お客様とのコミュニケーションにおいて、メールやLINEを利用する脱毛サロンが増えています。しかし、「美容サロンにおける予約の40%以上は電話で行われる」と言われているなど、サロンのスタッフとお客様が電話でやり取りする機会は少なくありません。
お客様の表情が見えず、声だけでやり取りしなければならない電話対応。円滑に進めていくためには、どういった点に注意すれば良いのでしょうか。
今回のコラムでは、脱毛サロンにおいてスムーズに電話対応を行うためのコツをお伝えしていきます。
脱毛サロンで電話対応が重要な理由
声だけでコミュニケーションを取る電話対応では、お客様の顔を見て話したり、メールやLINEでのやり取りのように伝える内容を熟考したりすることができません。
スムーズに対応できず戸惑ってしまうと、声色を通してスタッフの迷いが伝わり、失礼だと捉えられてしまうこともあるでしょう。また、新規のお客様からの問い合わせに丁寧に対応できなければ、来店を検討していた方が離れてしまう可能性もあります。
脱毛サロンにおいて、ポイントを踏まえた電話対応はお客様からの信頼に繋がっていると言えます。
電話で連絡するお客様の心理とは
脱毛サロンに電話で連絡するお客様は、どのような心理状態にあるのでしょうか。
急いで解決したい問題がある
- 急に体調不良になった
- サロンの場所がわからない
- 直近の時間でキャンセルがあれば予約を取りたい
上記のようなすぐに返事をもらいたい要件があり、お客様が急いでいるケースが考えられます。つられて慌てることなく、冷静に必要な情報を伝えることが必要です。
直接伝えたい相談がある
LINEやメールではなく電話で相談したいことがあるお客様は、悩みや不安を抱えていると考えられます。初めて来店する方であれば尚更です。スタッフには相手の心情に寄り添って、親身に話を聞く姿勢を示すことが求められます。
脱毛サロンにおける電話対応の主な内容
脱毛サロンにおいて、お客様との電話のやり取りで考えられる内容は以下の通りです。
- 営業電話
- 予約の受付
- 予約キャンセルの対応
- サロンまでの道順案内
- サービス内容に関する問い合わせ
営業電話を断る、予約に関して連絡をするといった会話の流れをある程度想定できる場合については、スタッフがいつでも確認できるようマニュアルを作成しておくと良いです。下記のように、対話形式で大まかな流れをまとめておきましょう。
スタッフ「お電話ありがとうございます。脱毛サロン〇〇の△△でございます。」
お客様「予約をキャンセルしたいのですが。」
スタッフ「キャンセルのお電話ですね。ご予約の日時を教えていただけますでしょうか。」
お客様「〇月〇日の…」
脱毛サロンのお客様と通話する流れ
お客様と通話する際の流れをお伝えするとともに、スタッフが注意すべきポイントについて順を追って解説していきます。
3コール以内に電話に出る
一般的に、電話がかかってきたら3コール以内に出るのがビジネスマナーだと言われています。3コール以内に出てもらえないと、電話をかけた人が「待たされている」と感じやすくなるためです。
脱毛サロンでは、スタッフが施術をしていて電話に出るのが遅れるというケースが考えられます。電話対応のために施術を中断してしまうと、施術中のお客様にも迷惑がかかってしまいます。
いつ電話がかかってきても迅速に対応できるよう、すぐに電話に出られるスタッフが1人以上いる状態を保てるのが理想です。
サロン名やスタッフ名を述べる
電話を取ったら、相手より先にサロン名とスタッフ名を伝えましょう。ビジネスの場において、最初に「もしもし」と言うのはマナー違反だとされているため避けましょう。
また、3コール以内に電話に出られなかった場合には、「大変お待たせいたしました。」と言ってから話し出すと、親切な印象を与えられます。
お客様の名前を尋ねる
スタッフに続いて名乗ってくれるお客様がほとんどだと考えられますが、相手が名乗らないケースでは、「お客様の名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」などと尋ねましょう。
また、電話でやり取りするお客様の名前は、サロンが顧客管理を行う上で大切な情報です。聞き間違えたり忘れてしまったりするのを回避するために必ず復唱し、メモを取ってください。
必要に応じて担当者に取り次ぐ
担当者の名前を呼び捨てで復唱して確認し、待ち時間をもらって通話を保留します。
その後、該当のスタッフが不在の場合はお客様に伝え、折り返しても良いかどうかを確認しましょう。「折り返します。」と言い切るのではなく、お客様に判断を委ねると、スタッフの配慮が伝わりやすいです。
- 名前
- 電話番号
- 折り返しが可能な時間
これらの内容を改めて復唱し、メモを取っておきましょう。情報を書き記しておくことで、担当者へ確実に伝達することができます。
電話をかけた側が先に切るように動く
電話をかけた側が先に切るのが、電話対応の基本的なマナーです。相手から電話がかかってきた場合は、電話が切れた音を確認してから受話器を置きましょう。
お客様が電話を切らずにいる場合は、「お電話ありがとうございました。失礼いたします。」などと一声かけてみてください。
脱毛サロンで円滑に電話対応を行うコツ
スムーズに電話対応を進めていくためのコツをご紹介していきます。
声のトーンを明るくする
電話対応においては、店内での接客以上に明るいトーンで話すことが大切です。はっきりと丁寧に話すことによって、不安を抱えているお客様に安心してもらえるでしょう。
脱毛サロンでは、電話対応を行うスタッフが決められていない場合が多いです。スタッフ同士でのロールプレイングなどを通して、お互いの電話対応がお客様にどんな印象を与えるのかを確認し、対応の質に関する基準を統一しておくことをおすすめします。
また、先述したように、脱毛サロンに電話をかける方の心情は様々です。お客様の心理状態や話すスピードによって、話す速度を調整しても良いかもしれません。
お客様が話しやすいよう会話を主導する
来店経験のない方や悩みを抱えているお客様は、自分から要件を切り出しづらいと感じていることもあるでしょう。相手が話し始めるのを待つのではなく、「何かお困りのことはありますか。」といった声掛けをすると、会話をより円滑に進められます。
また、電話の最後に「何か他にお困りのことはございますか?」というように不安が解消されたかを確認すると、言い残したことを話してもらえるかもしれません。
脱毛の知識やメニューを丁寧に説明する
脱毛の知識や施術内容に関する問い合わせを電話で行うお客様も多くいます。しかし、電話対応においては、身振り手振りを使ったりイラストを見せたりすることができません。
そのため、店内でお客様に直接説明する場合と比べて、より一層わかりやすく話すことが求められます。脱毛や施術に関して深く理解し、声だけで説明する練習をしておくと良いでしょう。
重要な情報は復唱し、メモを取る
情報を復唱することとメモを取ることは、電話対応の基本です。これらを徹底することでお客様との認識違いをなくしたり、スタッフ間の連絡ミスを防いだりすることができます。以下のような重要な情報は、必ずメモを取りましょう。
- お客様の名前や連絡先
- 取り次ぐスタッフの名前
- 予約日時
- 施術メニュー
また、数字は「1(いち)」「7(しち)」というように発音が似たものがあり、聞き間違いが起きやすいです。電話番号や日時といった数字を含む情報は、よりはっきりとした発音で復唱してください。
臨機応変に対応して円滑な電話対応をしよう
電話対応で大切なのは、マナーを守ってマニュアル通りに話すことだけではありません。お客様に寄り添った対応をすることによって、信頼関係を構築することも必要です。
また、中には臨機応変な対応が求められるケースもあります。そのため、電話対応の質を高めるためには、スタッフどうしでロールプレイングを行ったり、実践を重ねたりすることで経験を積むことが欠かせません。
今回ご紹介したポイントをスタッフ全員で身につけ、お客様が気持ちよく話せるような電話対応を心掛けていきましょう。