脱毛サロンの運営で非常に大切なのが顧客管理です。お客様の個人情報や施術の内容、お肌の状態などを入れたカルテはエステサロンの経営の要とも言えます。
カルテには紙タイプと電子タイプがあり、それぞれメリットデメリットがあります。それを踏まえた上で自分のサロンにはどちらが合っているのか選択していくことが重要です。
今回は苦労されている方も多いカルテ管理について解説いたします。
カルテに記入する内容
まずはカルテの基本から。記入する内容は、サロンによってさまざまではありますが、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 個人情報
- カウンセリングシートの内容
- 購入品や施術の記録
カウンセリングシートで伺った希望や悩みは必ず残しておいてください。どんな悩みに対してどんなアプローチをしてどう結果が出たのかは、今後のお客様との関係で非常に重要なポイントです。
施術中に話した内容なども残しておくと、次に来店した時の会話のヒントにもなります。前回来店した時の内容を踏まえた会話は丁寧な接客や一人ひとりに寄り添った親身な接客という印象を与えてくれます。
紙カルテと電子カルテどちらが良い？
カルテ管理は、紙か電子かに二分されます。どちらが良いかはサロンに寄りますが、開業してすぐでお客様が少ないうちは紙カルテでも問題ないでしょう。
顧客数がまだ多くないことやサロンの経営に慣れてからの方が電子カルテの使用感について要望が出やすいからです。それぞれ紙カルテと電子カルテのメリットデメリットを確認していきながら、自分のサロンでどう取り入れるか考えていきましょう。
紙カルテのメリットデメリット
お客様から書いてもらった状態をそのまま保管できるのは紙カルテ、最大の強みです。
紙カルテのメリット
コストが安い
フォーマットさえ決定すれば後は印刷するだけ。紙とペンを用意するだけなので低コストで準備できるのが特徴です。
自由に書き込みが出来る
手書きならではの利点は自由度が高いこと。カウンセリングに慣れていなくてもサッとメモを取れたり、イラストを書き込んだり、誰でも記入しやすく使いやすいのは嬉しいポイントでしょう。
紙カルテのデメリット
保存・管理に注意
紙カルテは、保存と管理方法に頭を悩ませる方も多いです。
顧客が増えるとカルテの量も膨れ上がります。混在や紛失に気を付けるのはもちろん、使用したい時にすぐに取り出すことができるようにしなければいけません。
整理整頓のルールを定めていても、忙しいタイミングで間違って別の場所に入り込んでしまうなど、ヒューマンエラーは起こりうるものです。一度間違えてしまえば、探し出すのは非常に困難になります。
共有できない
スタッフの人数が増えたり、店舗が増えてきたりすると困るのが共有方法。紙カルテの場合、誰かが持ち出して使用しているときは、カルテの確認はできません。カルテが使用中で確認できず、前回指摘されたことをもう一度行ってしまった…なんてことがあれば、信用を失うことになります。
お客様の肌に触れて、施術を行う脱毛サロンをはじめとした美容サロンでは信頼関係は非常に重要なポイント。お客様の情報をスタッフ間で正しく共有できる方法を考えましょう。
分析業務の手間がかかる
サロンの経営を軌道に乗せるためには分析も重要です。
- どんな集客方法がきっかけで来店したのか
- どのメニューが人気なのか
- 誰が施術を行うとリピート率が高いのか
など、集計を行うと、自サロンの強みや弱みが明らかになり、今後の経営に役に立ってくれるでしょう。紙カルテの場合手作業の集計になるため、分析がしにくくどうしてもカルテは書きっぱなしになりやすいです。
電子カルテのメリットデメリット
電子カルテには、お客様が記入していただいたデータを取り込むパターンと最初からオンライン上で管理するパターンがあります。ここでは後者のアプリやシステムを活用し、オンラインでカルテの管理を行う場合について説明していきます。
電子カルテのメリット
顧客管理だけではなく多機能
電子カルテを提供するサービスには、カルテ管理だけではなくさまざまな機能が備わっています。
例えば、
- 予約管理
- 予約受付フォーム作成
- 契約管理
- 自動メール配信
- LINE連携
- 商品販売記録
- 退勤管理
- 売上集計
- 決済、レジ機能
- 会計管理
など多岐に渡ります。
予約管理や売上分析など面倒な業務がひとまとめになるため、その分空いた時間を施術やお客様とのカウンセリングなどに回すことが可能になります。
また、脱毛サロンの場合、回数をまとめて契約してくださったお客様には契約管理が必要になります。次の予約の日付を決める際にも残り回数や予約間隔を可視化できると管理がしやすいでしょう。
カルテ保存の場所が必要ない
紙と電子で大きく異なるのが保存・管理方法です。顧客情報はオンライン上で管理するため、カルテ数が増えてもスペースを圧迫するということはありません。個人サロンで十分な場所が無い場合にも安心です。
また、システム上で検索を行うこともできるので、カルテを探す時間は数秒です。使いたい時にすぐ使えるので、業務効率化にも繋がります。
スタッフでの共有がしやすい
カルテには、予約状況やカウンセリング内容、お客様の悩み、これまで起きたトラブルなどが記載されています。施術前や予約時、リピート施策を考えたりとカルテを使用する機会は何度もあります。
クラウド上に保存されている電子カルテは、機器さえあればどこでもカルテの確認が可能です。他のスタッフが確認していたり、店舗をまたいだ利用でも対応できたり、スタッフにとってもお客様にとっても利用しやすくなる可能性があります。
ヒューマンエラーが起こりにくい
紙カルテでも電子カルテでも、人為的なミスは必ず発生しますが、電子カルテの方がヒューマンエラーが起こりにくいと言われています。項目の記入し忘れや誤字脱字、読み取りにくさなどが解消されるためです。
電子カルテのデメリット
管理費用がかかる
電子カルテの導入には初期費用、運用コストが発生します。無料で提供している場合もありますが、機能や登録件数に制限がかかっていることも多いです。本格的な運用でも無料範囲内の機能で使用できるのか見極める必要があります。
無料プランを活用しながら、どのサービスが利用しやすいのか、自分のサロンに合っているのかを比較してみてください。
使いこなせない場合がある
パソコンやスマホ、タブレットの操作に慣れていない場合、そもそも使い方に不安が残ります。無料プランを活用しながら、事前に使用感を試してみましょう。操作に不安のある方はアフターフォローの手厚さを比較するのがポイントです。
ネットワーク環境に左右される
電子カルテはクラウド上での作業になるため、ネットワークの調子が悪いと使用できなくなります。ネットワークの問題だけではなく、システム障害が起こる可能性も考えて、紙カルテもある程度準備しておくといいでしょう。
情報漏洩
電子カルテと紙カルテのどちらにも言えることですが、情報漏洩には気を付けなければいけません。スマホやタブレットにアプリを入れるだけで使用できるシステムだとしても、情報漏洩を防ぐために必ずカルテ専用の電子機器を用意しましょう。
電子カルテ導入前のポイント
現在、紙カルテで顧客管理をしていて、管理のしやすさから電子カルテに切り替えを検討することもあるでしょう。
電子カルテを提供する会社はいくつも存在しています。比較検討する場合、以下の4点は必ず抑えてください。
- 費用
- 使用感
- 外部連携
- 情報漏洩
費用
美容サロンの運営には、家賃や美容機器など多くのランニングコストが必要となります。電子カルテを使用すればランニングコストがプラスでかかることを忘れてはいけません。顧客登録件数の上限やオプション機能の有無を比較し、実際お店で使用するなら料金がいくらかかるのか計算してみましょう。
初期費用、月額費用と合わせて確認したいのが決済手数料です。キャッシュレス対応の決済機能が付随されたシステムも多いですが、この決済手数料は各社異なります。
脱毛サロンの場合、お客様が一度に支払う金額が高額になるためクレジットカードなどを使用する場合も多いです。決済手数料は支払い金額に対して「％」で計算されるため、割高ではないのか必ず確認してください。
使用感
せっかく導入しても使いにくければ意味がありません。カウンセリングの際にはお客様にも使用してもらうため、使用感にストレスがないかチェックしましょう。
スマホやタブレットで、直感的に使用できるものが多いですが、一度試してから検討するのがおすすめです。
外部連携
予約サイトなどの各ツールとの外部連携が可能かも比較したいポイントのひとつ。すでに利用している予約サイトとの連携ができなければ、業務効率は上がりません。確認作業や手間が増えてしまう可能性さえあります。
使用感と合わせて、外部との連携の便利さも確認しましょう。
情報漏洩
個人情報が漏洩してしまった場合、漏洩した会社は個人に対して損害賠償義務を負います。
電子カルテを提供しているサービス側で問題があってもお客様からしたら、サロンへの信頼を失うことになります。
自分のサロンに合ったカルテ管理を
今回はサロン経営で重要となるカルテについてお話していきました。
紙カルテと電子カルテどちらもメリットがあり、サロンやシーンによって比較し選択していくのがベストです。
カルテは上手に活用できればお客様の満足度を上げ、リピート率の向上を後押しするものです。業務効率化を目指し、カルテ管理の方法を考えてみてください。
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