新しく店舗を構えて開業する場合に比べて初期費用を大幅に抑えられる自宅サロン。手軽に事業を始められることから副業としても人気が高まっています。
今回のコラムでは、副業として自宅サロンを始める際のメリットやデメリットを詳しく解説するとともに、収入をアップさせるための方法をご紹介します。副業で自宅サロンを始めてみたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。
自宅サロンは副業としても人気
自宅サロンはその参入のしやすさから、子育て中の主婦の間でも人気が高まっています。加えて、副業として事業を始めようと考える方も増えています。
本業の傍らサロンを経営しようと思うと営業できる日数や時間帯が限られて利益を出しづらいのではないかと考える方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
お客様のニーズが高いタイミングに予約を受け入れれば、限られた時間帯に集中して施術を行い、効率良く稼ぐことも十分可能です。例えば、平日に仕事をしたり学校に通ったりしている方を集客する場合は、平日の夜遅い時間帯や土日が狙い目だと考えられます。
自宅サロンを副業で始めるメリット
自宅サロンを副業として始めるメリットとして、以下の2点が考えられます。
- 開業するハードルが低い
- 自分のペースで効率良く稼働できる
開業するハードルが低い
新しく店舗を構えてエステサロンを開業する場合、立地を検討し、物件を探して契約を結ばなければなりません。外装や内装の工事も必須となります。店舗によって異なりますが、融資や補助金を利用しながら数百万円近くの初期費用を確保しなければなりません。
こうした開業準備を本業の隙間時間に実施しようと思うと、スムーズに進行することは難しいでしょう。
一方、自宅サロンを開業する場合は物件を新たに契約する必要がなく、手間や費用を大幅に抑えることが可能です。開業する際のハードルが低く、本業に従事しながらでも手軽に始められます。
自分のペースで効率良く稼働できる
副業で自宅サロンを営業しようと考えている方にとって、自分のペースで稼働できることも大きなメリットの1つです。
- 予約状況の確認
- 店内の清掃
- カルテの管理
- 会計業務
本業の傍ら新たな店舗を構えて美容サロンを経営しようと思うと、上記のようなサロンワークを限られた時間でこなさなければならず、どうしても時間が足りなくなってしまいます。
しかし、自宅サロンであれば店舗スペースと居住スペースが同じ場所にあるため、店舗への通勤が発生しない他、空いた時間に細かな業務に取りかかることも可能です。
時間を有効に活用して効率良く稼働できることから、自宅サロンは本業とサロン経営を両立させたいと考える方にピッタリだと言えます。
自宅サロンを副業で始めるデメリット
副業として自宅サロンを開業すると上記のようなメリットがありますが、その一方で以下のようなデメリットがある点に留意しておくべきです。
- お客様と時間の都合が合わないこともある
- サロンの規模を拡大するのが難しい
お客様と時間の都合が合わないこともある
本業が忙しい方の場合は特に、副業として自宅サロンを営業できる時間は限られるでしょう。そのため、お客様が施術を受けられるタイミングと自宅サロンを稼働させられる時間帯が合わないケースも十分考えられます。
せっかくお客様に来店したいと思ってもらえても、スケジュールを調整できず予約を断ることになれば、売上を獲得する機会を損失してしまいます。数多くの美容サロンがある中で、好きな時間に予約が取れないとなるとお客様は簡単に離れてしまうでしょう。
- 営業時間をある程度固定する
- 臨時で営業する場合はSNSやDMなどでお客様に発信する
継続的に通ってくれる方を増やすためには、お客様がスケジュールを調整しやすいよう上記のような配慮が必要となります。
サロンの規模を拡大するのが難しい
副業で自宅サロンを経営する場合、多忙でどうしても本業と両立させるだけで精一杯になってしまいがちです。サービスの質を高める、集客活動に力を入れるといった売上を伸ばすための動きをする時間を確保することが難しくなります。
従って、細々とした経営を続けてしまい思うように事業を拡大できないといったケースも十分考えられます。
自宅サロンの収入をアップさせるには
ここからは、自宅サロンの収入をアップさせるための方法をご紹介します。
- 店舗スペースの生活感をなくす
- 他店と差別化できるポイントを作る
- 集客力をアップさせる
店舗スペースの生活感をなくす
美容サロンを訪れるお客様が求めているのは、施術の効果だけではありません。プロの施術を特別な空間で受ける、日々の疲れを癒すといった目的で来店する方も多いです。
自宅に店舗スペースを設ける場合、住人の生活音やにおいが気になったり、居住スペースが隠れていなかったりと生活感が出てしまいがちです。施術を受けている時に住人の暮らしが垣間見えてしまうと、施術に集中できずストレスを感じてしまうお客様もいるでしょう。
快適に施術を受けてもらえるよう、居住スペースをお客様の視界に入れない工夫が求められます。居住スペースと店舗スペースを分けられるよう間取りを調整する、お手洗いをお客様用と住人用で分けるといった工夫を取り入れてみてください。
他店と差別化できるポイントを作る
特別な資格がなくても開業できるエステサロンや脱毛サロンは特に、続々と新たな店舗が出店して飽和状態にあります。
自宅サロン以外にも言えることですが、多数の競合店がある中でお客様に選ばれ続けるためには、他店にはない以下のような独自の強みを打ち出すことが必須です。
- お客様に寄り添った丁寧なカウンセリングを行う
- 施術後にアフターケアについて詳しく説明する
- お客様の悩みに応じたオーダーメイドの施術メニューを提供する
なお、施術価格のような普遍的な強みで勝負することは、お客様が簡単に離れてしまうリスクがあるためおすすめできません。例えば、施術価格の安さを売りにサロンを経営していると、より安く利用できる店舗が新たに誕生した際に強みが失われてしまいます。
集客力をアップさせる
自宅サロンの経営を始める上で大きな課題となるのが、認知度の確保です。自宅を店舗として活用する場合、立地を選ぶことができません。
人通りが少ない場所に住んでいる方は特に、どれだけ質の高いサービスを提供していても、何もしなければ美容サロンとして営業していることにさえ気づいてもらえないでしょう。
来店数を伸ばして売上を獲得するためには、お客様に知ってもらうための集客活動を行うことが必要不可欠です。SNSやWebサイト、チラシといった媒体を複数組み合わせて効率良く多くのお客様に情報を発信することが求められます。
副業で自宅サロンを始める際の注意点
副業で自宅サロンを始める際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 本業の就業規則を確認する
- 家族の理解を得ておく
事業を始める前に、本業で勤めている企業が副業を許可しているかどうかを必ず確認するようにしてください。副業が禁止されているにも関わらず黙って副業を行うと、場合によっては懲戒処分を受けることもあります。
また、自宅の一部を店舗スペースとして活用する以上、居住する家族の理解を得ることは必須となります。
- 営業時間内は大きな声や音を出さない
- お客様と共用するスペース(玄関・トイレなど)があれば清潔に保つ
居住スペースと店舗スペースをしっかりと分けて生活感をなくせるよう、家族に上記のような協力を求めることが欠かせないためです。
自分のペースで自宅サロンを開業しよう的な
事業を始めるハードルが低く、自分のペースで稼働できることから副業としても人気が高い自宅サロンですが、なんとなく事業を始めても簡単には成功しないでしょう。
日々のサロンワークに加え、サービスの質を向上させたり、集客力をアップさせたりする取り組みが欠かせません。ただし、利益を効率良く獲得できる自分なりのやり方を見つけることができれば、本業の傍らでも経営を軌道に乗せることは十分可能です。
自宅サロンの経営を通してどれほどの利益を獲得したいかを十分に検討し、それに応じて自分に合った稼働スケジュールや経営戦略を探ってみてください。