脱毛サロンに限らず、多くのサービス業が抱える問題がクレーム対応です。
どれだけ良質なサービスを心がけていたとしても、お客様と接する以上は少なからずクレームが起こることでしょう。
クレームそのものを起こさないように努めることはもちろんですが、大切なのはその後どのような対処をするかということです。
今回のコラムでクレームが与える影響や適切な対処法について解説するので、サロン経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
クレームが脱毛サロンに与える影響
まずはクレームが起こった際、脱毛サロンにはどのような影響があるのかを解説いたします。
クレームの重要性を理解するためにも、あらためて確認してみてください。
信頼の低下
クレームは店舗に直接入ってくることもあれば、Googleマップなどに低評価レビューが付けられることもあります。
それによって他のお客様からの信頼も失ってしまう恐れがあることが大きな問題です。
特にレビューや口コミなどは形として残ってしまうため、新規顧客数が低下してしまうことも多いに考えられます。
スタッフのモチベーションの低下
クレームの原因がサロン側にあろうとなかろうと、クレームを聞くこと自体が非常に大きなストレスになります。
スタッフの精神状態が不安定になり、モチベーションの低下に繋がってしまう恐れがあります。
もともと接客業は日常的にストレスを感じやすい傾向が強いですが、中でもクレーム対応が与えるストレスは大きいです。
クレーム件数があまりに多いと、それが原因で離職率が増加してしまうことも考えられます。
業務の滞り
クレームは突発的に起こることも珍しくないため、その後の対処で大幅に時間を費やしてしまうことも珍しくありません。
本来やるべきだった業務が滞ってしまい、サロンの回転が鈍くなってしまいます。
クレーム処理に不慣れな場合は尚更その影響を強く受けてしまうため、あらかじめ起こり得る問題を想定し、実際にクレームが起こった際に適切に対処できるシステムを構築しておくことが望ましいです。
脱毛サロンのよくあるクレーム
次に脱毛サロンで頻繁に起こるクレームを具体的に紹介していきます。
クレームそのものが起こらないように、以下の点には十分注意しておきましょう。
- 思うような効果が出ない
- サービス品質のバラつき
- 強引な営業
- 予約が取れない
思うような効果が出ない
脱毛の効果を明確に感じるにはある程度の期間をかけ、何度か施術を受ける必要があります。
脱毛に関してある程度の知識がある人にとっては常識ですが、なかなか理解してくれないお客様もいます。
そのため、まずは初回のカウンセリングでその旨を丁寧に説明しておきましょう。
また、無責任に効果を保証することもできないため、「〇回で効果が出る」といった発言も控えるべきです。
サービス品質のバラつき
近年の業務用脱毛機は随分取り扱いが簡単になってきていますが、施術に技術が必要であることは依然として変わりません。
例えば、ベテランのエステティシャンと比較し、新人のエステティシャンは施術に時間がかかるだけでなく、効果にもムラが出てしまいます。
ある程度の施術経験があるお客様だと、そのような違いを感じ取ってしまい、クレームに繋がる恐れがあります。
全てのスタッフが常に一定レベル以上のパフォーマンスを発揮できるよう、しっかりと育成していきましょう。
強引な営業
脱毛サロンにおいて、コースの契約や物販の訴求は売上を底上げするために非常に大切ですが、強引過ぎてしまうと、お客様に不快感を与えてしまいます。
各レビューサイトなどを見てみると、「営業がしつこい」といった口コミを頻繁に見かけます。
コースや物販は本当に必要だと思うお客様のみに対して提案することはもちろん。提案にあたって、十分な信頼関係を築いておくことが望ましいです。
予約が取れない
お客様が途絶えないことはサロンにとっては大変喜ばしいことですが、お客様にとっては予約が取れず、使い勝手が悪いと捉えられてしまう恐れがあります。
それが原因で他のサロンに乗り換えられてしまうリスクもあるため、実際にクレームが入る前に対処しましょう。
- 業務の効率化を図る
- スタッフを増員する
- 施術スピードが速い業務用脱毛機を導入する
例えばこのようなことが解決策として挙げられるので、深刻な場合は検討してみてください。
正しいクレームの対処法
実際にクレームが入ってしまった時にはどうすれば良いのか、具体的な対処法を解説いたします。
クレーム内容にもよりますが、基本的には以下のことを心がけましょう。
- 迅速な対応を意識する
- まずはしっかりと話を聞く
- ごまかさずに謝罪する
- 具体的な解決策を提示する
迅速な対応を意識する
クレームの中には緊急性を伴うものも少なくないため、全体を通して迅速な対応を心がけることが大切です。
また、対応が遅れてしまうとお客様の気分をさらに損ねてしまう恐れもあるため、優先度高く対処する必要があると言えるでしょう。
その時取り組んでいた業務を一旦中断してでも対応しなければいけなくなる可能性もあるため、臨機応変に対応できる能力が求められます。
まずはしっかり話を聞く
クレームが入った際、まずはお客様の話をしっかりと聞くことが重要です。
特に忙しいタイミングでクレームが入った場合は、話を聞くことを蔑ろにしてしまいがちなので、自分もお客様も落ち着かせるという意味でも、先にお客様が伝えたいことを全て聞くことが大切です。
また、お客様に話をしっかり聞いているという印象を与えるためにも、随所で相づちを打ったり、深く頷くなどのリアクションを意識しましょう。
ごまかさずに謝罪する
誠意を示すために重要なのは、丁寧に謝罪することです。
クレームのような強いストレスを感じたスタッフが、つい反論してしまったり、言い訳してしまうことは珍しくありませんが、どのような状況でも反発的な対応は望ましくありません。
特にサロン側に明らかな非があるのであれば、トラブルの原因をごまかさずにしっかりと説明しましょう。
具体的な解決策を提示する
最後に、お客様に納得してもらうためには、具体的な解決策を提示することが重要です。
もう一度施術を無償で行ったり、返金したりする必要があるケースもあるでしょう。
損失にはなってしまうものの、サロンの信頼を守るためには必要な対応だと言えます。
クレームを未然に防ぐ方法
最後にクレームを未然に防ぐために重要なポイントを解説いたします。
日頃から以下のことをスタッフ全員で意識しておきましょう。
- 教育システムを確立する
- お客様とのコミュニケーションを大切にする
- 丁寧に事前説明する
教育システムを確立する
クレームを起こさないため、またクレームが起きてしまった際に適切に対処するためにも、十分な教育システムを確立しておきましょう。
脱毛に関する知識や接客技術など、実際にお客様と接するスタッフには相応の能力が求められます。
未経験者をできるだけ早く戦力化するためにも、教育システムは充実させておく必要があります。
お客様とのコミュニケーションを大切にする
どれだけ優秀なスタッフであっても、完全にミスをなくすことはできません。
お客様にトラブルを許容してもらうには、日頃から固い信頼関係を築いておくことが重要です。
積極的にコミュニケーションを取り、相互理解を深めておけば、クレームに発展することも少なくなります。
丁寧に事前説明する
脱毛の施術は何らかのイレギュラーが起こることも珍しくないサービスです。
効果が出るまでには時間がかかることや、刺激が伴うことを事前のカウンセリングなどで丁寧に説明し、脱毛のリスクを理解しておいてもらいましょう。
クレームを活かしてより良いサロン作りを
クレームは全く起こらないことが理想ですが、スタッフとお客様が接している以上、完全になくすことは困難です。
できるだけクレームが起きないよう、日頃から十分注意しつつ、もし起こってしまった際には適切に対処することを心がけましょう。
また、しっかりと対応すればお客様の信頼を損なわずに済む場合もあります。
サロンの今後のためにも、常に真摯に接客する意識をスタッフ間で共有しておくことが大切です。