マーケティングや経営で特に重要と言われる「コンセプト」。
コンセプトはエステサロン経営の明暗を分けると言っても過言ではありません。コンセプトがはっきりしていなければ、方向性が定まらず、自店の強みになる部分がお客様にうまく伝わらなくなってしまいます。
今回のコラムでは、エステサロンにおけるコンセプトの重要性や決め方について解説いたします。
もくじ
エステサロンのコンセプトとは
エステサロンのコンセプトというと内装やテーマカラーをイメージする方も多いですが、それはコンセプトを表現する手段のひとつでしかありません。
コンセプトとはサロン経営の軸になる部分。コンセプトを曖昧にしたままだと、店舗づくりも経営戦略も、一貫性をもって決定できず、集客も苦労してしまいます。
コンセプトと企業理念との違いは?
混合しやすい言葉に「企業理念」があります。
企業理念とは、企業が大切にすべき基本的な考え方や存在意義といった根本的な部分を指しているのに比べ、コンセプトはこの企業理念を叶えるための手段や方法を指します。
サロンの規模によっては企業理念=コンセプトとなっている店舗もありますが、基本的には企業理念があってこそのコンセプトです。
エステサロンのコンセプトが重要な理由
エステサロンを経営する上でコンセプト作りが成功のカギを握っています。具体的にコンセプトの重要性について詳しく説明していきます。
- エステサロン経営の軸となる
- 他店との差別化
- 店舗のファンを獲得しやすい
エステサロン経営の軸となる
コンセプトは事業の方向性を指し示すものです。つまり、エステサロンの価値や考え方を表現するための柱となります。
コンセプトを決めることで、以下の項目の方向性が定まります。
- ターゲット
- 店名
- 立地
- 内装
- 美容機器
- 備品選び
- メニュー
- 価格帯
- 接客
何もイメージせず、その場その場で決めて行くと、途中で迷いが出た時、どんな基準で比較し判断すればいいのか分かりません。
全ての事柄をコンセプトに沿って決めていくことで、サロン独自の強みや考え方をわかりやすく伝えていくことが可能となります。
他店との差別化
コンセプトが明確になっているサロンは、自店の強みがお客様にも伝わりやすく、お店選びにも大きく貢献してくれます。
エステサロンと一口に言えど、お客様のニーズは様々です。
同じエステサロンでも、お客様がOLなのか、主婦なのかだけで、立地や価格帯などが大きく異なります。自店の魅力や強みを一貫して打ち出すことで、ターゲットとなるお客様からも見つけやすくなります。
店舗のファンを獲得しやすい
コンセプトが曖昧だと、せっかく来店していただいたお客様も
「がやがやしていて居心地が悪かった」
「価格が高くて、通えない」
など、ミスマッチが起きやすくなります。
お客様の希望と店舗で提供するサービスが合致すると、お客様の満足度は大きく向上します。すると、リピート率が向上したり、リピーター様からの口コミによる新規顧客が広がったりと、サロン運営が安定しやすくなります。
エステサロンにおけるコンセプトの決め方
それでは具体的にコンセプトの決定までの流れをご紹介していきます。
- 企業理念を考える
- 独自の強み・魅力を考える
- 競合調査
- ターゲットを定める
- コンセプト決定
企業理念を考える
前述した通り、サロンコンセプトの基になるのが企業理念です。
企業として大切にしている基本的な考え方や価値観をはっきりさせるために3つの要素で構成されています。
- 企業としての目的(ミッション)
- 実現したい未来(ビジョン)
- 強みや日々意識する指針(バリュー)
なぜ、エステサロンをオープンしようと思ったのか原点に帰り、どうなっていきたいのか改めて思い返してみましょう。
独自の強み・魅力を考える
次に、企業理念を達成するために、サロンで何ができるのか強みも含めて考えてみます。
- 有資格者が施術
- エステティシャン歴〇年
など、技術や知識なども強みですが、その他にも化粧品や美容機器、空間へのこだわりでも問題ありません。
他店にはない価値を、自分と向き合いながら多角的に見つめなおしてみましょう。
競合調査
開業する際、必ず行っていただきたいのが競合店のリサーチです。
- 同エリアにおける競合店の件数
- 価格帯
- 施術メニュー
など、徹底的に調べてみましょう。どんな悩みを持ったお客様が多いのか、どんなメニューが喜ばれるのか、メニュー相場はいくらなのか、自然とイメージが湧いてくるはずです。
ターゲットを定める
コンセプトを具体的にしていくにはターゲットの設定が欠かせません。
脱毛サロンを例にあげても
- 女性向けのトータルエステサロンのメニューのひとつ
- 男性専用の脱毛サロン
以上の2つでは、サロンのコンセプトが大きく異なります。競合調査や企業理念を基にターゲット層を考えてみましょう。
ペルソナを決める
ターゲットが決まったら、ペルソナ像をイメージしてみましょう。ペルソナとは、ターゲットよりも具体的なユーザー像のことを指します。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 仕事
- 勤務先
- 移動手段
- 家族構成
- 年収
- 趣味
- 生い立ち
- 月の美容代
あたかも実際にその人がいるように詳しく考えていくことが重要です。
ペルソナ設定を行うと、ユーザー視点で悩みやニーズを考えやすくなるのが大きなメリットです。年齢や性別だけの漠然としたユーザー像より精度が上がり、内装のデザインやメニュー、価格などが決定しやすくなります。
コンセプト決定
ここまで考えると
- どんなサロンにしたいのか
- 来店したお客様にどうなってほしいのか
- どんなお客様に来店してほしいのか
- メニューの最適な価格帯
- 接客のマニュアルはどのようにするのか
- 集客方法は何が最適か
- 店舗の内装やインテリアはどうするか
が、自然と見えてくるはずです。
自店の強みや特徴が伝わるように言語化したコンセプトを練ってみましょう。
こんなコンセプトはNG
ここでは、コンセプトを考える上で避けたいポイントをお伝えします。
曖昧
曖昧でどんなサロンでも当てはまるようなコンセプトにしてしまっては意味がありません。
例えば「美を提供するエステティックサロン」というコンセプトを設定した時、この店舗にしかない強みや、通うことで得られるメリットなどが全く見えてきません。
しかし、「忙しい大人の女性に癒しと美を提供する、トータルビューティーサロン」とすると
- 忙しい女性向け→平日夜遅くまで営業
- 大人→落ち着いた雰囲気
- 癒しと美・トータルビューティー→幅広いメニュー
など、サロンの強みが見えてきます。
コンセプトが漠然としていると他店との差別化が難しくなってしまうので、できるだけ自分のサロンの魅力を言語化してください。
価格に特化したもの
コンセプトを設定する上でおすすめできないのが、サロンの価格帯に特価したものです。
地域最安値などと謳ってしまえば、サロンの価値=値段になってしまいます。
これでは、その他にもっと安いサロンが出てこれば簡単にお客様が流出してしまい、集客に非常に苦労するのが目に見えています。
リピーターを獲得する方法は、価格の安さではなく、価値を提供しなければいけないということを忘れないようにしましょう。
コンセプトを周知することを意識しよう
コンセプトは内に秘めるものではありません。スタッフや従業員、お客様へ周知していくことが大切です。
スタッフにとって、コンセプトがはっきりしていると、行動指針が明らかになります。接客をする上での意思決定やどのように接客すればいいのかの一貫性も持つことが可能です。
サロンの思いが詰まったコンセプトです。ホームページやブログなどが有れば、掲載しておくのも良いでしょう。
こだわりの詰まったサロンコンセプトを完成させよう
今回のコラムではコンセプトの重要性や作り方についてご説明いたしました。
エステサロンの集客で苦戦されているオーナー様はコンセプトの見つめなおすのもおすすめです。
NBSでは、業務用美容機器の販売だけではなく、ノウハウを活用した開業支援も行っております。オーナー様への徹底的なヒアリングを通して、ターゲット設定やブランディングの明確化もサポートさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください。