美容看護師の人気が高まっている中、その種類の1つであるアートメイク看護師に注目が集まっています。
新たなキャリアの選択肢として選ばれるようになってきたアートメイク看護師ですが、魅力的なポイントが多い一方、働くうえでのリスクも持ち合わせています。
そこで本記事ではアートメイク看護師とはどういった職業なのかというところから、気になる年収、アートメイク看護師になる方法まで幅広く解説していきます。
就職や転職でアートメイク看護師を目指される方はぜひご一読ください。
アートメイク看護師とは?
そもそもアートメイクとは、眉やアイライン、リップなどの皮膚の浅い部分に針を使って色素を入れてメイクを施すサービスのこと。アートメイク看護師はその施術を行う看護師を指します。
一般的なメイクアップサロンとは異なり、医療行為に該当するため、医師免許か看護師免許のいずれかが必要です。施術はもちろん、ヒアリングやデザイン考案など、やりがいのある仕事内容に加え、資格を活かせるということから、看護師の転職先として選ばれることが多いです。
気になるアートメイク看護師の年収は?
就職を考える際に必ず押さえておきたいのが給料や年収です。一般的にアートメイク看護師の1か月分の給料は30万円〜、年収は350万円〜と言われています。
アートメイク看護師は一般病棟の看護師と比較されることが多いですが、厚生労働省調査が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は500万円程度。
それと比較すると、アートメイク看護師の収入は低いように思えますが、多くの場合、成果に応じてインセンティブが付与されます。お客様からの指名数が増えるほど給料も上がり、一般的な看護師の収入を上回ることも珍しくありません。
また、スキルを身に付け、ファンが増えると、フリーランスとして独立することも可能です。あくまで自分の実力次第ではありますが、年収1,000万円以上を実現することもあります。
アートメイク看護師として働くメリット
アートメイク看護師として働くことには以下のようにたくさんのメリットがあります。
- 看護職の中でも給料が高い
- 規則正しい生活を送ることができる
- フリーランスとして働くことができる
- 自分にしかできない仕事ができる
看護職の中でも給料が高い
給料の高さはアートメイク看護師として働く大きなメリットといえるでしょう。
研修を終えると固定給にインセンティブが付与されるため、年収は青天井となり、他の看護職と比べても給料は高いといえます。スキルがあればどこまででも給料を増やしていくことができます。
規則正しい生活を送ることができる
アートメイク看護師の仕事には夜勤がありません。日中に仕事を切り上げることができるため、規則正しい生活を送ることが可能です。
一般病棟の看護師だと夜勤が当たり前のようにあり、昼夜問わず人の命に関わる仕事をしなければならず、その肉体的・精神的負担は計り知れません。一方、アートメイク看護師であれば、そこまでのストレスを抱えずとも高い給料を稼ぐことができます。
フリーランスとして働くことができる
アートメイク看護師は、スキルさえあればフリーランスとして働くことができます。結婚や出産など、ライフステージの変化に応じて働き方に制限がかかってしまうこともありますが、フリーランスであれば私生活に合わせて柔軟に活動することが可能です。
フリーランスならではのデメリットや悩みもありますが、幅広い選択肢の中から自分にぴったりな働き方を選べるというのは大きな魅力だと言えるでしょう。
自分にしかできない仕事ができる
アートメイクはデザインの仕事です。誰かが代わりに行えるものではないので、個人の実力を評価してもらいやすい職業だといえるでしょう。
他の看護職だと、看護師のうちの1人として評価されることが多いですが、アートメイク看護師はアーティストとしてスポットライトを浴びることができます。
お客様が自分にしかできないアートメイクの技術に感動して喜ぶ姿を見ることは大きなやりがいとして感じられるでしょう。
アートメイク看護師として働くデメリット
アートメイク看護師として働くことは魅力的なメリットが多い一方、デメリットも存在します。悪い面も把握することで就職後に後悔するリスクを減らしておきましょう。
- 体力が必要である
- 責任が重い
- 休みにくい
体力が必要である
アートメイクの施術は基本的に時間がかかります。その間前傾姿勢を保たなければなりません。
また、空き時間や休みの日でも、施術の技術が鈍らないように練習が必要であり、姿勢による負担が大きいといえます。そのため、肩や首の凝り、目の疲れ、腰痛など様々な部位で疲労を感じるでしょう。アートメイクには体力が必要です。
責任が重い
アートメイクは刺青を肌に施すようなものであり、失敗は許されません。万が一、お客様の要望と異なる仕上がりになってしまった場合、そのメイクの除去には施術の倍以上の費用と時間がかかります。
リスクを背負いながら施術を行う必要があるという状況は、精神的負担になります。施術に対する責任の重さが常にあるのはデメリットの1つといえるでしょう。
休みにくい
アートメイクの仕事は替えが利くものではありません。お客様はそのアートメイク看護師のデザインや技術力にお金を払ってくれます。
特にクリニックで雇用される場合、お客様の都合で働くことも多く、お客様から指名があれば自分が休みたい日でも休みが取りにくいです。急遽休みをもらうとなるとお客様からの信頼を損ねかねないため、休む場合はお客様への早めの連絡を心掛けましょう。
アートメイク看護師になる方法
アートメイク看護師になる方法としてよく挙げられるのは以下の3つです。
- アートメイクスクールに通う
- 研修のあるクリニックに通う
- 求人を出してないクリニックに問い合わせる
中でも主流なのは「アートメイクスクールに通う」という選択肢です。未経験者でもクリニックに採用してもらえる可能性はゼロではありませんが、専門的な技術が必要であることから、あまり現実的とは言えないでしょう。
そのため、アートメイクスクールで基本的なスキル・知識を身に付けてからアートメイク看護師になるというのが一般的な流れになります。
ちなみに、アートメイクスクールには病院や美容クリニックの看護師として働きながら通うことも可能です。近年ではオンラインでも受講できるスクールもあるため、自宅の周辺にスクールがない方でも問題ありません。
ただ、アートメイクスクールならどこでも良いというわけではありません。アートメイク看護師として就職した際、いち早く活躍するためにも、実績や評判を見て適切なスクールを選びましょう。
アートメイク看護師のキャリアの選択肢とは?
アートメイク看護師として働くうえで、キャリアの選択肢は以下の4つになります。
- 生涯現役で働く
- 講師業やスクール運営をする
- 教材・物品開発をする
- クリニックを運営する
まずは生涯現役でアートメイク看護師として働くという選択肢です。直接お客様と関わって仕事をしたいという想いが強い人はこの選択肢をとられるでしょう。
また、現役でアートメイク看護師として働きながら、並行して他の仕事も行うことができます。
アートメイク看護師を養成する講師やスクール運営側にまわる、施術に使う物品開発に携わる、アートメイククリニックを運営するなど、アートメイクとの関わり方は様々です。
自分の好きな形でアートメイクに関わり続けることができるのも、アートメイク看護師として働くことのメリットといえるでしょう。
アートメイク看護師として年収を上げるためには?
最後に、アートメイク看護師として働くうえで年収を上げるためのポイントを解説いたします。
- お客様に寄り添える看護師になる
- 指名をもらえるほどのデザイン力をつける
- SNSを活用する
お客様に寄り添える看護師になる
アートメイク看護師も看護師です。お客様にいかに寄り添えるかはとても重要な項目といえるでしょう。
お客様に満足してもらうためにはお客様の要望を汲み取り、最適な提案をしなければなりません。お客様の要望がお客様の顔には似合わないと判断した場合も、否定をするのではなく、寄り添っている姿勢を見せなければ信頼を失います。
お客様から信用を得て、多くの顧客から指名をもらえるようになることで、自ずと年収も上がっていくでしょう。
指名をもらえるほどのデザイン力をつける
アートメイク看護師で高い年収を得るために必要になってくるのが、インセンティブによる報酬です。お客様からの指名が多ければ多いほど報酬は高くなっていきます。
そのためには、お客様に寄り添う力だけでなく、アートメイクのデザイン力も必要です。あなたにしかできないデザインにお客様は魅了されて指名をしてくれます。
デザイン力を高めて実績を積むことも高収入を得る手段の一つです。
SNSを活用する
アートメイク看護師として高年収を得るには知名度も必要でしょう。そこでSNSの活用をおすすめします。
美容意識の高い世代である若者が使っているX(旧Twitter)やInstagramといったSNSを活用しましょう。施術の様子や症例写真を投稿することで、どのようなことができる施術者なのかをユーザーに知ってもらい、指名に繋げることができます。
近年はSNSを通してアートメイクを知る人が多いので、積極的に活用していくことでファンの増加を図ることができるでしょう。
納得したうえでアートメイク看護師を目指そう
アートメイク看護師は、技術を磨き、自身のプロモーション活動を効果的に行うことで、高年収を狙える職業であることがおわかりいただけたでしょうか。
魅力的なアートメイク看護師の仕事ですが、ご紹介したようなデメリットも存在します。良い面と悪い面の両方を把握したうえで、アートメイク看護師というキャリアを選択しましょう。