理想の肌や身体を目指すお客様のサポートをするエステティシャン。やりがいの大きい仕事である一方で、膨大な量の知識やスキルを身に付けなければ一人前として活躍することはできません。
新人エステティシャンの中には、お客様を喜ばせたいという希望を持って働き始めたものの、仕事がなかなか覚えられないと苦しむ方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、エステティシャンが仕事を覚えられない要因や仕事を覚えるコツを詳しく解説していきます。
エステティシャンが覚えるべきこと
1人前のエステティシャンとして活躍するためには、以下の5点をマスターする必要があります。
- 施術の手順
- 施術が効果を発揮する仕組み
- 正しい接客マナー
- カウンセリングの手順
- 細かなサロンワークの流れ
施術の手順
エステサロンで行われる施術は、手順が複雑なものが多いです。
例えば、ハンドエステの場合は軽く叩く、もみほぐす、曲げ伸ばすといった数多くの工程が存在します。施術メニューによっては、こうした工程を複数の施術箇所に対して、それぞれの部位に合ったやり方で実施しなければなりません。
ただ施術の手順を覚えるだけでなく、お客様に合わせてマッサージの力加減やマシンの出力を調整しながら施術を行うことが求められます。限られた時間で施術を完了させる手際の良さや、お客様の反応を常に気遣うことも必須です。
このように、エステティシャンが1人でお客様に施術できるようになるためには、様々な能力が必要となります。実際、壁にぶつかる新人エステティシャンの中でも、複雑な施術の手順をなかなかマスターできないことに苦戦する方は特に多いようです。
施術が効果を発揮する仕組み
1人前のエステティシャンとしてお客様の前に立つためには、施術スキルを身に付けるだけでは不十分です。お客様の中には、以下のような疑問についてエステティシャンに尋ねる方もいるでしょう。
- どのような仕組みで施術の効果が現れるのか
- 何回施術を受ければ効果が出るのか
- どれくらいの頻度で施術を受ければ効果を実感しやすいのか
エステサロンを訪れるお客様は、新人かベテランかに関係なくエステティシャンのことを美容のプロとして信頼しています。先述したような質問に答えられなければ、スタッフ個人だけでなくエステサロン全体の信頼を失ってしまうかもしれません。
自分が担当する施術に関する疑問に答えられるよう、施術に関連する知識をまんべんなく持っておくのが理想です。
正しい接客マナー
お客様の身体に直接施術を行うエステサロンですが、接客業としての側面も大きいです。というのも、エステサロンを訪れるお客様の中には、施術の効果だけでなく癒しやくつろぎを求める方も少なくないためです。
お客様を不快にさせない最低限の接客マナーだけでなく、お客様の気持ちに寄り添う細かな気遣いも求められます。接客に対するこだわりは店舗によって異なりますが、スタッフに以下のような接客を行うよう徹底しているエステサロンが多いです。
- 手荷物の受け渡しは両手で行う
- 飲み物は必ずお盆にのせて運ぶ
- お客様の手荷物が重い・大きい場合は出口までお持ちする
- 退店時にお客様の靴を揃えて置いておく
カウンセリングの手順
施術の前後にカウンセリングを行うのも、エステティシャンの重要な役割の1つです。
施術前のカウンセリングでは、親身になってお客様の悩みを聞き出し、最適な施術を提案するためのコミュニケーション力が求められます。サロンが取り扱っている施術メニューについて、美容に関する知識を持たないお客様にわかりやすく説明するスキルも必須です。
施術後のカウンセリングでは、お客様に感想を聞いたり適切なアフターケアについてわかりやすく説明しなければなりません。
カウンセリングを担当できるようになるためには、膨大な知識に加えて、お客様の本音を聞き出す傾聴力やわかりやすく説明する力が求められます。
細かなサロンワークの流れ
- 物販
- 店内の清掃
- カルテの入力・管理
- レジ締め
- 予約管理
サロンの規模によって異なりますが、エステティシャンは施術やカウンセリングだけでなく上記のような細かなサロンワークも担当することが多いです。
多忙な中でこうしたタスクをこなすためには、身体が覚えて自然にできるようになるまで業務の流れを深く理解することが求められるでしょう。
エステティシャンが仕事を覚えられない要因
エステティシャンが仕事を覚えられない要因として、主に以下の3つが考えられます。
- 覚えることが多すぎる
- サロンの研修制度が整っていない
- 練習や復習が足りていない
覚えることが多すぎる
ご紹介したように、エステティシャンとして一人立ちするためには数多くのスキルを身に付けなければなりません。専門のスクールに通ったり資格の勉強をしたりしていない未経験者は特に、実務を担当したばかりの頃はついていけないと感じてしまうことが多いです。
未経験のエステティシャンの場合、1人で施術を行えるようになるまでに3ヶ月から1年、役職を任されるまでに3~5年かかると言われています。エステティシャンに求められる能力は簡単に身に付くものではないため、地道な努力の積み重ねが重要です。
サロンの研修制度が整っていない
大手のエステサロンの多くは、新人のエステティシャンを対象とした研修を行っています。座学で施術や取り扱う美容製品に関する知識を学ぶ、施術やカウンセリングのロールプレイングを繰り返すといった研修を2週間~3ヶ月程度行うことが一般的です。
しかし、研修制度が整っていないエステサロンもあり、未経験のエステティシャンに対して、サロンワークの流れを簡単に伝えていきなり実務を任せる店舗も少なくありません。
エステサロンが未経験者に即戦力のスタッフと同じような対応をする背景には、慢性的な人手不足があることが多いです。
未経験者がそういったサロンで働き始めると、どうしても働くのがつらいと感じてしまうでしょう。上達を目指して自主的に努力できれば問題ないですが、どうしても現状に耐えられない、手厚く指導を受けたいと考える方は、転職を検討してみても良いかもしれません。
練習や復習が足りていない
エステティシャンが覚えなければならない仕事の量は膨大であり、一朝一夕にはマスターできません。お客様に合った施術をスムーズにできるようになるためには、無意識に手を動かせるよう身体で覚えることが求められます。
・反復練習の回数を増やす
・その日に学んだことを家で復習する
早く上達しようと思うと、エステサロンの研修や与えられた課題をこなすだけでなく、上記のようなプラスアルファの努力が必要になるでしょう。
エステティシャンが仕事を覚えるコツ
ここからは、エステティシャンが仕事を早く覚えるためのポイントを解説していきます。
・反復練習・復習の方法を工夫する
・先輩の動きを観察する
反復練習・復習の方法を工夫する
早く仕事を覚えるためには、練習量を増やすだけでなく質を高めることも大切です。反復練習を実施する際に、以下のポイントを取り入れてみてください。
- 声に出しながら練習する
- 自分が練習する様子を動画で撮影する
施術を覚えられない方は、施術の手順を声に出しながら練習してみてください。自分の声が耳に入り、無言で施術するよりも頭に入ってくる情報の量を増やすことが可能です。さらに、声に出すという行為によって脳が刺激され、記憶に残りやすくなります。
施術スキルがなかなか上がらない方におすすめしたいのが、自分が練習している様子を動画で撮影することです。自分が施術する様子を客観的に確認することができ、なんとなく練習するだけでは思い浮かばなかった改善点が見えてくるかもしれません。
先輩の動きを観察する
自分1人で繰り返し練習していると、施術やカウンセリングのコツについて何が正解なのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。高い施術スキルを持った先輩エステティシャンをじっくりと観察して、良いところを盗んでみてください。
先輩がスムーズに業務をこなせる理由や顧客満足度をアップさせる秘訣を分析しているうちに、上達のヒントが見つかるかもしれません。現場で活躍する先輩エステティシャンのお手本を近くで見られるという恵まれた環境を、活用しない手はありません。
お客様の喜ぶ顔を想像して上達を目指そう
エステティシャンとして働き始めたばかりの頃は、周囲とのレベルの差やなかなか上達できないことに悩んだりもどかしさを感じたりすることもあるでしょう。しかし、ご紹介したポイントを押さえながらこつこつ努力を重ねれば、早く一人立ちすることも十分可能です。
エステティシャンを志した時の初心を忘れず、一人前として活躍することを目指して日々の業務や練習に励んでみてください。
エステティシャンの他にも、美容業界に携われる職種は多数存在します。株式会社NBSでは、美容機器の導入を検討しているサロン様をサポートする様々な職種について募集を行っています。興味のある方は、ぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。