脱毛サロンを開業したばかりの頃は小規模なマンションの一室からスタートしても、経営が安定し、売上が大きくなってくると、2店舗目の出店も視野に入ってくることでしょう。
店舗数が増えると売上がさらに増大する可能性もありますが、一方で注意しなければいけない点も多く存在します。
今回のコラムでは脱毛サロンの店舗展開について解説するので、現在2店舗目の出店を考えているオーナー様はぜひご覧ください。
店舗展開のメリット
まずは店舗展開することにはどのようなメリットが存在するのか、ということを解説します。
- サロンの売上がアップする
- サロンの知名度がアップする
- リスクヘッジができる
- スタッフのスキルアップにつながる
- さらなる店舗展開が望める
サロンの売上がアップする
複数店舗を展開する最大のメリットは、売上がアップするということです。
例え毎日予約がいっぱいになるほど繁盛しているとしても、1店舗だけだと売上に限界があります。
店舗を増やすことによってキャッシュポイントも倍増するため、さらなる利益が見込まれます。
サロンの知名度がアップする
集客においてネームバリューが重要であることはほぼ全ての業界に共通しますが、2店舗目を出店すると、ユーザーに認知される機会が増加します。
姉妹店があることによって信頼度もアップするため、店舗間で相乗効果が発生するでしょう。
リスクヘッジができる
運営店舗が1店舗だけだと、業績が悪化してしまった場合、一気に廃業に追い込まれてしまう危険性があります。
店舗が複数あると、どこかの店舗で売上が不足してしまった場合でも、他の店舗でカバーすることが可能です。
また、急用や体調不良でスタッフが不足してしまった場合でも、姉妹店からヘルプを出すことで、せっかく入った予約を断らずに済みます。
スタッフのスキルアップに繋がる
2店舗目を出すにはスタッフの協力が不可欠であり、オーナーはだけでなくスタッフも、新店舗のオープン準備、経営知識、人材管理といった、様々なスキルが身に付くことでしょう。
店長やマネージャーといった役職を与えることで、スタッフのキャリアアップやモチベーションも向上に繋がります。
さらなる店舗展開が望める
1店舗目が成功したからといって、2店舗目も上手くいくとは限りません。
立地条件や周辺地域の特性によって適切な経営形態は異なり、1店舗目と同じ戦略が通じるとは限らないためです。
しかし、そのような経験によって得たノウハウは必ず蓄積されていき、さらなる店舗展開に繋げることができます。
店舗展開の注意点
新店舗を出店することには多くのメリットがありますが、以下の注意点があることを理解しておきましょう。
- 維持費が倍増する
- 経営が複雑になる
- スタッフの管理が困難になる
維持費が倍増する
店舗数が増えると、毎月の維持費がほぼ倍増することになってしまいます。
売上に関わらず、固定費は発生し続けるため、仮に1店舗の業績が良くないと、もう1店舗の利益でカバーしなければいけなくなります。
経営が複雑になる
脱毛サロンで2店舗目を出店する場合、1店舗目はオーナーが引き続き管理し、新店舗の管理はスタッフに任せるケースがほとんどです。
反対に1店舗目をスタッフに任せることも考えられますが、どちらにせよ、いきなり一つの店舗をスタッフに任せっきりにすることは難しく、経営はより複雑になってしまいます。
仕事量も以前より増えてしまうため、新店舗を出店することでどのような業務が発生するのかあらかじめ把握し、人材を確保しておくことが大切です。
スタッフの管理が困難になる
店舗が複数になると、オーナー一人で全てのスタッフを管理することが難しくなります。
知らず知らずのうちにサービスの質が下がってしまったり、スタッフ同士のコミュニケーションが希薄になってしまう恐れがあります。
また、新店舗を出店したばかりの頃は来店数を予測することが難しく、人手が不足する、あるいは余ってしまうことが珍しくありません。
基本的に脱毛サロンを利用する場合は事前に予約を取ることが多いですが、当日になって急に多数の予約が入ってしまう可能性があるという点にも注意する必要があります。
オーナーがいなくても上手く運営するポイント
前述した通り、店舗展開の直後は、業務やスタッフを上手く管理することが非常に困難になります。
オーナーがいなくても上手く運営するポイントを解説するので、ぜひご参考になさってください。
- 1店舗目の近くに出店する
- マニュアルを作成する
- 十分にスタッフを育成する
- 撤退ラインを決める
1店舗目の近くに出店する
一つ目のポイントは、1店舗目の近くに2店舗目を出店することです。
距離が近いと、店舗同士でユーザーを取り合ってしまうことが危惧されますが、脱毛のような既に競争率が高まっている業界に関しては、あえて特定の地域に店舗を集中させることで認知度を上げる「ドミナント戦略」が有効です。
また、物理的に店舗間の距離が近いことで、比較的管理も容易になり、オーナーはもちろん、スタッフ全員の負担を軽減することができます。
マニュアルを作成する
小規模な脱毛サロンの場合、オーナーが中心となり、スタッフに指示を出しながら業務をこなしていることが多いですが、店舗展開を成功させるためには、スタッフ自身で適切な判断ができるよう、マニュアルを作成することが望ましいです。
マニュアルによってオーナーが持つノウハウを伝えることで、業績が安定しやすくなります。
十分にスタッフを育成する
新店舗を任せることにより、スタッフの飛躍的なスキルアップが望めますが、店舗展開は決して小さくないリスクを孕んでいます。
せっかく2店舗目を出店してもすぐに撤退せざるを得なくなってしまうケースも少なくないため、出店前の時点で十分にスタッフを育成しておきましょう。
撤退ラインを決める
店舗展開後、しばらくは赤字の状態が続くことも想定し、余裕を持った資金を用意しておく必要がありますが、業績が悪い状態があまりに長く続くと、経営そのものを圧迫してしまいます。
あらかじめ明確な撤退ラインを定め、もし失敗に終わった場合でも、必要以上の損害を被らないことが大切です。
店舗展開するタイミングはいつ?
最後に、脱毛サロンで店舗展開する適切なタイミングを解説します。
1店舗目で十分な利益を得るようになった
2店舗目を出店しても、業績がすぐに黒字になるとは限りません。
売上の不足分をカバーできるよう、1店舗目で十二分の利益を安定して得られるようになってから、2店舗目の出店を検討するようにしましょう。
店舗を任せられるほどスタッフが成長した
先ほども解説した通り、オーナー一人で複数の店舗を完全に管理することは非常に困難です。
目を離さざるを得ないケースも珍しくないため、最低でも各店舗に一人ずつ、店舗経営を任せられるスタッフが在籍している状況が望ましいです。
日常的な業務を完全に任せられるほどスタッフが成長すると、オーナーは他の業務に専念することが可能になり、さらに店舗数を増やすことも可能になります。
融資を受けられる信頼が確立できた
店舗展開にあたり、新たに融資を受ける場合も多いですが、そのための審査を通過するには、金融機関から高い信頼を得る必要があります。
つまり、融資を受けられるということは、金融機関からの客観的な評価を得たということになり、新店舗を出店するタイミングとして適切だと言えるでしょう。
万全の準備を整えて新店舗を出店!
店舗展開を成功させるためには様々な準備が必要になり、出店後も多くの苦労が伴います。
失敗に終わった場合の損失も決して小さくありませんが、取り組み次第では多大な利益が期待できます。
3店舗目、4店舗目とさらに店舗を拡大していくためにも、まずは万全の準備を整え、2店舗目を成功させましょう!