エステサロンを開業する方法はたくさんあります。その中で未経験でも経営を始めやすい選択肢がフランチャイズです。しかし、美容業界は競争が激しく、フランチャイズのメリットを活かしても生き残っていくのは簡単ではありません。

本記事ではエステサロンのフランチャイズ開業をする際に成功するためのポイントを解説いたします。失敗に終わってしまったサロンの経験を活かし、エステサロンのフランチャイズ開業を成功に導きましょう。

フランチャイズとは

フランチャイズとは、本部となる親企業に加盟して、ロイヤリティを支払うことでブランド名や看板を借りながら事業を行っていくシステムを指します。

身近なところだと、大手チェーンのコンビニや飲食店でもフランチャイズによって店舗を拡大しているケースは多く見受けられます。

フランチャイズの本部のことをフランチャイザー、加盟店のことをフランチャイジーとも呼びます。

エステをフランチャイズで開業するメリット

フランチャイズを利用してエステサロンを開業することにはメリットがいくつかあります。

• 開業失敗のリスクが下がる
• 資金調達がしやすい
• 集客がしやすい

開業失敗のリスクが下がる

フランチャイズを活用した開業の一番大きなメリットは、本部のサポートを受けられることです。

エステティシャンの資格や技術を保有していても、経営ノウハウがないと開業は上手くいかないでしょう。フランチャイズを利用すれば、開業前の準備から開業後の経営ノウハウまでアドバイスを受けることができます。

一般的な開業に比べて失敗のリスクが低く、初めて自身の店舗を持つ方でも第一歩を踏み出しやすくなっています。

資金調達がしやすい

フランチャイズのブランド力があれば、融資の審査や補助金などの申請が通りやすく、資金調達が容易になります。

個人で開業する場合は自力で資金を集めなければならず、経営の経験がない方だと審査や申請が通るのに時間がかかってしまうかもしれません。一方、名のあるフランチャイズであれば信用が担保されており、資金調達に苦労する可能性は低いでしょう。

必要な金額をスムーズに調達できると、開業も計画通りに進めやすくなります。

集客がしやすい

フランチャイズの認知度が高ければ集客もしやすくなります。

個人でエステサロンを開業するとなるとチラシやSNSを使った情報発信により、店舗を認知してもらうまで時間も手間もかかります。しかし、既にブランド名が知れ渡っていれば広告宣伝に力を入れずとも新規顧客の獲得が比較的容易になります。

高い認知度はお客様にとっての安心感にも繋がるため、集客の難易度を下げることに繋がるでしょう。

エステのフランチャイズ開業はなぜ失敗する？

魅力的なメリットがあるのにも関わらず、フランチャイズによるエステサロンの開業
は失敗してしまうことが多いです。その理由について解説していきます。

• 他店の不祥事の影響を受ける
• 共食いが起こる
• オリジナリティが出しにくい
• 資金が不十分である

他店の不祥事の影響を受ける

フランチャイズは契約している全てのオーナーが同じ看板を掲げて経営を行います。そのため、どこかの店舗で不祥事が起きたり、悪い噂が立ったりすると、自分の店舗にも悪い影響が出てしまいます。

フランチャイズではどれだけ自分の店舗で健全な経営をしていても、他店舗の経営次第で影響を受けかねません。

自分ではコントロールできない範囲による影響で売上や経営にダメージを受けるリスクがあるのは、フランチャイズ開業の大きなデメリットといえるでしょう。

共食いが起こる

フランチャイズ経営で起こり得るのが共食い（カニバリゼーション）です。店舗の近隣に同じブランドの店舗が出店して、お客様を奪い合う状況のことを指します。

基本的にフランチャイズではテリトリー制が採用されており、他店舗と顧客の取り合いにならないように加盟店の出店地域に制限をかけます。

しかし、店舗が多ければ多いほど売上に繋がるのがフランチャイズ経営です。利益を上げようとして、この制度を採用していないフランチャイズも存在します。

すると近隣に出現した加盟店舗と顧客を取り合うことになってしまい、開業したものの失敗に終わってしまう可能性が考えられます。

オリジナリティが出しにくい

フランチャイズ開業の場合、フランチャイズの方針やルールに従って経営を進めていきます。そのため、オーナーのオリジナリティを経営に出そうとするとトラブルに発展する可能性があります。

フランチャイズもある程度の実績と見込みがあって、そのビジネスモデルでの経営を指示しています。無断で経営方針を変え、売上を減少させてしまったときには契約を解除されてしまうかもしれません。

本部の方針に従うことが嫌になると経営も上手く回らなくなり、開業が失敗に終わってしまうというケースも考えられます。

資金が不十分である

本部からのサポートが手厚いといっても、初期費用は自己負担です。

本部へのロイヤルティ、賃貸料金、店舗の内装費用、機材導入費、人件費など、かかってくる費用はたくさんあります。

最初から経営が上手くいくかどうかもわかりません。初期費用の回収にも時間がかかってしまう場合も考えられます。余裕を持った資金準備をしておかないと、経営を続けていくことができなくなってしまいます。

エステのフランチャイズ開業で失敗しないポイント

エステのフランチャイズ開業で失敗してしまう原因を踏まえ、理想的な経営を実現するためのポイントを把握しておきましょう。

• 慎重にフランチャイズを選ぶ
• 契約内容を確認しておく
• 入念に資金を準備をする

慎重にフランチャイズを選ぶ

フランチャイズを活用した開業において最も重要なのがフランチャイズ選びです。

フランチャイズを選ぶ際、まずは店舗数や経営年数などの実績を確認しておきましょう。ブランド力の有無はフランチャイズ経営において大きな指標になります。

また、「なぜ開業したいのか」「どんなエステサロンを作り上げたいのか」といったコンセプトを自分の中で明確化したうえで選びましょう。フランチャイズはビジネスパートナーのような存在なので、考え方に共感できないと開業後の経営がスムーズにいかない可能性が出てきます。

契約内容を確認しておく

フランチャイズとの契約内容はしっかり確認しておきましょう。

ロイヤルティの金額や初期費用という基本的な部分だけでなく、研修の有無や開業後のサポート内容など、オーナーのスキルアップに繋がるサポートの充実度も大切です。特に経営未経験の方にとっては、フランチャイズのサポートはエステサロン開業成功の鍵を握ります。

単に経営方針や広告のキャッチコピーに惹かれて契約を結ぶのは危険です。契約前に気になる点があれば担当に連絡するなどの対策をとり、不明点を無くしたうえで契約することをおすすめします。

入念に資金を準備する

資金の準備も重要です。

フランチャイズの力を借りているといっても、いつ店舗の経営が軌道に乗るかはわかりません。それまでに初期費用や毎月のロイヤルティの支払いがあります。資金がないと支出への対応で精一杯になってしまいます。

資金が十分にあると気持ちにも余裕が出てきて経営に注力しやすくなるので、開業後うまくいく確率を上げることができます。開業前に入念に資金を準備しておきましょう。

自分に合った方法でエステを開業しよう

エステサロンの開業や経営をしたことがない方にとってフランチャイズの利用は多くのメリットをもたらします。しかし、ポイントを押さえたうえで準備を進めていかないと、競争の激しいエステ業界では生き残れないかもしれません。

フランチャイズを利用するメリットもデメリットも把握したうえで、自分に合った方法を見つけて開業へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。