お客様の「きれいになりたい」という希望の実現をサポートするエステティシャン。美容のプロとして高い施術スキルや幅広い知識が要求され、施術の他にカウンセリングや物販、店内の清掃など幅広い業務を担う必要があります。
エステティシャンを目指す方にとって、年収がどの程度なのか気になる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、エステティシャンの給与事情について詳しく解説していきます。独立、開業した場合の年収の変化についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
エステティシャンの給与の仕組み
エステティシャンの給与の仕組みは、大きく以下の2つに分けられます。
- 固定給
- 歩合給
月々決まった額の給与が支払われる固定給の場合、安定した収入を得られる一方で、年収を大幅にアップさせることは難しいです。
歩合給とは、施術を担当した売上のうち一定の割合を給与として受け取る仕組みのことを指します。売上に応じて収入が決まるため安定した収入を得づらい一方で、スキルや信頼を得て多くの指名を獲得すれば、大幅な収入アップを狙えることが特徴です。
中には、基本給にインセンティブが上乗せされるというように、固定給と歩合給の両方を導入しているサロンもあります。最低限の給与が保証され、かつ頑張り次第で収入アップを目指せることから、モチベーションの向上に繋がりやすい仕組みだと言えます。
エステティシャンの年収の相場とは?
地域によって異なりますが、正社員としてサロンに雇用されているエステティシャンの初任給は約20万前後、年収はおよそ300~400万円と言われています。
前述したような歩合制を取り入れているサロンの場合、多くの指名客を獲得したり売上ノルマを達成したらインセンティブを受け取ることができ、さらなる年収アップも見込めます。
また、エステティシャンの年収は以下のような要素によって異なります。
- 雇用形態
- サロンの規模・立地
- 役職
雇用形態
以下のように様々な働き方ができるエステティシャン。雇用形態に応じて給与も異なります。
- 正社員
- アルバイト・パート
- 業務委託
正社員
正社員は固定給として月給が定められていることが多く、安定した収入を得やすいことが特徴です。
ただし、サロンによっては、営業時間外に店内の清掃や事務作業を担わなければならず、長時間勤務を強いられることも少なくありません。中には、拘束時間が長い割に給与が少ないと感じる方もいるようです。
アルバイト・パート
アルバイトやパートは、時給制で給与が支払われることが一般的です。働いた時間数に応じて給与が変動します。正社員とは異なり、賞与や資格手当が支払われないことが多い傾向にあります。
業務委託
サロンに雇用されるのではなく、対等の立場で契約を結んで仕事を請け負う業務委託。売上に応じて、店舗が設定した歩合率(歩合率は約40~60%であることが一般的)分の給与が支払われます。
中には、給与が全て歩合制によって決まる完全歩合制を採用しているサロンもあります。
サロンの規模・立地
エステティシャンの年収は、サロンの規模や立地によっても異なります。大手のサロンや都心に位置するサロンは、小規模の店舗や郊外のサロンと比べて平均年収が高いと言われています。この傾向は、固定給を採用している店舗ほど顕著に現れます。
ただし、歩合給を取り入れているサロンの場合は、地域差やサロンの規模に関わらず、実力で年収が決まることが多いです。多くの指名客を獲得したり、施術人数を増やすことで高収入を狙うことが可能です。
役職
- 売上管理
- スタッフのシフト管理
- 備品の在庫管理
- スタッフの教育
- 経営方針の策定
主任や店長といった役職に就くと、施術やカウンセリングの他に上記のような業務を担わなければならず、負うべき責任も大きくなります。サロンによって異なりますが、月給はおよそ30~40万円にアップすることが一般的です。
高いスキルを保持していたり多くの指名客を持っていたりすると、さらに手当が上乗せされることも。雇用されたサロンで経験を積んでキャリアアップすれば、年収アップを目指すことができます。
エステティシャンにボーナスはある?
エステティシャンを目指す方にとって、ボーナスの有無は気になるポイントではないでしょうか。
大手サロンの場合は特に、正社員として雇用されるエステティシャンには給与に加えてボーナスが支給されることが多い傾向にあります。店舗によって異なりますが、年に2回、1ヶ月分の給与と同じくらいの金額がもらえることが一般的です。
ボーナスについて、以下のような形を採用しているサロンもあります。
- インセンティブを取り入れる代わりにボーナスを設けていない
- ノルマ達成や指名獲得の報酬をボーナスとして支給している
エステティシャンが年収アップを目指すには
エステティシャンの給与事情について詳しく解説してきました。ここからは、エステティシャンが年収アップを目指す方法についてご紹介します。
- 売上目標を達成する
- 指名客を増やす
- 資格を取得する
- 開業する
売上目標を達成する
先述したように、売上目標を達成すると追加で手当を上乗せしてもらえるケースもあります。売上の増加に寄与していることが認められれば、昇給やボーナスアップに繋がる可能性が高まるでしょう。
エステティシャン個人として売上を伸ばすために、以下のような取り組みを実践すると良いです。
- お客様が抱えている悩みに応じてサロンが販売する美容グッズを勧める
- 追加のオプションメニューを提案する
指名客を増やす
指名客を増やすことも、エステティシャンの年収アップに繋がります。指名客を新たに獲得した際に、手当をもらえるサロンも少なくないためです。
また、歩合制を取り入れているサロンの場合、指名客が増えるほどインセンティブを伸ばすことができるでしょう。
指名客を増やすためには、以下のような取り組みを通してお客様からの信頼度を高め、「この人の施術を受けたい」と思ってもらうことが欠かせません。
- カウンセリングでお客様の悩みを親身に聞き出す
- 高い施術スキルを習得してお客様に効果を実感してもらう
- 施術中にお客様が快適に過ごせているか気遣う
- アフターケアや日々のスキンケア・ボディケア習慣についてアドバイスする
資格を取得する
サロンによっては、質の高いエステティシャンを採用するために、基本給にプラスして資格手当を設けているところもあります。そのため、資格を取得すると収入アップが狙える可能性が高くなります。
エステティシャンは資格が必須とされない職業ですが、資格を取得していれば高いスキルを持っていることを証明できます。お客様からの信頼度がアップすれば、指名を増やしてインセンティブを増加させられる可能性が高まるでしょう。
権威のある資格として、エステ協会が主催している以下の2つが挙げられます。実務経験や専用コースの受講が必要ですが、エステに関する幅広いスキルや知識を習得できるため、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
- AJESTHE認定エステティシャン
- AEA認定エステティシャン
開業する
雇用されているサロンである程度経験を積み、指名客が増えてきたエステティシャンの中には、独立して自分のサロンを持ちたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
エステサロンを開業した場合、エステ機器の購入や店舗の整備などに多くの初期費用が発生するだけでなく、集客がなかなか安定しないケースも考えられます。
しかし、サロンに勤務していた頃の固定客がついてきてくれたり、良い評判が広まったりして経営が軌道にのれば、およそ500~数千万円の年収を獲得できると言われています。
独立を検討しているエステティシャンの中には、開業する際の流れや経営方針をイメージするのが難しい方もいるかもしれません。必要に応じて、以下のような専門家を頼ってみるのも良いでしょう。
- エステティシャンの独立開業を支援しているサロン
- 美容機器メーカー
- 開業コンサルタント
- 税理士
スキルや信頼度を高めて年収アップを目指そう
エステティシャンの給与事情について詳しくお伝えしてきました。エステティシャンの収入はサロンの規模や立地、雇用形態など様々な要素によって変化しますが、頑張り次第で収入を増やせる点は共通しています。
ご紹介した方法を実践してスキルやお客様からの信頼度を高め、年収アップを目指してみましょう。加えて独立、開業することも、収入を伸ばす方法の1つとして検討してみてください。
株式会社NBSでは、美容機器の購入者に対してエステサロン経営の無料サポートを行っております。長年美容業界に携わってきた経験を元に、開業前の準備から開業後のアフターフォローまで、オーナー様に寄り添って支援させていただきます。
具体的なサポート内容が気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。