エステサロンの経営を成功させるためには、安定した売上を獲得、そして利益率を向上させることが重要です。
1日に何人も施術すれば当然売上はアップします。しかし個人サロンの場合は特に、ベッド数が限られており、集客数を増やすことに限界があるのも事実です。
効率よく売上をアップさせていくには、客単価を上げる必要があります。
今回のコラムでは、エステサロンの客単価について解説しています。「開業前にメニュー展開を考えている」「利益率向上のためにメニューを見直している」など、お悩みのオーナー様はぜひご覧ください。
もくじ
客単価とは
まずは客単価について説明していきます。客単価(顧客単価)とは、お客様が1回の来店で利用する金額のことを指します。
以下の式にて算出することが可能です。
- 客単価=売上÷客数
基本的には来店回数でカウントするため、リピート数は関係なく上記の計算式にて割り出します。もし自店の客単価が分からない場合は一度算出してみましょう。
客単価の目安金額は?
客単価は売上金額から算出できます。一般的に個人エステサロンの場合、100万円が月間売上金額の目安とされます。
月間売上金額目標を100万円として、客単価を算出してみましょう。週休2日とすると営業日は22日。そのため以下のように、一日の売上金額を導き出せます。
- 100万円(売上)÷22日(営業日数)=45,500円(1日の売上金額)
1人で運営することが多い個人エステサロンの場合、ベッド数は1台、1日の施術人数は3〜4人が限界でしょう。
- 45,500円(1日の売上金額)÷3人(1日の顧客数)=約15,000円(客単価)
この通り、月100万円の売上を目指すのであれば、顧客単価は平均15,000円です。この金額を目安に価格設定を考えていきます。
売上アップを狙うなら顧客数と客単価を上げよう
前述した通り、売上は2つの要素で作られています。
- 顧客数
- 客単価
つまりこの2つ、もしくはどちらかを上げれば売上アップが実現できます。
例えば、手軽な施術を売りにした低価格帯のサロンであれば、売上アップさせるためには多くの顧客に来店していただく必要があります。
個人サロンでは1日にサービスを提供できる人数が限られているため、とにかく集客して顧客数を増やすという策は取れません。そのため来店人数を安定させることと客単価を上げることに注力すると効率よく売上をアップできます。
客単価をあげる方法
では、具体的に客単価を上げるためには、どんな方法があるのでしょうか。
- メニュー展開を工夫する
- オプションを充実させる
- 物販を取り入れる
- 顧客満足度の改善を図る
メニュー展開を工夫する
前述した通り、売上額の目標数値からメニュー料金を考えないといけません。客単価の向上を目指し、単純な値上げをしては、新規顧客だけではなく既存顧客が離れてしまう原因にもなります。
値上げだけではなく、他のメニューの組み合わせができないかを考えてみましょう。悩みや目的に合わせてセットにしたり、期間限定のメニューを設けたりとお客様にとって魅力的なメニュー展開を考えることが重要です。
- 肩首デコルテマッサージメニュー
- 毛穴徹底改善!集中ケアコース
- 夏に間に合う!全身脱毛コース
など、ターゲットにとって魅力的に感じるメニューを作成していきましょう。
関連記事:エステサロンでの人気メニューの作り方|差別化できるメニューのポイントは?
オプションを充実させる
気軽にプラスできるオプションメニューの充実もおすすめ。
フェイシャルエステサロンであれば悩みに合わせたスペシャルパック、リラクゼーションサロンであればヘッドスパなど、組み合わせることでより効果を発揮してくれるものが良いでしょう。
オプションメニューは短時間かつ手頃な価格で用意するとお客様もチャレンジしやすくなります。カウンセリングや施術中に勧める際には、押し付けられたと感じないように、どうしておすすめなのかどんな効果があるのかを具体的にお話ししながら提案しましょう。
物販を取り入れる
エステティック業の売上の内、3割(33.7%)が物品販売によって構成されています。(引用:経済産業省/エステティック業の概況)
物販は施術とは異なり、時間をかけなくても売上を獲得できます。
さらに、物販のメリットは客単価が上がることだけではありません。
購入していただいた基礎化粧品を気に入っていっていただければ、定期的な購入が見込めることやホームケアの充実でお客様も効果を感じやすくなり満足度をアップさせることも可能です。
店内POPを活用したり、SNSでの告知などで商品認知ができる仕組みづくりをしましょう。
関連記事:エステサロンの物販で売上をアップさせるポイントとは?
顧客満足度の改善を図る
お客様がエステサロンに来店する理由は何でしょうか。
「痩せたい」「すっぴんでも自信を持ちたい」「リラックスしたい」理由は千差万別です。しかし、共通して何らかの悩みを解決したいと考えている方がほとんどでしょう。
お客様の悩みをヒアリングし、施術でその改善を促し、期待を越えていくことができていれば、自然に信頼を蓄積できます。お客様に「このサロンにお願いしたら間違いない」「自分のことをよくわかってもらえている」と安心していただいたら、1つのコースだけではなく追加での相談をいただいたり、継続して通っていただいたりと結果として客単価を上げることにつながっていきます。
顧客単価の見直しだけじゃない!売上アップの方法とは
前述した通り【売上=客単価×客数】で決まります。そのため売上をアップするためには客単価を上げるだけではなく、以下の3つの方法が考えられます。
- 新規の顧客数を増やす
- リピーターを増やす
- 作業の効率化を測る
新規の顧客数を増やす
まずは、新規の顧客数を獲得することが重要です。たとえ、自宅で小規模な美容サロンを経営していたとしても、新規顧客の集客は常に行ってください。お客様が結婚や妊娠、転勤などどんな事情でサロンに通えなくなるかは分かりません。
ターゲットに合わせて以下の方法を用いて宣伝しましょう。
- 予約ポータルサイト
- ホームページ、ブログ
- SNS
- Googleビジネスプロフィール
- 折込チラシ・フリーペーパー
- 口コミ、紹介
関連記事:エステサロンの集客を成功させるコツ!効果的な集客方法は?
リピーターを増やす
新規顧客と同様に重要なのが既存顧客の存在です。
基本的に、新規顧客を獲得するためには上記の通り広告宣伝を活用する必要があります。これに加えて、初回の来店にはお得なコースやプレゼントを用意することも多いでしょう。
つまり、新規顧客獲得単価は必然的に高くなりがちです。リピーターを獲得できると、集客にかかるコストを抑えながら売上を獲得できます。同じ人数を集めるのであれば、リピーターの方がお店の利益率は多くなることは覚えておきましょう。
来店頻度をアップさせるようにクーポンや回数券、季節に合わせたイベントを実施するのもおすすめです。
LINEを活用しリピーターのお客様向けに、継続的に関係を築いていくのも良いでしょう。
関連記事:LINE(ライン)をサロン集客に生かすには?活用したい機能やサービス
作業の効率化を測る
集客がうまくいっても「時間が足りない」「スタッフが足りない」といった理由で、現実的に施術ができなければ意味がありません。回転率の改善も同時に取りかかりましょう。
”回転率を上げる”と聞くとお客様の施術時間を短くすることに注目してしまいますが、単純に手を抜いたり焦ったりしてはいけません。
業務用美容機器は日々進化しており、機能の充実だけではなく効率化にも励んでいます。機器の見直しを図ることで、大幅に施術時間の短縮が実現する可能性があります。
このほかにも、カルテの整理や予約管理など事務作業にかかる時間の見直しも有効です。予約管理と電子カルテ、売上など一括管理できるサービスなども提供されています。有料のものも多いですが、取り入れることで施術数を増やせたり、集客活動に時間を割けたりできるのであれば、導入もぜひ検討してください。
利益率にも注目しよう
売上額に注目してしまいがちですが、利益率はサロンの経営が順調か図るために非常に大切な数値です。利益率は以下で計算することが可能です。
- 売上-売上原価=粗利
- 粗利÷売上×100=利益率
売上だけが高くても、経費がかさんでいるようでは、経営は傾いてしまいます。消耗品や備品購入費など変動費の見直しができるように経営状態の明瞭化に努めましょう。
関連記事:エステサロンの利益率の目安は?計算方法や利益を上げる秘訣を紹介!
客単価の高いエステサロンを目指そう
エステサロンの経営を安定させるためには、顧客単価が非常に重要です。ただし、単純に高いメニューや値上げするだけでは、顧客離れの原因にもつながります。
まずは自店の売上目標から目安となる客単価の算出をし、以下の方法で客単価の改善をしましょう。
- メニュー展開を工夫する
- オプションを充実させる
- 物販を取り入れる
- 顧客満足度の改善を図る
株式会社NBSでは、長年美容業界に携わり直営店の運営を行ってきたノウハウを活かして開業から運営まで一貫してサポートしております。
- 開業準備
- 集客
- 販促計画
- カウンセリング資料作成
- スタッフの育成 など
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