エステティシャンとしてフェイシャルエステに興味があるものの、資格が必要なのか、資格を取るメリットはあるのかとお悩みではないでしょうか。また、一口に資格といってもさまざまな種類があるため、どれを選べばよいかわからないという方もいるかもしれません。

そこで今回のコラムでは、フェイシャルエステ関連の資格の必要性、取得するメリットなどを解説していきます。実際の資格の特徴と、学ぶ方法もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

【フェイシャルエステ】資格がなくても施術はできる


フェイシャルエステの施術にあたり、特別な資格は必要ありません。毛穴クレンジングやイオン導入のような一般的なフェイシャルメニューは、技術と正しい知識があれば、資格がなくても施術が可能です。

そのため、サロンで働いてスキルを高めつつ、必要に応じて資格を取得する人も多くいます。

ただし、シェービングやまつ毛パーマなどを行う場合には、理容師、美容師の免許が求められるので注意が必要です。これらの資格がないまま該当する施術を行えば、各法令に違反することになります。

資格を取得するメリット


フェイシャルエステを行うだけなら特定の資格は必要ありませんが、資格の取得によって得られるメリットは多いです。以下、フェイシャルエステ関連の資格を取得するメリットを確認しておきましょう。

新しい知識得られる

フェイシャルエステに関わる資格を取得する過程では、次のような知識を体系的に学べます。

  • 肌の構造や仕組み
  • 化粧品成分の特性
  • 衛生管理 など

専門的な情報をしっかり理解することで、より安全で効果的な施術が可能になります。また、お客様の悩みに対しても根拠あるアドバイスができるようになるでしょう。

肌トラブルを抱える人にとって、理論に基づいた説明ができる施術者は大きな安心材料です。新しい知識を身につければ、施術やカウンセリングの質が底上げできます。

スキルアップできる

資格を取得する過程では、フェイシャル技術の基本から応用までをしっかり身につけることが可能です。マッサージの手技や機器の扱い方、肌状態の見極め方など、実践的なトレーニングを通じてスキルアップできます。

独学では見落としがちなポイントも、講師の指導によって改善できるため、スムーズに技術の向上が図れるでしょう。また、資格取得後も上位資格や専門資格にチャレンジできるため、ステップアップを重ねることも可能です。

就職に有利

資格は、エステティシャンとして一定の知識や技術を証明する手段になるため、実務経験だけでなく、適した資格があると採用されやすくなります。また、フェイシャル専門のサロンや美容クリニックでは、資格保持者を優遇するケースも少なくありません。

一般的に資格を持っている人は、未経験者に比べて「基本ができている」「教育の手間が省ける」と判断され、即戦力として期待されやすいです。また面接の際にも、資格取得の経緯などから、学びへの姿勢や向上心をアピールでき、それが有利に働くでしょう。

お客様の安心感につながる

資格の有無は、お客様に与える安心感を左右します。フェイシャルエステは、顔に直接触れる施術のため、施術者のスキルに不安を感じるお客様も少なくありません。

しかし、資格があれば「専門的な知識と技術を持った人」というアピールができ、お客様の不安を和らげることができます。施術の説明にも説得力が増すため、満足度の向上やリピートにつなげやすくなるでしょう。

独立しやすい

将来的に自分のサロンを持ちたいと考えている場合、資格を取得しておくことは大きなアドバンテージになります。サロンを開業する際には、信頼性のある肩書きや技術の裏付けがあると集客面で有利です。

また、資格を活用すれば、講師や技術指導など仕事の幅が広がるため、収入の選択肢も増やせます。独立を含め、長く美容業界で活躍したい人にとって、資格は強力な後ろ盾になるでしょう。

フェイシャルエステ関連の資格


フェイシャルエステに関する資格は、その認定元によってさまざまです。資格ごとの特徴を知り、目的に応じたものを選びましょう。

AEA認定エステティシャン

日本エステティック業協会(AEA)が認定する資格で、エステティックの基礎から応用までを網羅し、プロフェッショナルとしてのスキルアップを目指す方に適しています。

次の3つにレベルが分かれており、実務年数や所有資格に応じて受験できます。

  • 基礎資格:AEA認定エステティシャン
  • 上級資格:AEA上級認定エステティシャン
  • 最上位資格:AEA認定インターナショナルエステティシャン

いずれも筆記と実技試験があり、最上級資格になると、技術や理論的な面で人材育成ができるレベルを示します

AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン

一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)が認定する資格で、誰でも受験することが可能です。​試験に合格し、実務経験やカリキュラムの履修といった条件をクリアすることで、資格申請が行えます。

試験は​年に複数回実施され、全国のテストセンター、自宅のパソコンから受験できます。問題数は、共通、フェイシャル問題あわせて80問が出題され、70%以上の正解率で合格です。

Beauty Therapy Diploma

CIDESCOが認定する国際的なエステティシャン資格で、エステティックの知識・技術が高い水準にあることを証明します。フェイシャルに特化した「RPLフェイシャルサーティフィケート」​受験には、以下の条件を満たす必要があります。

  • 2年以上の実務経験がある
  • エステティックの基礎教育(フェイシャル)を235時間以上受けている

試験は、理論チェックと実技チェックに分かれており、実技に関しては模擬試験を受けることが可能です。

フェイシャルエステ資格の勉強方法


フェイシャエステの資格を取る際は、以下、いずれかの方法で学ぶ必要があります。

  • スクール
  • 通信講座
  • 独学

取得したい資格や、自分の状況に合わせて方法を検討しましょう。

スクール

フェイシャルエステ資格を目指すうえで、最も体系的に学べるのが専門スクールです。理論だけでなく実技の授業も充実しており、講師から直接指導を受けられる点が最大の強みです。

実際に人の肌に触れてトレーニングできるため、即戦力としての技術が身に付きやすく、卒業後すぐに現場で活躍できる可能性が高まります。通学時間の確保が必要ですが、じっくり学びたい方にはおすすめです。

通信講座

仕事や子育てなど、スクールに通う時間がとりにくい人には、通信講座がおすすめです。オンライン教材やDVD、テキストなどを使って、資格試験に必要な内容を一通り学ぶことができます。

近年ではオンラインで実技指導を行う講座もあり、通学に近いサポートが受けられるケースも増えています。費用の面でもスクールより抑えられることが多く、コスパの良さも魅力の一つです。

独学

費用をできるだけ抑えたい、試しに勉強してみたいというのであれば、独学も一案です。テキストさえ購入すれば、自分でスケジュールを立てて学習を進めることができます。

ただし、独学で正しい手技を習得するのは難しく、フォームに変なクセが付くリスクがあります。また、資格によっては独学での学習が認められないケースもあるので、事前に受験条件を確認しておきましょう

フェイシャルエステの資格をとってレベルアップ

フェイシャルエステを行ううえで、専門資格は必要ありません。しかし、お客様からすれば、無資格より有資格のエステティシャンのほうが信頼しやすいのは明らかです。

また、資格を取得することで、自らの知識をアップデートできたり、スキルアップできたりといったメリットも得られます。とくに、難易度の高い資格を持っていれば、エステティシャンとしてのレベルを証明でき、キャリアアップにもつなげやすいでしょう。