結婚や妊娠は女性にとって大きなライフイベントです。美容関係の仕事にやりがいを感じていても、土日祝の出勤が続く、シフトの都合上夜遅くまで働かなければならないことが多いなどがあると、続けていけるのか不安に感じたり、退職を余儀なくされることがあるかもしれません。
そんな女性に人気なのが、起業し自分がオーナーになること。今回は、出産後も仕事を続けたい、育児と仕事を両立したいという方向けに、子育て中のサロン開業について解説していきます。
もくじ
育児と仕事の両立にサロンの開業という選択
いくら女性の社会進出が進んでいても、子育てをしながら仕事を続けていくのは大変なものです。エステティシャンや化粧品の販売員などのサービス業では、連休時に預け先に困ったり、子どもの急な発熱でも早退しにくかったりと、仕事と育児の両立に関しての悩みは尽きません。
「美容が好き」「仕事にやりがいを感じている」と思いつつ、子どもが小さいうちは育児を優先すると諦めざるを得なかった方もいるのではないでしょうか。流れの早い美容業界を数年間離れることに不安を感じるママさんも多いはず。
もちろん、一概に仕事と育児の両立ができないわけではなく、実際に努力している方もたくさんいますが、特に子どもが小さいうちは多くの苦労を感じるのは事実です。
育児も仕事も頑張りたいと考える女性にとって「サロンの開業」は、自分らしく働く選択肢のひとつです。
どんなサロンにするか考えよう
ひと口にサロン開業といえど、多くの業態があります。エステサロン、脱毛サロン、ネイルサロンなどは特に資格もいらず、大きなスペースも必要としないため自宅での開業でもチャレンジしやすいのが特徴です。
注意したいのが、まつ毛エクステサロンです。開業するために美容師資格が必要です。また、開業届のほかにも「美容所開設届」を保健所に提出し、許可を取る必要があります。この許可を得るには保健所の実地検査に合格しなければいけないため、開業前には念入りに実地検査の項目をチェックしておきましょう。
おすすめは特技やスキル、好きなことを活かしたサロン
経営者になると、仕事中だけではなく、家事や育児の間に新たなスキルの習得や勉強、競合調査などを行う必要があります。他店との差別化を図るようなコンセプトやメニューを練ったり、事業計画を考えたりすることもあるでしょう。
理想の働き方を手にするために、自分が興味のあることや得意なことを中心にどんなサロンにするか考えてみましょう。
近年は、サロン開業と言っても、ポーセラーツやプリザーブドフラワー、ベビーマッサージなど多岐に渡ります。視野を広くして、自分と向き合って考えてみてください。
子育て中にサロンを開業するメリットは?
子育て中のお母さんがサロンを開業するメリットは何でしょうか。ここでは3つのメリットに分けてお話していきます。
- 勤務時間や場所が選べる
- 収入の調節ができる
- 社会との繋がりが持てる
勤務時間や場所が選べる
自分のサロンであれば、勤務時間や場所は自分で調節することが可能です。
あらかじめ子どもの行事に合わせてお休みにしたり、習い事に合わせて早めに予約を調節したりと、予定に融通が利きやすく、お客様に負担をかけることもありません。
収入の目標設定が自由にできる
「扶養の範囲内でお小遣い程度に」「ゆくゆくは店舗を大きくすることを考えたい」など、希望に合わせた自由な目標設定が可能です。
社会との繋がりが持てる
妊娠、出産、子育てで、一時的に仕事から離れることをキャリアが途切れてしまうように感じる女性も多いようです。
事業を始めると、お客様だけではなく、多くの方との出会いがあります。講座やセミナーに参加していると、同業種の方や同じように起業したママさんたちなど仲間ができることもあるでしょう。
思いもよらぬ仕事に繋がったり、新たな目標ができたり、母親としてだけではなく自分の人生を豊かにしてくれる出来事に出会うかもしれません。
独立?フランチャイズ?自分に合った方法を選ぼう
サロンの運営を成功させるためには、技術や業態だけではなく経営面についてもしっかりと考えていく必要があります。
「エステティシャンとして働いてきて、技術やサービスには自信があるけれど、経営についてはさっぱり」という方は、フランチャイズという制度を活用するのも良いでしょう。
個人サロンと呼ばれるような独立とフランチャイズでの開業、それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選択してください。
個人でサロンを開業する特徴
コンセプトやメニュー、働き方など、ゼロから決めることができるのが個人経営の大きなメリット。しかし、自由度が高いからこそ、事業計画や集客、開業の準備などが忙しく、サロンの運営を基盤に乗せられるかどうかは、自身の手腕にかかってきます。
フランチャイズで開業する特徴
店名やサービスなど、使用する権利をもらい、ロイヤリティとして対価を支払う方法です。
ブランド名やロゴだけではなく、経営に関するサポートをしてもらえるため、初めての開業や忙しいママさんには安心できる経営方法ではないでしょうか。
どこで開業するのか考えよう
次に、開業場所を考えなければいけません。
- 自宅
- テナント
- ワークスペース
- 出張型
子育て中の方に人気のある自宅でのサロン開業や、賃貸料が必要ですが立地が自由に選べるテナントなど、それぞれメリットとデメリットがあります。さまざまな形がありますが、自分が独立を考えたきっかけとなった理想の働き方が叶いやすい物件を選びましょう。
サロンの物件について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
エステサロンの物件選びのポイントは?基本知識と選び方を押さえよう
子育てをしながらのサロン開業、注意したいポイントは
せっかくサロンを開業したのに、こんなはずじゃなかったと後悔をしないために、気を付けておきたいポイントがあります。
- 家族の理解を得る
- 収支のシュミレーションを行う
- 友だち価格は設定しない
- 自分らしく働けるようにバランスを考える
家族の理解を得る
自分のサロンを持つときに家族の理解は必要不可欠です。例えば、お客様の施術中に保育園から呼び出しがあっても、途中で中断するわけにはいけません。時には、家族に代わりに迎えに行ってもらうなど、お願いしておく必要があります。
また、自宅サロンを開業する場合は、お客様を自宅に招き入れなければいけません。防犯面の備えとして、もしものことを考えておくのも大切なことでしょう。
独立して働くということは自由なことばかりではありません。自分を信頼して来店してくれるお客様がいるという責任を負っていることも意識して準備を行ってください。
家族に、どんなサロンをオープンしたいのか、どんな風になりたいのかなどをしっかりと話し、応援してもらえるようにしましょう。
収支のシュミレーションを行う
開業には少なからず資金が必要となります。苦労してサロンを開業しても、赤字が続き家計に響いてきてしまっては本末転倒です。
開業前に綿密に収支のシュミレーションを行いましょう。
月々の支出、売上目標を出さなければ、メニューの価格や想定稼働時間などを算出することもできません。実際に働ける時間を考えながら、提供メニューや店内での販売などを検討しましょう。
友だち価格は設定しない
友だちに練習も兼ねて特別価格で提供する方がいますが、注意が必要です。
- 期間・回数を決める
- 口コミをかいてもらう
- 友だちの紹介を条件にする
など、条件を付けるなどでして、ずるずると特別価格での施術は避けるようにするのがベター。お店を開業している以上、オーナー歴が短いか長いかは関係なくプロということを意識しましょう。
また、万が一トラブルに発展した場合、こちらはタダ同然の金額での提供だとしても「お金を払ったのに…」なんてことを思われてしまうと関係が悪くなり、疎遠になってしまうことにも。
商品の価値を下げないためにも、適正価格で誇りを持ってサービスの提供を行いましょう。
自分らしく働けるようにバランスを考える
前述した通り、家族の理解は必要ですが、合わせて、地域の子育て支援やベビーシッターなどもチェックしておくのがベスト。
家事代行サービスや宅配サービスなど、忙しいお母さんたちを支えるサービスがたくさんあります。疲れた時は上手く利用して、なるべくストレスが無く過ごせる選択をしてください。
好きなことや得意なことを生かして子育て中でもサロンオーナーに
子育て中にサロンを開業することについて、メリットや注意点をご紹介しました。
仕事と育児の両立は、決して簡単なことではありません。しかし、母親になったからこその視点や経験は、女性のお客様が多いサロン運営に生かしていけることも多いでしょう。
サロンの運営も育児も長期間で考える必要があります。長い目で見て自分が心地よく働ける方法として、思い切って独立を考えてみるのもおすすめです。