エステティシャンを募集する際、募集要項に年齢制限を設けるべきか検討している方も多いのではないでしょうか。実際に様々なサロンの求人情報をチェックしてみても、年齢制限を設けているエステサロンは多いですが、それにはきちんとした理由があります。今回のコラムで、エステティシャンの年齢について詳しく解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
エステティシャンに年齢制限について
エステティシャンの募集要項には「20〜30代」や「40歳未満」などと記載されている場合があり、特に全国展開しているグループ店舗ではその傾向が顕著です。しかし、エステティシャンには明確な年齢制限やボーダーラインなどはなく、特に定年がない個人サロンも珍しくありません。
つまり、エステティシャンは年齢に関係なく続けられる職業ということですが、求人広告を出稿する側は、採用する人材の年齢によって、メリットやデメリットがあるということに注意しなければいけません。実際に募集されているエステティシャンは20~30代が中心ですが、次にその理由について解説します。
エステティシャンの求人に20~30代が多い理由
エステティシャンの求人に「20〜30代」という条件を付けているエステサロンが多い主な理由は以下の通りです。
- 経験者やベテランの人件費が高いため
- 体力が必要な仕事であるため
- ターゲット層と合わせるため
経験者やベテランは人件費が高いため
エステティシャンを採用するにあたり、経験の有無によって大きく変化するのが人件費です。ある程度経験を積んだベテランのエステティシャンに比べて、未経験の人材を採用する場合は人件費を抑えることができます。サロンでしっかりとトレーニングする必要はありますが、既に指導のノウハウがあるのであれば、経験者を採用するよりコストを抑えることができます。
体力が必要な仕事であるため
エステティシャンの仕事は体力が重要になります。ハードな立ち仕事である上に、施術以外にも準備や事務作業、在庫管理やカウンセリングなど、その業務は多岐に渡ります。そのため、一般的には体力がある若い人材が好まれる傾向にあります。
ターゲット層と合わせるため
エステサロンにおいては、接客や居心地の良さも顧客満足度を大きく左右する要因です。近年では、学生を含む若い女性がメインターゲットであるエステサロンが増加しています。そのような店舗では、若いスタッフを採用してお客様に親近感を持ってもらうために、求人に年齢制限を設けていることもあります。
エステティシャンの年齢別の給料相場
先ほどエステティシャンの人件費について触れましたが、年齢や経験によってどれくらいの差があるのでしょうか。年代別の年収の相場は一般的に下記のように言われています。
年齢 | 年収 |
---|---|
20代 | 約250万円 |
30代 | 約300万~400万円 |
40代 | 約300万~400万円 |
店長・マネージャー | 約500万円 |
※パート・アルバイトの時給は1000円前後
地域や店舗によって異なりますが、一般的にエステティシャンの初任給の相場は月給18万~20万円程度で、年収に換算すると約250万円になります。経験に伴って少しずつ給料も上がっていきますが、役職が付いたり、インセンティブが付いたりするとさらに増加します。
ベテランのエステティシャンの中には、月給40万〜50万円ほど稼ぐ人も珍しくありません。新人の2倍ほどの人件費がかかることになり、開業直後の個人店には採用のハードルが高いことが分かります。
また、全国展開する大手チェーンなどでは、教育システムが確立されていることが多いです。高い人件費を払って経験者を採用するよりも、自社で育成した方がコストパフォーマンスが良いことがあります。
若手エステティシャンを採用するメリット
前述の内容をもとに、若手エステティシャンを採用するメリットをまとめると、以下の通りです。
- 長く働ける
- 体力がある
- 人件費を抑えられる
長く働ける
一般的には労働寿命が長い若い人の方が、長期的に働ける可能性が高いです。勤続年数が長くなるとスキルが上がるだけでなく、エステサロンに対する理解度も深まり、お客様とも固い信頼関係を築くことができます。
体力がある
ハードな業務のエステサロンで長く勤務するためには体力も必要です。そのため、一般的に体力に余裕があるとされる若い人が採用されやすい傾向にあります。
人件費を抑えられる
未経験者と経験者とでは、人件費に大きな差が生まれます。経験が豊富なエステティシャンを採用するメリットもありますが、その分店舗を経営する上でのリスクにもなり得ます。自社で育成したスタッフが活躍してくれる方が中・長期的な利益が大きいこともあります。
ベテランのエステティシャンを採用するメリット
一方、ベテランのエステティシャンを採用するメリットは以下の通りです。
- 即戦力になる
- 顧客の信頼を得やすい
即戦力になる
新人が一人前のエステティシャンになるまでには3か月~1年ほどの時間が必要です。その間指導にあたるスタッフにも負担がかかり、コストも時間もかかります。
一方でベテランのエステティシャンは即戦力であり、サロン自体もスムーズに回転させることができます。新人の指導も任せられるため、特に開業したばかりのサロンにとっては大きな助けになるでしょう。
顧客の信頼を得やすい
未経験者に比べ、ベテランのエステティシャンはお客様から信頼されやすい傾向にあります。特に初対面のお客様にとって、エステティシャンを評価する要素は限られているため、経験や年齢といったわかりやすい要素は信頼獲得のための強力な武器になります。
エステティシャンの採用で重視するべきポイント
ここまでエステティシャンの年齢について解説しましたが、実際に面接する際は、他にどのようなポイントに注目すれば良いのでしょうか。採用の基準は数多くありますが、その中でも特に重要なものは以下の通りです。
- 忍耐力の高さ
- 美意識の高さ
- 職歴・人生経験
忍耐力の高さ
エステティシャンの業務は体力はもちろん、精神力や耐久力なども求められます。お客様に寄り添って悩みを解決することや、時にはクレームの対応をしなければならないこともあります。また、日々進化する美容機器や商品についての勉強も求められるため、仕事に対する熱意や意欲がなければなかなか続けられません。
美意識の高さ
エステサロンのお客様は、外見への関心が人一倍強い傾向にあるため、エステティシャンの容姿も注意深く見られています。きちんと身だしなみを整えておかないと、お客様の信頼を得ることは難しいため、エステティシャン自身が強い美意識を持つことは非常に大切です。
職歴・人生経験
エステサロンの業務は多岐に渡るため、例え未経験の人材であっても、それまでの人生や、前職での経験が活かされる可能性は大いにあります。エステサロンには様々なお客様が来店されるということもあり、思わぬシーンで能力が発揮されることもあるでしょう。面接では前職や学生時代の経験について積極的に質問し、応募者の可能性を引き出してあげることが大切です。
良い人材採用がサロン運営の成功につながる
今回はエステティシャンの採用における年齢制限やボーダーラインの理由、採用のコツについて解説しました。
経験豊富なベテランスタッフはエステサロンにとっても即戦力になりますが、その分人件費が高くなります。一方で未経験者は人件費は抑えられるものの、一人前のエステティシャンとして戦力になるまで、決して少なくない時間と費用が必要になります。
どちらも異なるメリットがあるため、ご自身の経営方針に合った人材を採用し、店舗の経営をより良いものにしていきましょう。