お客様が綺麗になるためのお手伝いをする「エステサロン」。そのオーナーになりたいと憧れている方は多いのではないでしょうか。エステサロンを開業するには特別な資格がいらないため、他の業種に比べれば簡単に感じるかもしれません。
しかし、すぐに開業できるサロン故に競合サロンも多く、円滑に運営するためには戦略やスキルが必要です。
そこで本記事では、サロンオーナーになるために必要なスキルや多岐に渡る仕事内容、開業前に準備しておくことなどをご紹介していきます。
サロンオーナーに必要なスキル
まずは、サロンを経営する上で必要なスキルについてご紹介します。
集客力
サロン経営は、集客力が最も重要だと言っても過言ではありません。どんなにスタッフの技術力が高くても、お客様を呼び込めなければ意味がなくなってしまいます。
- SNS
- ホームページ
- Web広告
以上のようなWeb上での集客が、近年メジャーになってきています。他にも様々な種類があるため、各サロンに即した集客方法を確立させましょう。
マネジメント力
サロン経営はそこで働くスタッフあってこそのビジネスです。サロンオーナーはスタッフの技術力を上げたり、働きやすい環境を整えたり、スタッフ間のコミュニケーションを円滑にしたりと、しっかりマネジメントしていく必要があります。
マーケティング力
競合サロンが多い中、新規顧客を獲得し、リピーターの数を増やすためにはマーケティング力が必要です。
- ターゲット層
- 効果的なアプローチ方法
- オウンドメディア・SNSの有効活用
- 競合との差別化
特に以上の点を意識し、適切な戦略を立てていく必要があります。
広い視野
サロンオーナーは従業員と異なり、お客様だけでなくスタッフやお店、お金など、様々なことを考えながら運営していかなければなりません。そのため、常に広い視野を持って多角的に物事を見る力が必要不可欠です。
また、簿記や経営に関する資格が役立つシーンも多いです。エステティシャンとして施術も行う場合は、日本エステティック協会などが制定している資格を取得しておくことも良いでしょう。
サロンオーナーに必要なスキルを身に付ける方法
サロンで経験を積む
サロンオーナーは、従業員の仕事を完全に把握することが必要です。エステティシャンとしての勤務経験がまだない場合は、数年だけでも他のサロンで働いてみることも選択肢の一つです。
実際にエステティシャンとして働くことで得られる知識や感覚を、オーナーの仕事に活かすことができます。
本を読む
マネジメントやマーケティング、経営に関するスキルは本で学ぶことができます。美容業界に特化した本もありますが、美容に限らずあらゆる経営者の本を読むことがおすすめです。
セミナーに参加する
美容機器の使い方やコツ、具体的な施術方法を本で学ぶことは難しいため、セミナーに参加することで実践的にスキルを身に付けましょう。日本エステティック協会などの団体や美容機器メーカーが主催しているセミナーが推奨されています。
開業・運営サポートを受ける
初めてのサロン開業で不安がある場合は、プロのサポートを受けることも一つの方法です。開業に関する相談はもちろん、経営に関する知識も教えてくれます。
また、美容機器の販売メーカーから開業支援を受けることも可能です。総合美容機器メーカーの株式会社NBSでは、機械の購入者専用のカスタマーサイトにて情報発信をしたり、黒字展開のための経営ノウハウを提供したりとトータルサポートの体制が確立されています。
美容機器を導入する際には、サポート体制のあるメーカーを選ぶと安心です。
サロンオーナーになるために必要な準備期間
サロンを開業するには最低でも1年程度の準備期間が必要です。
- サロンのイメージ、コンセプトの設定(1年前)
- 事業計画書の作成(10ヶ月前)
- 資金調達(半年前)
- 物件選び(5ヶ月前)
- 内装工事(3ヶ月前)
- 販促計画(2ヶ月前)
- 開業準備(2週間前)
オープンまでの大まかな流れは以上の通りですが、これらがスムーズに進行するとも限りません。余裕を持って準備を進め、万全の状態でサロン運営をスタートさせましょう。
サロンオーナーの仕事
サロン管理
在庫管理、発注
施術に必要な物で不足が無いよう、毎日必ず在庫数を確認する必要があります。
また、物品がなくなりそうなタイミングで発注をしますが、不足を心配して多く仕入れ過ぎてしまうと利益に影響が出るため、数には注意してください。
魅力的な店舗づくり
お客様に満足度の高いサービスを提供し、リピーターになってもらうためには内装が重要な役割を果たします。
- リラックスできる
- 高級感がある
- 非日常感がある
例えば、このようにコンセプトを定め、お客様にまた来たいと思ってもらえるサロンづくりを目指しましょう。
スタッフ管理
人材育成・評価
人材育成は、スタッフの技術力向上やキャリア形成のために大切です。また、定期的にスタッフを評価することで仕事へのモチベーションに効果があります。
教育や研修と併せて、スタッフの努力や成果を正当に評価するようにしましょう。
シフト管理
売り上げをもとに、多くの客数が見込まれる日とそうでない日を予測しスタッフ数を調整しましょう。その際に、スタッフの希望休も取り入れるなど、働きやすい環境づくりにも配慮することが理想的です。
人材採用
採用したいと思う人材から応募してもらうために、求人広告の対策には力を入れましょう。良い人材を採用するには、あらかじめ理想の人物像を明確に設定しておくことが重要です。
お金の管理
経費
サロンを経営する上でかかるコストは全て経費になります。年度末には確定申告が必要になりますが、年間所得や必要経費を自力で計算することはミスが発生しやすく難しいです。
また、自宅でサロン経営をしている場合は、家賃や光熱費などを事業分と日常生活分で分ける必要があります。税額に誤りがあれば延滞税などのペナルティが課せられてしまうため、会計ソフトを使用したり、規模によっては税理士を雇うこともおすすめです。
資金繰り
売り上げや経費などから収支を把握し、過不足があれば資金繰りで調整します。売上金にはカードでの支払いの場合もあるため、入金されるのは翌月以降です。
経営資金となる現金が足りない場合は、まず銀行からの融資を受けましょう。事業計画書や資金繰り表を提出することで、融資の可否の判断材料になります。
集客
集客はサロン運営において非常に重要なので、徹底的に施策を考える必要があります。無料でできる施策も多いですが、お金をかけて広告を出したりポータルサイトへの掲載も可能です。
予算に合わせて媒体を決定し、それによって得られた効果を記録に残しておきましょう。具体的な集客方法の例は以下の通りです。
- 有料広告
- SNS
- DM
- ホームページ
- ブログ
- ポータルサイトへの掲載
顧客管理
予約管理
お客様の予約を管理する上で1番気を付けるべきことは、バッティングです。SNSやネット予約、電話予約など複数の予約経路がある場合に、バッティングが発生しやすくなります。
近年予約システムを提供しているサービスが多く、中には無料のものもあります。自力での管理が難しいという場合は、導入を検討してみてください。
カルテ管理
施術を受けた方やカウンセリングした方など、お客様の情報を記録しておくことが大切です。施術を受けた方であれば、別のエステティシャンが次回担当する際の引継ぎ材料になります。
また、スタッフ全員に共有することでお客様とのコミュニケーションが円滑になり、顧客満足度が高くなります。カウンセリングのみを受けたお客様のデータに関しても、顧客分析に活用することができるので、必ず保管しておきましょう。
開業前に準備すべきこと
ここからは、サロンオーナーになる上でやっておくべきことをご紹介します。
ターゲット設定
しっかりと集客し、顧客満足度の高い人気なサロンにしていくためには、ターゲット設定が必要不可欠になります。
- 開業すべき場所
- 価格設定
- 魅力的に感じる内装や外装
以上のことを決める際に、ターゲット設定は欠かせません。性別や年齢、職種、生活スタイルなど細かなところまで明確に設定するようにしましょう。
競合の調査
サロンの開業場所が決まったら、競合サロンの調査が大切です。全てのサロンを調べるのは時間がかかるため、以下のサロンについて調べましょう。
- サロン規模が同じ
- サロンイメージが近い
- 同じぐらいの価格設定
そして、調べるべきポイントは以下の通りです。
- どんな方が来店しているか
- メニューや価格
- 力を入れている箇所
- ホームページやSNS
競合サロンのことを把握した上で、自分のサロンが勝てるポイントを見つけていきます。他サロンにない施術メニューやサービスなど、オリジナリティのあるサロンにしていきましょう。
経営、マーケティングの勉強
もともとエステティシャンの経験がある方でも、サロンオーナーを目指すには、経営やマーケティングの知識を身に付ける必要があります。独学で知識を身につけることもできますが、サロンオーナー向けのセミナーを受講することもおすすめです。
サロン経営を成功させよう
サロン経営は決して簡単なことではありませんが、必要なスキルを身に付け、自分のサロンにしかないオリジナリティを押し出していくことで成功に近づいていきます。
お客様から愛される人気のサロンを作り上げるために、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。