エステサロンを開業するにあたって、必ず考えなければならないのがサロンメニューです。
魅力的なメニューは、より多くの新規顧客やリピーターを作るために欠かせませんが、具体的にはどのようなメニューを作ることが大切なのでしょうか。
今回は、お客様に足を運んでいただくために、メニュー作りで重要なポイントをまとめました。
サロンメニュー作りで大切にしたいポイント
一口にエステサロンと言っても、
- 脱毛
- フェイシャルエステ
- ハイフ
- マッサージ
- 毛穴ケア
このように、メニューは様々です。
大手エステサロンのほかにも個人サロンが次々と開業しており、サロン経営を成功させるには、競合サロンに打ち勝つための差別化が必要になってきます。
差別化を打ち出すには、店舗の雰囲気や立地などがありますが、メニュー選定も魅力的なサロンを作るために重要。まずは、メニューを作るにあたって必要不可欠なポイントを押さえていきます。
ターゲットを明確にする
具体的なメニューを決める前に、サロンのターゲットとなるお客様についてじっくりと考えましょう。
- 性別
- 年齢層
- 居住地
などの基本的な情報だけではなく、
- 名前
- 年齢
- 職業
- 居住地・勤務地
- 家族構成
- 年収
- 趣味
- 悩み
- よく利用するSNS
- 1日のスケジュール
上記のような、具体的なユーザーに落とし込んでください。これをペルソナ設定と言います。
ペルソナ設定を行うことで、メニューを作成するために重要な「どんな悩みを抱えていて、どんな媒体をチェックしていて、どのくらいの時間と費用が利用できるのか」が明確になります。
売れるメニューを考える上で、ペルソナ設定は外すことができません。
定番メニューを決める
「最新の美容トレンドを取り入れたい」「大手サロンでも人気を集めている施術を行いたい」などいろいろな理想はあれど、自身のサロンの強みを作るために、まずは定番メニューを決めましょう。
流行っているからという理由で他店と同じようなメニューにしていては、お客様の満足度は上がらず、値段や立地などで他店にすぐにお客様が流れていってしまいます。
定番メニューは、自分の得意なことを生かし、納得していただける技術を提供できるものを選ぶのがおすすめです。お客様の悩みに寄り添い、結果を引き出せるメニューを選ぶことで、リピート率は大きく上がります。
また、定番メニューにプラスできる別サービスを行ったり、特別メニューを作るのもおすすめです。組み合わせることで、自身のサロンでしかできない体験を提供しましょう。
多店舗との差別化を図る
差別化を図るためには、競合調査が重要です。近くのサロンがどんなメニューをどんな価格で提供しているのか調べましょう。
調査を行うことで、ライバルが提供していないメニューを用意したり、複数のメニューを組み合わせオリジナリティを出すことが可能になります。自身のサロンでしか受けられない施術を打ち出し、お客様の獲得を狙うことができます。
大手サロンのように、リーズナブルな価格設定にしたり、高価なマシンを導入する必要はありませんが、どんなニーズがあるかなどマーケティングの参考にはなります。同じメニューだとしても、自身の店舗にしかない雰囲気やコンセプトを上手く利用して、独自性のあるメニューを完成させましょう。
料金の適正化
エステサロンの経営は、多くのお客様を集めることが基本です。しかし、集客を目的とした安すぎるメニューの提供はNG。
最初は顧客が集まりますが、価格でしか戦うことができなくなり、値上げをしたり、通常の価格帯に戻せば一気に顧客は離れていきます。
価格を安くしすぎることで、
- 施術数をこなさなければ利益が出ない
- 施術の質が低下する
- 値上げしたときに来店数が激減する
などの問題が発生し、悪循環を生みます。
初回限定で無料や格安にしたり、トレンドの施術を安く提供するのは簡単です。しかし、一度下げた価格設定を再び上げるのはかなり難しいことを覚えておきましょう。
ありふれたメニューを提供してしまうと、どうしても新規のお客様は価格が安いほうへ流れていきます。しかし、自身のサロンにしかないメニューや強みを生かすことで、安さにこだわらず、適正な価格の設定が叶います。
あくまでサロンで提供するのは価格以上の価値ということを意識しましょう。
メニュー表で抑えたいポイント
提供したいメニューが決まったら、次はメニュー表です。
どれだけ魅力的なメニューを考案しても、伝わらなければ意味がありません。とにかくわかりやすさが大切です。
- メニュー名
- 効果
- コースの違い（施術内容）
- 料金
以上、4点について詳しく説明していきます。
メニュー名
一目で「どんな悩みに効果があるのか」がわかるようなメニュー名が望ましいです。
フェイシャルエステを一例に考えましょう。肌の悩みと一口にいっても「毛穴」「透明感」「ニキビ（吹き出物）」「乾燥」「赤ら顔」などなど悩みは様々です。
「フェイシャルエステ」のみの明記では、自分に合った施術なのか、来店いただいたお客さまを迷わせる原因に。メニュー名を「乾燥しらずの艶肌に！フェイシャルエステコース」など、キャッチコピーをつけることで、より悩みを持つユーザーに届きやすくなります。
メニュー名を見てどんな施術なのか伝わるのが理想的なメニューです。
効果
お客様がじっくり見るメニュー表には、効果やメリットをしっかり明記します。
先述した通り、メニュー表は誰にとってもわかりやすく表示するのが基本です。特に最新の機器など馴染みがないものに関してはしっかりと説明を補填して、不安を取り除くようにしていきましょう。
メニュー・コースの違い（施術内容）
メニューが多い場合は、違いが明確にわかるように、メニュー表のレイアウトも含めてこだわってください。
おすすめ順に並べるだけではなく、目的別や部位別に分けたほうが伝わるかもしれません。わかりやすいメニュー表は、オプションメニューへの興味にも繋がります。
また、コースを複数設ける時はどんな違いがあるのかも明記しましょう。単に時間だけなのか、パーツが増えるのか、それとも使用するオイルやトリートメントの違いなのか、お客様が求めているものを探しやすくすることが重要です。
料金
わかりにくい料金設定はトラブルの元になる上に不安を煽り、お客様の足が遠のきます。新規のお客様でも予約が取りやすいよう、シンプルな料金形態を心掛けましょう。
オプションサービス＋追加メニューの準備
定番メニューと合わせて考えたいのが、オプションサービスや追加メニューです。
魅力的なメニューがあっても代り映えがなければ、お客様も飽きてしまったり、他店にしかないメニューに挑戦したいからとリピートをやめてしまう可能性があります。
選び方のポイントとしては以下の2つを意識しましょう。
- 定番メニューと併用できる
- 松竹梅でメニューを展開させる
お客様の悩みや費用に合わせて、選べると満足度を高めることができます。
時間を明記しなくていい
よくある施術時間ですが、明記することが必須ではありません。
例えば、マッサージなどリラクゼーションを目的とした施術などは、施術内容よりも時間が選ぶ基準になってしまいます。
お客様の満足度を上げるには時間ではなく悩みにあったメニューを提供することなので、コースの魅力も合わせて伝えるようにしましょう。
サロンのコンセプトにあったデザインを
メニュー表もサロンの雰囲気づくりのひとつです。
お客様に手に取っていただき、じっくり見てもらうメニュー表ですから、細部にもこだわってください。色使いはもちろん、文字のデザイン、イラストなどのあしらい、素材も重要です。
メニュー作成後もブラッシュアップを
常に利用者の要望を反映する
「売れるメニュー」を作るために欠かせないのはお客様の声です。来店していただいたお客様へアンケートをお願いしたり、Webサイトなどで口コミを書いていただくなど、実際のお客様の要望を知るように、仕組みづくりを行ってください。
自分の想定していたペルソナ層の需要が正しいのか、お客様の求めている施術内容はどれなのか、などがわかるため、更にお客様のニーズを絞った魅力的なサロンを作ることができます。
また、口コミはサロンにとって大切な集客要素でもあります。口コミを書いてくださったお客様に特典を用意したりも集客においては有効です。
海外やSNSのトレンドを取り入れる
メニューのマンネリ化に悩んでいる方は、海外やSNSなどのトレンドを取り入れるのも手です。こういったトレンドを取り入れることで、流行に敏感なエステサロンというイメージを与えやすくなります。
ただし、流行は早く取り入れるのが重要で、導入する店舗が増えれば、競争が激しくなり単価もどんどん下がっていきます。移り変わりが激しいことを考えるとあくまでメインメニューとしてではなく、サブメニューや期間限定で取り入れるのが良いでしょう。
メニューの見直しを行う
流行はどんどん変わっていくもので、特に美容業界のトレンドは移り変わりが激しいです。
自分がやりたいこととお客様の要望が一致するとは限りません。せっかく始めたからといっていつまでもメニューを続けず、売れないメニューは勇気をもって見直しを行うことが大切です。
価値を提供できるメニュー作りを
メニュー作りは、新規のお客様だけではなく、既存のお客様の満足度を上げることになります。オプションメニューなどを上手く利用していただければ、客単価も上がり、安定した経営基盤に繋がっていきます。
まずは自分のサロンのコンセプトを大切にすること。その上でお客様のニーズに合わせたメニュー作りを追究していくことで、「売れるメニュー」に繋がっていくはずです。
今回ご紹介した内容を今後の経営のヒントにしてみてください。
