フェイシャルエステサロンは比較的開業しやすいエステサロンとして人気があります。ただし、開業しやすいからといって簡単に成功できるわけではありません。
健全にサロンを運営していくためには、事前の準備と適切な初期投資が不可欠です。
この記事では、フェイシャルエステサロン開業の流れと、必要な費用について解説しています。資格についても触れているので、あわせてチェックしておきましょう。
フェイシャルエステ開業に必要な資格は？
フェイシャルエステサロンを開業するために、必須の資格はありません。たとえエステティシャンの経験がなくても、設備さえ整っていれば開業が可能です。
ただし、専門的な知識がないとトラブルに対応できないことがあるほか、未経験の状態で集客するのは難しいでしょう。資格や経験をアピールすることで、お客様が安心して通えるようになるというメリットもあります。
サロン経営を成功させるため、エステ関係の資格はとっておいたほうがよいでしょう。
このほか、顔剃りやまつ毛エクステなどを行う場合は専門資格が必要です。
フェイシャルエステサロン開業の流れ
開業する際には、サロンを健全に運営できるよう、適切なメニュー価格の設定や各種届出が必要です。
コンセプトをしっかり定め、今後の集客まで考えて物件や設備を検討することが大切です。
- コンセプトを決める
- 物件を探す
- エステメニューと価格を設定する
- 設備を整える
- 必要な届出をする
コンセプトを決める
開業にあたって、まずはサロンのコンセプトを明確にしましょう。コンセプトは、ターゲット層や提供するサービスの方向性を決めるための基盤となります。
たとえば、次のようなコンセプトによって、経営の方向性が変わります。
- リラクゼーションを重視する
- エイジングケアに特化する
- 低価格で短時間の施術を売りにする
ターゲットの年齢層や美容へのこだわりによっても、提供するサービスが異なります。コンセプトを明確にすることで、サービス内容や価格の設定がしやすくなるでしょう。
競合との差別化を図り、独自の強みを打ち出して魅力的なサロンにしてください。
物件を探す
サロンの立地はとても重要です。ターゲットとなる顧客層が利用するエリアを選ぶことがポイントになります。
たとえば、働く女性がターゲットならオフィス街がよいでしょう。主婦や学生をターゲットにする場合は、住宅街や商業施設が適しています。
また、物件の大きさや賃料は経営に大きな影響を与えます。そのため、コストと収益のバランスを考え、無理のない範囲で選ばなければなりません。
物件によっては内装や設備に制限がかかる場合があるので、変更できる範囲を事前に確認しておくことも大切です。
エステメニューと価格を設定する
メニューと価格設定は、サロン経営の成功に大きく影響を与える要素です。
スタッフのスキルと導入する機器を踏まえて、どのようなメニューが提供できるかを決めましょう。施術時間やスタッフの技術力、薬剤の種類などによっては、必要に応じて価格を変更するのも一手です。
基本的なケアのほか、ニキビ対策やリフトアップなど、ターゲットのニーズに合ったメニューを用意しましょう。
価格に見合うサービスを提供するだけでなく、定期的に来てもらえるメニュー構成にすることが大切です。
設備を整える
顧客満足度を高めるため、快適な環境を整えましょう。お客様がリラックスできるよう、ベッドやチェアは、使い心地の良いものを選びます。
このほか、必要に応じて次のような機器を揃えてください。
- スチーマー
- 超音波美顔器
- EMSマシン など
これらの機器は、サロンのメニューに応じて選定し、高品質で安全性の高いものを導入することが大切です。
施術スペースだけでなく、待合やパウダールームの設置も検討してみましょう。トータル的に快適な空間を提供することが、サロンの差別化につながります。
必要な届出をする
フェイシャルエステサロンを開業する際には、法律に基づいた届出を行いましょう。個人事業主であれば開業届を、法人化する場合は設立届などを税務署に提出してください。
原則として保健所への申請は必要ありませんが、まつ毛エクステやシェービングなど、国家資格を用いたサービスを提供する場合は「美容所開設届」が必要です。
スタッフを雇用するときには、社会保険や労働保険の手続きも必要になります。これらの届出は、事業を適正に運営するために欠かせないため、事前に必要な手続きを確認し、確実に進めることが大切です。
フェイシャルエステサロンの開業にかかる費用
サロンの開業では、一般的に次のような費用が必要になります。
- 物件取得費
- エステ機器導入費用
- 備品代
- 内装費用
- 広告宣伝費
初期投資はサロン運営に大きく影響するため、適切に予算管理を行いましょう。
物件取得費
新たに物件を取得する場合、その費用は初期投資の中で大きな割合を占めます。
賃貸であれば、保証金や敷金礼金、仲介手数料などが含まれます。これらは一般的に賃料の数か月分が必要で、数十万円から百万円以上になることも珍しくありません。
エステ機器導入費用
フェイシャルエステサロンの開業にあたって、エステ機器の導入費用は大きな初期投資の一つです。専用機器の価格は、機能やブランドによって大きく異なります。そのため、基本的な機器を揃えるだけで100万円を超えることも珍しくありません。
エステでは、品質の高い機器を導入することで顧客満足度を高め、信頼を得ることができます。しかしその分コストが上がるため、事前にしっかりとリサーチを行うことが大切です。
効果や耐久性を考慮し、メンテナンスや消耗品の価格など、長期的な維持費も見込んでおきましょう。
備品代
フェイシャルエステでは、機器のほかにも多くの備品が必要です。ベッドやチェア、タオル、ブラシ、薬剤、化粧品などが挙げられます。
エステサロンは清潔さが重要なため、掃除道具も必ず用意しておきましょう。小物やスタッフが借用するユニフォームは、サロンの雰囲気に合ったものを選ぶことが大切です。
これらを購入する初期費用は、数万円から数十万円になることが一般的です。オープン記念のノベルティなどを用意する場合には、さらに費用が必要になります。
内装費用
内装は顧客満足度を左右する重要な要素です。エステサロンのコンセプトに合わせたデザインを心掛けましょう。
施術スペースのレイアウト、照明、音響、壁紙、家具などの選定が必要となります。規模やデザインによって異なりますが、数十万円から100万円以上かかるのが一般的です。
高級感を演出する場合や、エコフレンドリーな内装を取り入れる場合は、さらに費用がかかることもあります。
広告宣伝費
開業にあたって、広告宣伝費は必須の初期投資です。宣伝の手段は、次のような方法が挙げられます。
- インターネット広告
- SNSマーケティング
- チラシの配布
- 看板の設置
これらの中から、どの方法を選ぶかによって費用は大きく異なります。
初期費用としては、数万円から数十万円を見積もることが一般的です。ただし、サロンの規模や目標に応じ、適切に予算を割り振らなければ、費用対効果は得られません。
そこで、SNSやGoogleマップの活用をおすすめします。インターネットを活用した集客は、コストを抑えつつ広くアプローチすることが可能です。
キャンペーンや割引サービスを効果的に打ち出し、新規顧客を引き寄せる工夫も重要です。
フェイシャルエステサロンを開業しよう
フェイシャルエステサロンを開業する場合、特別な資格は必要ありません。ただし、お客様の信頼を得て効果的に集客するためには、ある程度の実績や資格があるほうがよいでしょう。
なお、フェイシャルエステ以外のサービスを提供する場合には、専門資格が必要になることがあるので注意してください。
サロンの開業にあたっては、コンセプトを明確にし、適切な予算を組むことが成功につながります。必要な費用を洗い出し、過不足なく準備することが大切です。
