「エステサロンの開業資金はどれくらい必要?」

「いつか独立して自分のサロンを持ちたいけどどのくらい貯蓄したらいい?」

「開業資金が足りないときの調達方法が分からない」

こんなお悩みがあるオーナー様やエステティシャンの方も多いでしょう。

実際インターネットで開業資金を調べてみると大きな幅があり、自分のサロンだったらどれくらいの金額が必要なのか分かりにくく感じることもあるでしょう。それもそのはずで、サロンの開業スタイルやコンセプトによって開業資金の目安は異なります。

今回のコラムでは、開業スタイル別の資金目安、調達方法などについて解説していきます。エステサロン開業を検討している方、いつか起業して自分の店舗を持ちたい方などぜひ参考にしてください。

エステサロンの開業資金の内訳とは

まずは、エステサロンを開業するにあたってどんな費用が必要となるのか項目別に紹介していきます。

  • 賃料・保証金
  • 内装費
  • エステ用機器
  • 消耗品費・備品
  • 宣伝広告費
  • システム管理費
  • 運転資金

賃料・保証金

開業費用全体の中でも大きな割合を占めるのが賃料・保証金です。賃料だけではなく、敷金礼金や火災保険料などが必要な場合もあります。

物件によって規定が異なるため、賃貸契約書をしっかり確認しておきましょう。

内装費

サロンのターゲットやコンセプトに合わせて、内装工事も行わなければいけません。

自宅や賃貸マンションであればそれほど大規模なリフォームはできませんが、サロンの強みやターゲットに合わせて細かなインテリアにもこだわりたいところ。複数の業者から見積もりを取ると、相場が分かりますし値段交渉もしやすくなるためおすすめです。

エステ用機器

エステ用機器と一口にくくっても、様々なメーカーから発売されており機能も様々です。

業務用脱毛機や痩身機などの美容機器は、エステサロンのメニュー展開に大きく関わり、集客にも影響を与えます

美容機器は非常に高価なものが多く、特に業務用脱毛機は安くても100万円はかかります。デモ体験などを活用して実機に触れて、使い心地を確かめてから慎重に選びましょう。

価格だけではなく、効果やサポート内容、担当スタッフが信頼できるかどうかも見極める必要があります。

参考記事:失敗しない業務用エステマシンの選び方は?理想の機器を見つけるコツ

https://www.clear-sp.com/salon-open/blog/machine/

消耗品費・備品

施術やカウンセリングに必要な備品や消耗品は、40万程度用意しておくと安心です。

ベッドやソファは一度購入すれば、めったに買い替えることはありませんが、タオルや施術に使用する化粧品などは、定期的にコストがかかってきます。

お客様の肌に直接触れるものも多いので、値段だけで比べず質にも妥協せず選んでください

宣伝広告費

どれだけ良い美容機器を導入しても、サロンの存在をアピールできていなければお客様は来店してくれません。

ターゲットによって適切な広告手段は異なりますが、オープン当初はしっかりと予算をかけて宣伝するようにしましょう。

システム管理費

お客様の予約導線についても考えなければいけません。今はオンライン予約が主流です。お客様がいつでも予約できるように、予約ポータルサイトやLINE、SNSなど予約導線も整えてください。

導入するシステムによって異なりますが、予約管理だけではなく電子カルテや決済システムなどの多機能の物もあります。

一般的に料金は初期費用10万円、月額2万円程度かかると考えておけば良いでしょう。

運転資金

開業資金だけではなく、運転資金も考慮する必要があります。運転資金とは、実際にサロンを運営するために必要な資金をさし、家賃や消耗品費、人件費などがこれにあたります。

事業が軌道に乗るまでの期間を考慮して6か月分程度の固定費を用意しておくのが安心です。人を雇うのであればできる限り多めに準備しておくのが良いでしょう。

エステサロンの開業スタイルとは


エステサロンの開業資金を考える上で大きく関係してくるのが、どんな物件でエステサロンをオープンさせるのかです。まずは、エステサロンの開業スタイル(形態)について解説していきましょう。

  • 自宅サロン
  • 賃貸マンション
  • テナントサロン

自宅サロン

自宅の一部を美容サロンとして活用する方法です。物件を新たに借りる必要が無いこと、通勤時間が無いためライフワークバランスが取りやすいことから、幅広い年代の方に人気の開業スタイルです。

ただし、生活感の溢れる空間から切り離しにくいことや見知らぬ人が自宅に来ることによるセキュリティの情弱性には注意しなくてはいけません。近隣住民の方に迷惑が掛からないような配慮や家族の理解も必須となるでしょう。

賃貸マンション

自宅ではなく、店舗としてマンションを借りて開業する方法です。自宅とは異なり自分で開業場所を選べるため、コンセプトやターゲットなど自由に構想できるのが大きなメリットです。

しかし、どんな物件でも開業できるわけではなく、店舗として契約できる物件のみに限られます。

多くのマンションは住居用に作られており、無断で開業したとなれば契約違反になってしまいます。トラブルを避けるためにも、必ず不動産会社やオーナー、管理会社に店舗として借りる旨を伝えてください。

テナントサロン

商業ビルのフロアを借りたり、商業施設内の一角を借りたりするのがテナントサロンです。比較的集客しやすいのが大きなメリット

ベッド数がいくつもある規模の大きなサロンをオープンできたり、ゼロから自分のサロンを作りこめたりなど自由度が高いのが特徴です。

【開業スタイル別】開業資金の目安金額

開業資金はどんな開業スタイルを選択するかで大きく異なります。それぞれ形態によって目安となる開業資金をご紹介していきましょう。

  • 自宅サロンの開業資金
  • 賃貸マンションの開業資金
  • テナントサロンの開業資金

自宅サロンの開業資金

他と比較して賃料がいらないのが、資金面での大きなメリットです。引っ越しや大規模なリフォームが不要であれば、開業資金を抑えることも可能です。

選ぶエステ機器の金額にもよりますが、自宅サロンであれば300万円程度準備しておくと安心でしょう。

開業資金の内訳は以下の通り。

内訳 予算目安
賃料・保証金 0円
内装工事費 20万円~
エステ用機器 ~500万円
消耗品・備品 10万円~
宣伝広告 10万円~
システム管理費 10万円~
運転資金 15万円~

賃料を抑えることができるのは大きなメリットですが、生活感を切り離してサービスを提供するためにインテリアや内装の工夫は必須です。

また、マンションやテナントと比較すると集客のしにくさも課題としてあげられます。近隣住民の方をターゲットとするのであれば、チラシのポスティングやフリーペーパーへの出稿などの集客施策も積極的に行いましょう。

賃貸マンションの開業資金

住居用のマンションとは異なり、営業目的でマンションを借りた場合、賃料だけではなく保証金も支払わなければいけないことがほとんど。

賃料の4か月程度の金額が相場のため、仮に賃料が15万円だと保証金は60万円となります。賃料も合わせると、初期費用だけで75万円もの金額が必要です。

ここに敷金礼金や仲介手数料、火災保険料、サロン開業で必要な備品などの購入費がプラスされます。最低でも400万円程度は準備しておきたいところです。

賃貸マンションでの開業資金の内訳は以下の通り。

内訳 予算目安
賃料・保証金 60万円~
内装工事費 20万円~
エステ用機器 ~500万円
消耗品・備品 10万円~
宣伝広告 30万円~
システム管理費 10万円~
運転資金 150万円~

賃貸物件なので大がかりな内装工事は不可である場合がほとんどです。照明やインテリアにこだわって自店の個性を演出しましょう。

参考記事:エステサロンの照明はどう選ぶ?選び方や注意点
https://www.clear-sp.com/salon-open/blog/salon-lighting/

テナントサロンの開業資金

賃貸マンションと同様にテナントも賃料だけではなく保証料が必要です。一般的なテナントの相場が20万円、保証料は賃料の6か月分と言われているため、賃料+保証料だけで140万円は必要となるでしょう。

マンションと同じく、敷金礼金、仲介手数料、火災保険料も支払います。そのほかにもスケルトン物件であれば内装工事費も大幅にかかります。

物件の状態やコンセプトにもよりますが800万円~1,000万円ほど準備しておくと安心でしょう。

開業資金の内訳は以下の通り。

内訳 予算目安
賃料・保証金 150万円~
内装工事費 150万円~
エステ用機器 ~500万円
消耗品・備品 10万円~
宣伝広告 50万円~
システム管理費 10万円~
運転資金 150万円~

複数ベッドを準備するのであればここに人件費もプラスしなくてはいけません。

【エステサロンの開業資金】3つの調達方法

どこでどんなサロンを開業したいのかイメージできたら、資金調達方法についても具体的に考えていきましょう。

開業資金の調達方法には主に3つの方法があります。

  • 貯蓄
  • 借り入れ
  • クラウドファンディング

貯蓄

まずは自身での貯蓄です。しかし、前述した通り多額の費用が必要なため、うまく賄いきれないことも多々あります。

自己資金が足りないからと開業を諦めることはありません。他の方法で資金調達を行いましょう。

借り入れ

親族や知人から借り入れる方法と金融機関からの借り入れを受ける方法がありますが、ここでは後者について詳しく説明していきます。

地方銀行や信用金庫の中には、中小企業や個人事業主への融資を積極的に行っているところもあります。政府が出資する日本政策金融公庫もその一つで、低金利での融資を行ってくれます。

開業準備で事業計画書を作成しておくと、必要資金の整理や融資の審査に活用できます。開業準備をスムーズにしてくれる大切な資料となるため、準備しておくと良いでしょう。

参考記事:脱毛サロン向け創業計画書の書き方!審査に通るポイントとは?

https://www.clear-sp.com/salon-open/blog/business-plan/

クラウドファンディング

インターネットを介して不特定多数の方から少額ずつ資金を調達することをクラウドファンディングといいます。

「こんな店舗にしたい」「こんな問題を解決したい」という思いやアイデアを発信することで、共感した方から支援していただき、目標金額が集まれば自分の手元に資金が入ります。うまくいけばサロンのオープン前からファンがつくため、集客効果も期待できます。

開業資金を抑えるためには?


比較的安価に抑えることができる自宅サロンの開業でも300万円ほど開業資金がかかります。できる限り初期費用を抑えたいと思うのは経営者であれば当たり前です。

では、開業資金を抑える方法についても合わせてお話していきましょう。

  • 補助金助成金を活用する
  • 物件の条件を見直す
  • 無料の集客方法を活用する
  • レンタル・リースを利用する
  • DIYでできる部分は自分で行う

補助金、助成金を活用する

補助金・助成金を積極的に活用しましょう。補助金も助成金も返済義務がないので資金面での負担を軽くしてくれます

特におすすめなのが助成金で、申請条件を満たしていれば、書類に不備がない限り、基本的にどんな企業でも受給できます。補助金は採用枠に条件が付けられていることがあるため、条件を満たしていても審査で不採用になってしまうことも。

便利な制度ですが、使用する際にはいくつか注意点があります。その一つに補助金・助成金は事前に申請をしてから受諾される必要があること。つまり先に購入してしまった備品に対して補助金や助成金を使うことはできません。

受諾するにも時間がかかる場合があるので、余裕を持ったスケジュールで手続きしておきましょう。

参考記事:エステ開業に役立てたい補助金・助成金6選

https://www.clear-sp.com/salon-open/blog/subsidy/

物件の条件を見直す

開業資金を抑えたい場合は物件について見直してみましょう。駅から近い物件やエリアを変えると、家賃相場がぐんと下がることがあります。

ただし、値段だけ見てサロンのコンセプトに合わないエリアを選んでも後々集客に困ることは目に見えています。予算ではなくターゲットに合わせて物件を決めましょう

他にも、前の利用者が活用していた設備をそのまま活用できる居抜き物件があれば積極的に検討しましょう。運よくエステサロンの居抜き物件が見つかれば、内装費や設備費を大幅に抑えることが可能です。

無料の集客方法を活用する

ポスティングやチラシ、雑誌の出稿など、集客方法はいくつもありますが、SNSなどの低コストで始められる媒体を活用しましょう。

開業に向けて費用をできる限り抑えたいのであれば自身で投稿更新を行うのがおすすめ。更新業務に自身の時間を割かなければいけないので、手軽にとは言い難いですが作業自体は慣れれば問題なく行えるはずです。

ほかにも、無料ホームページ作成サービスを活用してブログを書いたり、Googleビジネスプロフィールを活用するのも、低コストで始められる集客方法です。広告宣伝費を潤沢に準備するのが難しい場合はこうした集客方法を駆使しましょう。

レンタル・リースを利用する

エステで活用する業務用美容機器は非常に高価なマシンが多く、中には500万円以上するものも。資金繰りに余裕がない場合はレンタルやリースで月額の支払い負担を抑えることも検討しましょう。

美容機器の購入代金を抑えたいからといって、中古機器を購入するのは注意してください。中古の美容機器はメーカーの保証が十分に受けられなかったり、メンテナンスで結局費用がかさんでしまったりすることもしばしば。

長期的に見るとデメリットが多く、美容機器メーカーとしてもあまりおすすめはできません。

参考記事:中古で業務用脱毛機を購入するメリット・デメリットは?選ぶポイントを徹底解説

https://www.clear-sp.com/salon-open/blog/second-hand/

DIYでできる部分は自分で行う

床や壁は部屋の印象を変えるのにぴったり。例えば、自宅サロンで施術室だけ高級感のあるタイルフロアや絨毯などを活用すれば非日常な空間演出が叶います。

こうしたリフォームは内装業者に依頼すれば何十万となってしまいますが、自身でDIYすることも可能です。貼ってはがせる壁材や床材もあるため、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

エステサロン開業までの流れ

開業資金や資金調達方法についてお話してきましたが、エステサロンが無事オープンするまでやらなくてはいけないことの一つでしかありません。開業までの大まかな流れについても確認しておきましょう。

  1. コンセプト設計
  2. 物件の選定
  3. 事業計画書の作成
  4. 資金調達
  5. 内装・外装の工事
  6. 備品等の購入
  7. 採用活動
  8. 集客・告知活動
  9. オープン
  10. 必要書類の提出

前項に出てきた事業計画書は、資金調達だけではなく内装や外装を決める際にも役に立ちます。自分がどんなサロンを目指しているのか事業計画書で立ち返りながら、物事を決定していきましょう。

工夫次第で開業資金は抑えられる

エステサロンの開業資金は、開業スタイルによって大きく異なることを説明していきました。

  • 自宅サロン
  • 賃貸マンション
  • テナントサロン

自分がどこでどんなサロンをオープンさせたいのかよく構想を練りながら資金計画を立てていきましょう。特に資格がいらないため開業資金の準備ができたら、開業までのハードルが低いのがエステサロンの特徴の一つ。

融資だけではなく助成金や補助金などの制度も積極的に活用し、理想のエステサロンをオープンさせましょう。

美容機器の製造から販売まで行う株式会社NBSでは、エステサロンの開業支援も行っています。開業資金はもちろん、補助金を活用した業務用美容機器の導入支援もお任せください。そのほか物件選びや経営ノウハウなど初めてのエステサロン開業を成功に導くべく多方面からサポートいたします。

独立を検討されている方、開業したいけど何から行えばいいか悩んでいる方などぜひご相談ください。