毛を1回行う場合、おおよその料金相場は2万～8万円程度です。

近年は業務用脱毛機の性能も向上しており、最新機種だと1回の全身脱毛に1時間もかかりません。
そのため、短時間で高い収入を得ることも難しくありません。

維持費が安い

脱毛サロンには維持費が安いという特徴もあります。
例えば、マンションを借りて脱毛サロンを運営する場合、主に以下のコストが毎月発生します。

• 家賃：7万～15万円
• 光熱費・通信費：1万～2万円
• 消耗品：3万～5万円

家賃相場などは地域によって大きく異なりますが、経費削減を意識すれば、毎月のランニングコストを10万円台に抑えることも可能です。

ただし、これらはあくまで最低限のコストです。
人件費、税理士顧問料、広告宣伝費など、他にも場合によって必要な費用はいくらでもあり、業務用脱毛機をレンタルする場合はそのレンタル料も発生します。

一人で運営できる

一人で運営できるという点も、脱毛サロンならではのメリットの一つだと言えます。
開業にあたってスタッフを確保する手間もなく、人件費も必要ありません。
事業規模は決して大きくありませんが、その分維持費がかからず、リスクを抑えて運営することができます。

利用経験だけでも脱毛サロンは開業可能

結論をお伝えすると、利用したことがあるという程度の未経験者でも、独学で脱毛サロンを開業することは可能です。
その理由は、脱毛サロンを運営するにあたり、何か資格を取得しなければいけないということがないためです。

また、最新の業務用脱毛機は操作性も向上しており、初心者でも扱うことは可能です。
それでも安全、かつ効果的な施術を行うためには、最低限の知識や技術を身に付ける必要がありますが、このハードルの低さも脱毛サロンの開業が人気である理由の一つだと言えます。

脱毛サロンの開業に必要なこと

脱毛サロンを開業するために用意しなければいけないことや、身に付けなければいけないことを解説します。

開業資金・運営資金

脱毛サロンを開業するためには、様々なものを購入し、取り揃える必要がありますが、その一つが業務用脱毛機です。

業務用脱毛機は安くても100万円以上かかり、開業時の大きな負担となることでしょう。
購入するのではなく、レンタルするという選択肢もありますが、毎月数万円のレンタル料を支払う必要があるため、長期間レンタルし続けると、もともとの販売価格をいずれ上回ってしまいます。

また、余裕を持った運営資金も確保しておかなければいけません。
先ほど解説した通り、脱毛サロンは比較的維持費が安い傾向にありますが、開業当初は集客に苦労することも珍しくないため、あらかじめ当分の運営資金を準備しておくことは必須だと言えます。

物件

脱毛サロンを構えるには物件を用意する必要があり、手間がかかるだけでなく、初期費用も発生します。
ただ、脱毛サロンは特殊な物件や設備を必要としません。
テナントを借りることも選択肢の一つではありますが、家賃が安い事業用マンションや自宅でも脱毛サロンを運営することは可能です。

備品・消耗品

業務用脱毛機以外にも、脱毛サロンを開業するためには様々な備品や消耗品を取り揃えなければいけません。
施術用のベッドや家電製品といった高額なものから、化粧品やゴム手袋のような消耗品まで、必要なものをリストアップしましょう。

また、内装にこだわる場合はインテリアにも費用をかける必要があります。
脱毛サロンに非日常感を求めるお客さまも珍しくないため、上質なインテリアを設置し、高級感を出すことは効果的です。

脱毛や経営の知識

未経験者でも開業することができる脱毛サロンですが、プロとして最低限の知識は身に付ける必要があります。
お客さまは一人ひとり肌質や毛質が異なり、適切な施術を安全に行うためには、脱毛の仕組みやリスクをよく理解しておかなければいけません。

また、経営に関する知識も必要です。
脱毛の需要は年々高まっていますが、その分競争率も非常に高く、ブランディングや他店との差別化を意識しないと、お客さまが集まらず、すぐに廃業に追い込まれてしまいます。

知識・ノウハウはどうやって身に付ければいい？

脱毛や経営に関する知識が必要だと言っても、どのようにしてそれらを身に付ければ良いのか悩んでしまう方も多いでしょう。
友人・知人に脱毛サロンの関係者がいれば有益な情報がもらえる可能性もありますが、基本的には以下のような方法がおすすめです。

• セミナーに参加する
• 脱毛機メーカーのサポートを受ける
• 経営コンサルを依頼する

セミナーに参加する

脱毛サロンを開業する人が増加していることに伴い、全国各地でセミナーが開催されています。
その中には実際に業務用脱毛機に触れる機会が用意されていることも珍しくありません。
また、近年ではオンラインセミナーが開催されることも増えてきているため、セミナー会場まで足を運ぶことが困難である場合には、そちらを選択することもおすすめです。

脱毛機メーカーのサポートを受ける

業務用脱毛機を購入すると、そのメーカーから様々なサポートを受けることができますが、そのうちの一つが開業・運営サポートです。
未経験者でもスムーズに開業できるように、担当スタッフが丁寧に指導してくれます。

ほとんどのメーカーでこのようなサポートが実施されていますが、注意しなければいけないのは、メーカーによって質が異なるということです。
安定したサポートを受けるためには、実績豊富なメーカーの業務用脱毛機を購入することをおすすめします。

経営コンサルを依頼する

• 開業を決意したものの、上手くいくか不安
• 広告を打っているのに、お客さまが集まらない

このような悩みがある場合は、経営コンサルに依頼することも有効です。
初回は無料で相談できる場合も多いため、興味があれば、ぜひ一度活用してみることをおすすめします。

脱毛サロンの開業は万全の準備が必要

未経験者の脱毛サロン開業について解説しましたが、ご参考いただけたでしょうか。
脱毛ビジネス自体が大きな可能性を持っていることは事実であり、実際に未経験からスタートし、大きな利益を得ている事例も多く存在します。

しかし、それには数ある競合店を押しのけるほどの戦略が必要です。
未経験者であればなおさら必要であるため、周囲の力も借りつつ、万全の準備を整えて開業に臨みましょう。