脱毛サロンの開業を考える方にとって重要なのが「サロンの立地」。いくら高機能の業務用脱毛機を導入し、多額の広告費をかけても立地条件が悪ければ、お客様は集客できません。
サロン運営を成功に導くために非常に大切な要素であるといっても決して大げさではないでしょう。
今回のコラムでは、脱毛サロンを開業する上で確認しておきたいポイントを徹底解説していきます。
脱毛サロン開業には立地が重要
脱毛サロンは開業するにあたって特別な資格や届出が不要なため、新規参入がしやすいのが特徴です。エステサロンのメニューに全身脱毛やVIO脱毛を追加したり、他のスポーツジムとの差別化で脱毛機を取り入れたりと多くの店舗で脱毛メニューが導入されています。
その一方で、脱毛市場は大手サロンの出店や美容クリニック、医療脱毛の低価格化などが続き、顧客の取り合いは常に繰り広げられています。
個人サロンが打ち勝っていくには、以下の3点を入念に考えていくことが重要です。
- 明確なコンセプト設計
- 差別化
- 集客施策
この3点、全てに大きく関わってくるのが立地です。
家賃の安さや人通りの多さだけで選んでしまうと、「メインターゲットを集客できない」「ライバル店が多く、顧客を奪われてしまう」などという結果を招くことになります。
一度サロンがオープンしてしまうと、立地変更は容易に行なえないため、慎重に選びましょう。
脱毛サロンの立地選びポイント6点
では、次に具体的にどのように立地を選べば良いのか具体的なポイントを見ていきましょう。
- ターゲットとなるお客様の通いやすいエリアを選ぶ
- エリアのデータを分析する
- 周辺の治安を確認する
- 競合調査を行う
- 開発予定をチェックする
- 賃料と売上額のバランスを確認する
ターゲットとなるお客様の通いやすいエリアを選ぶ
サロンの立地は、コンセプトを元にして考えていきます。これはコンセプトによってターゲットが大きく異なるからです。
例えば、20代〜30代OL向けの脱毛サロンをオープンする際には、仕事帰りに立ち寄りやすいことが重要です。具体的な立地としては、オフィス街もしくは通勤時に利用するターミナル駅から徒歩で通えること、夜遅くに女性ひとりで歩いても安心な治安が条件となるでしょう。
一方で、介護脱毛を中心とした40代〜50代の女性向けの脱毛サロンをオープンする際には、駅チカではなく広めの駐車場を用意でき、施術室は羞恥心に考慮するような個室を確保できる広さのある店舗が良いでしょう。
ターゲットとなるお客様のイメージをなるべく詳細に詰めていくことが、エリアを絞り込むポイントです。単純な駅からの近さだけではなく、ターゲットの持つさまざまな属性が通いやすさに影響を与えることを忘れてはいけません。
エリアのデータを分析する
エリアが絞り込めてきたら、人口や年齢層、世帯数などのデータをチェックしましょう。
これは、エリアに対して持つ自分のイメージが、感覚だけではなく、数値で立証されているのか確認を行うためです。
例えば、人通りが多いと思って駅前に出店したが、利用客は中高生やサラリーマンがほとんどを占めていたなんてことも起こり得ます。出店後に「思っていたのと違った」とならないためにデータでの裏付けを行いましょう。
エリアの基本データは、統計局や市町村の資料から確認することができます。
周辺の治安を確認する
女性をターゲットとした脱毛サロンであれば、特に注意しておきたいのが周囲の治安です。
インターネットで調べたり、自分のイメージだけで完結したりせず、実際に足を運んでみましょう。最寄りの駅から物件まで歩いてみるのがおすすめです。
- 街頭は十分にあるか
- 昼と夜でイメージが異ならないか
- ゴミが散らかっていないか
など、自分の目でチェックしましょう。
郊外サロンであれば運転しにくい道や一方通行が多く、迷いやすくないかも確認してください。店舗までが不便、分かりにくいとお客様の遅刻が多くなったり、リピーターに繋がらない可能性が高くなります。
競合調査を行う
検討しているエリアに出店している競合店について、徹底的に調査してください。
- メニュー・プラン展開
- コンセプト
- 料金設定
- 使用している業務用脱毛機
など調べていくと、自店のメニューを検討する材料にもなります。
大手サロンはもちろん個人サロン、クリニックやネイルサロン、エステサロンもチェックしましょう。
似たようなメニュー展開やサービスが並ぶ場合は、脱毛以外のメニューやサロン専売化粧品の導入などを検討してみるのも手です。ライバル店が並ぶ中で、自分のサロンの強みを目立たせなければいけません。
時にはエリアの変更も選択肢に入れ、じっくりと調査しましょう。
開発予定をチェックする
周辺で大型商業施設や高層ビルができる予定があると、集客に影響を及ぼす可能性があります。
プライベート感溢れる静かなサロンにしたいと考えていても、近くで大型商業施設の開発予定があれば、一時的に道が混み合ってしまったり、急に住宅が増えたりと街のイメージがコンセプトから外れてしまう場合があります。
長く店を構えるためには、事前に自治体の都市計画課に問い合わせたり、建設データバンクの確認を行ったりと事前に開発予定を調べておくと、今後の変化が予想しやすくなります。
賃料と売上額のバランスを確認する
脱毛サロンを開業するには多くの費用が必要です。業務用脱毛機の購入、人件費の支払いと並ぶ大きなコストを占めるのが家賃です。
また、一般的に家賃が高い物件は、敷金礼金、保証金などの初期費用も高くなります。
- 初期費用(イニシャルコスト)
- 運営・維持費(ランニングコスト)
- 損益分岐点売上高
- サロンの売上見込額
開業前に上記の金額に関して綿密に計算しておいてください。これらの金額がはっきりしていると、家賃として計上可能な金額が算出しやすくなります。
おおよその家賃相場から、エリアを絞るのにも役立ってくれます。
助成金や補助金も活用しよう
「良い条件の物件を見つけたけど、自己資金が足りない」という時は、融資も視野に入れて検討しましょう。
注意しておきたいのが、融資などの資金調達やローンは、一時的な費用は賄えても、月々返済を必ず行わないといけないということです。多くの場合、返済時に利息も発生します。無理して高額な物件を借りても、後々経営が苦しくなる可能性があります。
まずは、出店エリアの助成金や補助金の制度を調べてみるのがおすすめです。
国や各都道府県の自治体では、開業にあたり助成金や補助金の制度が設けられていることがあります。助成金や補助金は厳しい審査がありますが、返済義務が発生しないのが大きなメリットです。※種類によっては一定額を返済しなければいけないことがあります。
詳しくはこちら
脱毛サロンの開業や運営に使える助成金・補助金の種類!
脱毛サロン立地別の特徴
次にエリアの特徴を以下の3つに分けて説明していきます。
- 都心型駅近郊での開業
- 郊外での開業
- 住宅地での開業
都心型駅近郊での開業
商圏内にいるターゲットの母数が大きくなりやすいので、それだけ集客の可能性が高くなるのがメリット。道沿いや駅前など目立つ場所に開業できれば、それだけで注目を集めることが可能です。
一方で、家賃が高いため、ランニングコストもイニシャルコストもかさむのがデメリット。大手サロンやクリニックなどの競合店も多く、リピーターを獲得するには明確なコンセプトが必要です。
郊外での開業
都心に比べて家賃が低く、開業費用が抑えられるのがメリットですが、集客に苦労する場合があります。地域の特性が大きく経営に関係するので周辺のリサーチをしっかり行うことが重要です。
交通手段は車が中心となるため、駐車場の確保も考えなければいけません。初めてのお客様が迷わないように看板やわかりやすい目印を設置するなど外観計画も一緒に考えましょう。
住宅地での開業
リフォームや電気工事などの内装費や家賃を抑えられたり、家事や育児の間に仕事ができたりするのが大きなメリットの自宅での開業。
一軒家でもマンションでも、多くの場合は、住宅地での開業となるため、お客様が見つけにくいことに加え通いにくい立地であることがほとんど。そのため、集客に苦労することが多いです。
どんなお客様をターゲットとしてどんな集客施策を行うのかしっかりと考えておきましょう。お店の存在をアピールするために、Web広告なども利用したいところです。集客に関する予算取りも行っておくと安心です。
うまく地域密着型のサロンをブランディング出来れば、人気を博する可能性もあります。ポータルサイトやGoogleでの口コミや評判を集められるプレゼントを準備したり、紹介制度などを用意したりするといいでしょう。
複数のエリアや物件を比較検討しよう
出店候補エリアや物件はなるべく絞り込み過ぎず、複数残しておくのがおすすめです。エリアを絞り込みすぎると、条件に合う物件を見つけるとすぐにでも契約をしたくなります。しかし、条件だけを見てすぐに飛びつくのはおすすめできません。
なぜ、そんな好条件の物件が空いているのかしっかりと調べるよう確認を怠らないようにしましょう。
また万が一、候補物件が他の人に契約されてしまっても、1から探す手間を省くことが可能です。前述した通り、立地は簡単に変えることができませんので慎重に選びましょう。
立地選びが脱毛サロン運営のカギを握る
今回のコラムでは開業前の立地の選び方についてお話ししました。エリアを選定する上で確認したいポイントは以下の6つ。
- ターゲットとなるお客様の通いやすいエリアを選ぶ
- エリアのデータを分析する
- 周辺の治安を確認する
- 競合調査を行う
- 開発予定をチェックする
- 賃料と売上額のバランスを確認する
脱毛サロンは、脱毛が完了するまで何回か店舗に通っていただくことになります。そのためお客様が通いやすい立地なのかしっかりと吟味する必要があります。
もちろん、立地だけではなく、業務用脱毛機の効果も重要なポイントです。
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