看護師として勤務する方の中には「好きなことを仕事にしたい」「夜勤やシフト勤務を続けられる自信がない」「働く場所や時間に囚われずに働きたい」と、起業を目指す方も少なくありません。

そこでおすすめなのが「プチ起業」です。看護師として働く以外にも収入を得ることで、年収アップやゆくゆく事業を大きくするための準備を行うことが可能です。

今回は、看護師のプチ起業について、メリットやアイデア、開業までのポイントをご紹介します。

看護師のプチ起業とは


そもそも「プチ起業」とは何でしょうか。

正確な定義はありませんが、一般的には、本業の他にも個人事業主や法人として開業し、所得を得ていることを指します。副業と言い換えることができるでしょう。

プチとあるように、収入は〜数万円程度。本業と掛け持ちしながらスキマ時間に他の事業を営むことが多いようです。

働く時間も場所も自由で、看護師とは違ったやりがいや楽しさを感じられると、多くの方がチャレンジしています。

看護師のプチ起業におすすめアイデア

では、実際どんな業態を選ぶ人が多いのでしょうか?今回は、訪問看護ステーションやデイサービスなどの医療職以外での開業アイデアを紹介します。

  • 美容サロン
  • Webライター
  • カウンセラー
  • 料理教室

美容サロン

お客様の悩みや身体に向き合うことが多い美容サロン。目的は異なりますが、お客様に寄り添いサポートを行う面では、看護師と通ずる仕事です。

自宅やレンタルスペースを利用して開業を行えば、開業資金も比較的安価に済みます。本業の空いた時間で営業するプライベートサロンがプチ起業では人気です。

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Webライター

Webサイトで掲載されるコラムやブログを執筆するWebライター。

パソコンとインターネット環境さえあればどこでも働くことができるため、非常に人気の副業の1つ。クラウドソーシングサービスに登録し、記事案件を企業から受注するのが、一般的な仕事の獲得方法です。

単価は1文字1円程度、1記事3000円ほどが多いですが、ライティング未経験者だともっと単価が低くなることも当然あります

看護の資格を生かしたライティングや監修ができると、単価アップも夢ではありません。

ただし、法律遵守した執筆ができるよう薬機法や景品表示法について学んだり、SEOライティングの知識を身につけたりすることも必要でしょう。

カウンセラー

看護を行わず、カウンセリング業務のみを行う「カウンセリングナース」という仕事があります。

患者さんの悩みや不安、生活環境、考え方を聞き出し、解決策を一緒に考えていきます。メンタル疾患だけではなく不妊治療や美容整形のカウンセリングなど、職場はさまざまです。

料理教室

料理が好きな方であれば、料理教室の講師も1つの手です。

食事と健康は深い関係があります。看護師の経験や知識を活かし、身体や病気に関する情報を踏まえた料理教室を行えば、差別化にもなるでしょう。

自宅で開催する程度であれば、特別な届出も不要なのも挑戦しやすいポイントです。

看護師がプチ起業を選ぶメリット

どんな業態でもいきなり独立・起業を行うのは多くのリスクが伴います。「プチ起業」からのスタートをおすすめしたい理由は以下のとおりです。

  • 投資額が少ない
  • 平日にも時間が作りやすい
  • 収入面でのリスクが少ない

投資額が少ない

カフェや訪問看護ステーションなどの施設を開業しようとすると、多くの自己資金と手続きが必要です。

プチ起業からのスタートは、開業時にかかるイニシャルコストが少なく済むのが大きなメリット

例えばサロン開業であれば自宅で開業することも可能です。この場合開業資金は、自宅のリフォームや機器・備品の購入が中心で300万〜500万円ほどが相場。

一方でテナントを借りようと思うと、上記費用の他にも保証金(賃料の10ヶ月分が相場)、礼金、仲介手数料、共益費、前家賃、プラスで毎月家賃がかかります。

先行投資額が少なくなれば、万が一失敗してもダメージを最小限に抑えることができます。費用を抑えることはチャレンジのしやすさに繋がってきます。

平日にも時間が作りやすい

いくら「プチ起業」とはいえ、起業するためにはさまざまな届出を提出する必要があります。融資や補助金などの制度を活用するのであれば、それだけ多くの書類を揃えなくてはならず、税務署や銀行に何回か足を運ぶこともあるでしょう。

看護師という職業は、土日の出勤や夜勤もありますが、一般企業より平日に時間が作りやすいのも特徴。平日休みの時間をうまく使って、事業の準備を進めていきましょう。

収入面でのリスクが少ない

通常、新しく事業を開業するとなれば、しばらく収入がなくとも暮らしていける生活費の確保が必要です。どれだけ事業計画を立てていても、集客や仕事が集まるのか、経営がいつ頃安定するのかは誰にも分からないからです。

本業で看護師として働きながら、起業を行えば、万が一事業がうまくいかなくてもダメージが少なくなります。

看護師という国家資格と臨床経験があれば、就職先に困ることも少ないので、たとえ失敗してもまた事業計画を練り直してチャレンジできるでしょう。

看護師がプチ起業を考えるときの注意点

プチ起業する前に、気をつけておきたい4点をお伝え致します。

  • 事業イメージを綿密に練る
  • 本業に支障が出ないようにする
  • 開業届を提出する
  • 税金や資金調達などお金に関する知識をつける

事業イメージは綿密に練る

通常の起業に比べてハードルは低いとはいえ、ビジネスを成功させるためには、入念な計画が必要です。どんな業態でも開業直後から成功するのはほんの一握りということを忘れてはいけません。多くの経営者は、開業後も情報収集を続け、我慢強く長期的に取り組んでいます。

事業イメージをしっかり立てるのはもちろん、すぐにうまくいかなくとも心の余裕を持ち、根気強くチャレンジしていきましょう。

本業に支障が出ないようにする

プチ起業を考えたときにまず確認したいのが、本業の就業規則です。副業の可否は職場によって異なります。

民間の病院、クリニック、施設は就業規則によりますが、国立病院や役所に保健師として勤務している場合、公務員となるため原則として副業は禁止です。

規則を破ると減給や停職、懲戒免職の恐れもあります。副業やプチ起業にチャレンジしたいという場合は、転職も含めて検討しましょう。

派遣やアルバイトとしてスポットで働くという求人が見つかりやすいのも看護師の強みです。

開業届を提出する

「プチ」とはいえ起業するのであれば開業届を提出するのが良いでしょう。開業届を提出することで以下の3つのメリットがあります。

  • 青色申告ができる
  • 赤字の繰越が可能になる
  • 屋号を取得できる

開業届は国税庁のHPからダウンロード可能で、提出もオンラインで行えます。個人事業主の場合、税務署への開業届提出のみで開業手続きは完了するため、ぜひ済ませておきましょう。

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税金や資金調達などお金に関する知識をつける

開業届を提出すると、確定申告を行わなければいけません。最低でも、経費や売上などの記帳の仕方は学んでおきましょう。不安な場合は、税理士に依頼するのもおすすめです。

合わせて知っておきたいのが、補助金や助成金など、開業に関する支援についてです。日本政策金融公庫では中小企業や起業家に向けて、積極的に融資を行っています。

以下の記事では、起業に役立つ多くの補助金、助成金を紹介しています。ぜひご参考にしてください。

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看護師のプチ起業がおすすめ


本業で働きながら、スキマ時間で事業を営むプチ起業。リスクやハードルの低さから人気を集めていますが、入念な準備が必要なことには変わりありません。

これからのキャリアを考えたときに、好きなことを仕事にしたい、働く時間や場所に囚われずに働きたいという方は、まずはプチ起業からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

株式会社NBSでは、総合美容機器メーカーとして、美容機器の販売だけではなく、サロン運営のサポートも合わせて行っております。コンセプト策定や資金調達、メニューづくりに活用できる素材の提供など、全面的に支援させていただきます。