いざ、エステサロンを開業するとなった時、何を基準として物件探しを行うのが良いのでしょうか。駅からの近さや同業種の居抜き物件など、人によってポイントは異なりますが、間取りについても注意が必要です。
「備品を搬入したら思ったよりも狭かった」「間取りが使いにくかった」なんてことにならないように、エステサロンを開業するなら抑えておきたい物件のポイントを紹介いたします。
もくじ
エステサロンの間取りで用意したいスペース
まずは、エステサロンを開業するにあたり、必要となってくるスペースを説明していきます。気になる物件を見つけたら、間取りをどのように活用するのかイメージしてみてください。
- 待合室
- 施術室
- 洗面台・トイレ
- 事務スペース・バックヤード
- その他必要設備
待合室
カウンセリングや予約が続いた時にお客様に待っていただくスペースを用意しておくと便利です。
狭くても良いですが、以下の備品を置くイメージをしておくと良いでしょう。
- テーブル
- 椅子・ソファ
- 化粧台(ドレッサー)
もし、間取りに余裕がない場合は、施術室でカウンセリングを行う、お客様の予約時間は十分に空きを持たせるなどの方法を検討してください。
施術室
施術室には、最低でも以下の備品を設置することになります。
- ベッド
- ワゴン
- 業務用美容機器
- 収納棚
エステでは、タオルや施術着なども必要となるため、収納スペースを確保しなければいけません。上記の設備を置いた上で、ベッドまわりに動けるような余裕があれば問題ありません。
ここで注意したいのが業務用美容機器についてです。コンセント位置の確認や今後美容機器が増えることも想定しておくと使いやすい施術室になります。
洗面台・トイレ
お客様が使用する洗面台やトイレの準備も行いましょう。エステに限らず、洗面台やトイレの清潔感は非常に重要です。水まわりが汚れている店舗は、全体的に不衛生な印象を与えてしまいます。時間を決めて清掃をしたり、予約前には必ず確認をしたり、常にきれいにできるよう、気を付ける必要があります。
事務スペース・バックヤード
カルテなどの管理スペースを忘れてはいけません。カルテにはサロンの契約メニューやお悩みだけではなく個人情報も掲載されています。ほかのお客様の目に触れないのはもちろんですが、自宅サロンの場合は、家族からも見られないようにくれぐれも取り扱いに注意してください。
その他必要設備
そのほかにもエステサロンを運営する上で想定しておくと便利なスペースがいくつかあります。
- スタッフの手洗い場
- 美容機器の消毒や清掃場所
- 物販の管理場所
- サービスステーション
お客様が安心してサロンに通うためには、感染対策を行っていることが優に伝わることも重要なポイントとなります。エステサロンでは直接お客様に触れることも多いため、スタッフの手洗い、美容機器の消毒はこまめに行えるような導線を考えておくのがベストです。
また、施術後にドリンクを提供するのであれば、サービスステーションとなるようなスペースを想定しておくのが良いでしょう。
エステサロンの広さはどれくらい必要?
エステサロンは美容室や飲食店などと比べて比較的設備もシンプルで、最低6畳あれば施術スペースを確保できます。
ただし、これは施術や接客など1人でサロン運営を行う場合です。スタッフを数人雇ったり、お客様を何組か受け入れたりする場合は、より広い物件を検討しなければいけません。ベッド数が増える場合は、個室にするかどうかも坪数に関係してくるため、一緒に検討しましょう。
ラグジュアリーな高級サロンをコンセプトとした場合、内装に余白を持たせることが非常に重要です。情報を詰め込んだ空間は、注意が散漫し、チェーン店のようなにぎやかな印象が強くなります。落ち着ける重厚感のある空間を提供するには最低でも10畳程度の余裕のある間取りを選んでください。
自宅でサロン開業をする時の最適な間取りとは
賃料が不要なことから初期費用とランニングコストをぐっと押さえられる自宅での開業。仕事や子育てが落ち着いたタイミングでオープンを検討する方も多くいらっしゃいます。
自宅サロンで気を付けたいのが、生活感との切り離しです。単に空き部屋を利用するだけではなく、お客様がリラックスできるような空間作りを意識しましょう。
自宅サロンで気を付けたい点を4つに分けて説明していきます。
- 生活感が目に入らない部屋を施術室にする
- お客様の導線を意識する
- インテリアを工夫する
- 賃貸は営業許可を取得する
生活感が目に入らない部屋を施術室にする
前述した通り、エステサロンは6畳ほどのスペースがあれば施術可能です。しかし、リビング横にある部屋を活用して施術室を作るなど、居住スペースと共有している部屋はできるだけ避けてください。
エステサロンにいらっしゃるお客様は、「きれいになりたい」「日々の疲れを癒したい」などの願いをもって来店されます。ゆっくり過ごすには、日常と切り離した空間を演出することが重要です。
子どもの声や炊事のにおいなど、日常に引き戻される瞬間をなるべく排除してください。玄関から近い部屋を施術室にすると、キッチンやリビングなど生活空間が目に入りにくくなりおすすめです。
洗面台やお手洗いに関しても、自宅での開業を行うと、多くの場合が家族と共有で利用することになります。常に掃除を行うのはもちろんですが、家族と出くわしてしまうとお互いが気を遣い良い気持ちになりません。
2階にも洗面、お手洗いを設置し、営業時間中は家族の利用は2階のみにしてもらうなど話し合っておくのも良いでしょう。
お客様の導線を意識する
せっかく待合室や施術室をこだわって作り込んでいても、玄関やトイレはそのままにしていると台無しです。お客様が来店してからの導線をできるだけイメージをして、世界観を作っていきましょう。
また、トイレと部屋のドアのデザインが似ている場合も要注意。お客様が間違えて他の部屋に行ってしまうことが無いような導線づくりも合わせて意識してください。
リビングからしか洗面台やトイレに行けないなどの間取りになっているご家庭は、リノベーションは難しくともパーテーションを置くなど工夫を凝らしてください。
インテリアを工夫する
お店のコンセプトを伝えるのに外装や内装は非常に重要なポイントです。戸建て住宅の場合、外構工事や大きなリフォームなどは難しいかもしれませんが、インテリアにこだわれば十分カバーすることができます。
例えば、狭いのが弱点であれば、家具は低いものを選ぶ、薄い色を選ぶと圧迫感がなく広く見えるなど工夫を施すだけでも目の錯覚で広く見せることができます。
リラクゼーションサロンであれば、リラックスして過ごせるように照明を暗めにしたり、お香を焚いたり、五感を刺激する雰囲気づくりを行いましょう。
賃貸は営業許可を取得する
賃貸マンションや分譲マンションの自宅を改装してオープンを考えている方は注意が必要です。自宅用に借りている物件のほとんどが、店舗としては利用できない契約になっています。
トラブルの原因になるだけではなく、最悪の場合退去を命じられることもあります。土日だけのオープンだからなど甘んじず、管理会社や大家さんへ必ず確認を行ってください。
テナントでサロン開業をする時の最適な間取りとは
比較的自由に店舗デザインを考えたり、コンセプトに合わせて店舗づくりをできたりするのが大きなメリットのテナント型店舗。
自宅サロンとは異なり、実際のサロン運営をできるだけ具体的に練ってから物件を探すのがポイントです。
- 事業展望をイメージする
- スタッフ数に合わせて休憩スペースを確保する
- カーテンやパーテーションなどを活用する
- 間取り以外にも立地にもこだわる
事業展望をイメージする
テナントを探す場合、どんなエステサロンを開業するのかできるだけイメージをしてください。オーナー1人のサロンなのか、スタッフを雇うのかだけでも店舗に必要な面積は異なります。
また、ゆくゆくベッド数を増やしたいのであれば、個室を設けるのかなども考えておきたいところ。多くの場合、坪数が増えれば家賃も比例して上がっていきます。事業規模に合わない物件を選んでしまえば、経営は苦しくなってしまい失敗に繋がります。
スタッフ数に合わせて休憩スペースを確保する
スタッフを雇うのであれば、休憩スペースを確保しなければいけません。スタッフの着替えや荷物の管理も必要です。
ロッカーや鏡、机などを置いても余裕があるかチェックしてください。
カーテンやパーテーションなどを活用する
ワンルームや1DKのマンションの場合、キッチンのような生活感の出る部分が見えやすくなります。そのほかにもスペースや予算の都合上、待合室と施術ルームを分けるのが難しいなどの問題があるときにおすすめなのがカーテンやパーテーションです。
設置するだけなので簡単にスペースを分けることが可能で、大幅な工事も不要です。
利便性だけではなく、サロンのコンセプトを表現する一部として活躍してくれます。店内でも面積が大きな部分のため、素材や細かなデザインにこだわって設置するとサロンの雰囲気をぐっと盛り上げてくれます。
間取り以外にも立地にもこだわる
まどりや広さも重要ですが、ほかにも気を付けたい要素があります。
- 駅からの距離
- 街の雰囲気
- 街灯の多さ
- ターゲットに合ったエリア
店舗を借りるためには、家賃が発生するだけではなく、高額な敷金礼金が必要になってきます。一度借りた店舗を、すぐに変更するのは、予算や手続き上なかなか難しいものです。
そのため物件は慎重に選ばなければいけません。徒歩で駅から店舗まで行く、昼だけではなく夜にも店舗周辺のチェックを行うなど、お客様が通いやすいか入念に調べましょう。
エステサロンを開業するための間取りをイメージしよう
特に資格も必要ないことから、開業にチャレンジしやすいエステサロン。しかし、自宅の一室をそのまま使用したり、間取りにこだわらず契約をしてしまったりすると後悔する可能性があります。
今回のコラムでは、サロン運営を行う上で必要となるスペースや間取り選びのコツについて解説いたしました。サロン作りは、展開メニューや内装デザインだけではありません。店舗の広さや間取りなどもチェックしながら、理想のエステサロンを作り上げましょう。
株式会社NBSでは、テナント・自宅でのサロン開業、どちらの支援も行っております。それぞれの物件の特徴を生かしたサロンの経営についてサポートいたしますので、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。