脱毛サロンを含めたエステサロンや美容室は、強盗や窃盗などの被害に遭いやすいことを知っていますか。防犯カメラを始めとしたセキュリティは、こういった犯罪の対策としてはもちろん、お客様とのトラブル発生時にも役に立ちます。
お客様とスタッフを守るための対策を取ることは、サロンオーナーの重要な役目です。自分のお店は大丈夫と過信せず、一度お店の防犯対策について考えてみましょう。
脱毛サロンに防犯対策は必要?
実際問題として、お客様に紛れて不審者が侵入してしまうことはゼロではありません。そのため、不特定多数の方が出入りする店舗に防犯対策は欠かせず、賃貸マンションやテナントビルなどは特に注意する必要があります。
また、脱毛サロンや美容サロンは、以下の3つの理由から窃盗や強盗に狙われやすいと言われています。
- 高価な機器が多い
- スタッフの人数が少ない
- 女性スタッフが多い
詳しく説明していきましょう。
高価な機器が多い
脱毛サロンには、業務用脱毛機を始めとして、数十万~数百万円する高価なマシンが設置されています。それらは中古市場でも高額で取引されているため、現金はもちろん、このようなマシンを目的とした盗難被害に遭うこともあります。
スタッフの人数が少ない
脱毛サロンの場合、少人数もしくは1人でお店を運営している方も多いでしょう。その場合、営業時間内であっても施術スペースに入っていれば、入り口付近は無人になってしまいます。
こうして、不審者の侵入に気付かず、日中被害に遭う可能性もあります。
女性スタッフが多い
美容サロンは、比較的女性スタッフが多いのも狙われやすい理由の1つです。昼夜問わず狙われる危険性も考えなければいけません。
合わせて、スタッフが安心して働けるようにお客様とのトラブルについても考えておきましょう。クレームだけではなく、付きまといやストーカー被害が発生することもあります。
防犯対策が必要な箇所
レジ
レジ付近ではお金の盗難だけではなく、お客様との金銭授受に関するトラブルが起こることも。また、あまり考えたくはありませんが、強盗ではなく、従業員による内部の窃盗が起きる可能性もゼロではありません。
何かあったときのことを考え、営業時間中でもレジには大金を入れっぱなしにするのは避けましょう。
顧客情報
お客様のデリケートな悩みを解決する脱毛サロン。顧客情報の取り扱いには十分注意が必要です。
金品はもちろんですが、顧客データやカルテの盗難はお客様への二次被害に広がる可能性があります。簡単に取り出せないようなエリアを確保しておきましょう。
また、顧客管理をパソコンなどで管理している場合は、データの取り扱いにも注意が必要です。店舗外で無闇に閲覧できないようなシステムを構築し、パスワードを何重にも設定するなどの対策を考えましょう。
お客様、スタッフの手荷物
お客様やスタッフの手荷物にも注意する必要があります。施術中は目を離してしまうことも多いので、鍵付きのロッカーなどがあると安心です。
機材・商品
美容機器は非常に高価で、中古だとしても高値で取引が行われます。そのため、マシンの盗難にも注意が必要です。
また、店内で商品販売を行っている場合は、商品の盗難が起こることも。その場で気付くのがベストですが、時間が経ってから発覚することがほとんどであるため、防犯カメラが役に立ちます。
防犯対策でできること
防犯対策の基本は
- 侵入させない
- 被害を最小限に抑える
この2つに分けられます。
犯罪が起きないよう、まずは侵入対策から行ってください。防犯カメラなどで犯人が特定できたとしても、被害額が戻る保証はなく、お客様の信頼を失うなど、大きな代償があります。
侵入対策を十分に行ってから、起きてしまったときの対策を考えていきましょう。
防犯グッズを設置する
防犯対策で、取り掛かりやすいのは防犯グッズの準備です。
多くの場合、窃盗などの犯人は何度か下見を行います。防犯意識の高さをアピールし、狙いにくい店舗を作れば回避できる確率が高まります。
防犯カメラ・監視カメラ
防犯カメラの設置は、被害時に証拠を残せるだけではなく、犯罪抑制効果もあり、設置ポイントは以下の通りです。
- 出入り口
- 店舗周辺
- 駐車場
- レジ回り
- 店内
出入り口やレジ回りはセキュリティを徹底していることを示す役割もあるので、目立つものを。店舗周辺や駐車場などの屋外は、広い範囲を撮影できるものを選ぶのがおすすめです。
防犯カメラの映像は、何かあったときに問題の早期解決に導いてくれますが、盗難や窃盗だけではなく、お客様からのクレームへの対応としても有効です。実際の映像を確認し、事実確認の有益な情報として活用できます。
センサーチャイム
テナントビルなどに店舗を構えている場合、主な侵入経路は出入り口です。ドアの閉開を知らせてくれるセンサーチャイムなどを設置しておくと、施術中でも侵入者にすぐに気付くことができます。
非常通報ボタン
いざ、不審者に出くわしてしまったとき、警備会社などに繋がる非常通報ボタンがあると安心です。
レジカウンターの下などすぐに押せる場所に設置するのが一般的です。ボタンを押すと大きな警戒音が出るため、店内のスタッフへ緊急事態を知らせる役割も担ってくれます。
強化ガラス
店舗型や自宅サロンでは、窓ガラスなどから侵入することも。強化ガラスにしたり、二重窓にしたりすることで、犯行を予防することができます。
しかし、そういったリフォームは費用が高額であることが難点でしょう。その場合、防犯フィルムを貼ることで、手軽に窓ガラスの強度を上げることができます。
毎回施錠する
個人サロンなどでお客様の出入りがしやすいよう常に出入り口を空けている場合は要注意です。店舗に誰もいなくなる閉店後や休日はもちろんですが、施術中も基本的には常に入口の鍵を閉めておきましょう。
出入り口が無人であれば、お客様だけではなく不審者も容易に侵入できてしまいます。勝手口や小窓なども「絶対入れない」と楽観視せず、しっかりと施錠しましょう。
防犯マニュアルの作成
様々な防犯対策を行っていても、スタッフが知らなければ意味がありません。店舗に数名スタッフがいる場合は、徹底して周知しましょう。
年に1度は訓練なども行い、万が一に備えると良いでしょう。
また、悲しいことですが、元スタッフからの盗難被害の可能性も考えなければいけません。スタッフの退職に合わせてマニュアルを見直し、暗証番号や鍵を変更することで、リスクを下げることができます。
店舗の外にいる人への声掛け
不審者は事前に出入りが簡単な店舗や、セキュリティ対策が甘い店舗を探すことが多いです。お客様を含め、店舗周辺を通りがかった人に挨拶すれば、サロンの認知度を上げつつ、犯罪予防としても効果があります。
死角への対策を行う
店舗の出入り口周辺に死角が多いと、被害に遭うリスクが高くなってしまいます。せっかく防犯カメラを設置しても、設置場所や角度によって撮影範囲はある程度予測が付いてしまうため、複数台設置するなどの工夫をし、どこからでもチェックできる状態を作りましょう。
セキュリティ会社と契約する
もし犯罪被害に遭ってしまったとき、心強いのがセキュリティ会社の存在です。
非常通報ボタンの作動や施錠後の不審な侵入に対して、自動で通報され、警備員が駆けつけてくれます。スタッフが安心して働ける職場を作るためにもこういったサービスを利用するのも手です。
防犯カメラを置く場合の注意点
犯罪防止にも大きな効果を発揮してくれる防犯カメラですが、設置場所やカメラの選び方に気を付けると更に効果的に活用することができます。
目的に合わせて使い分ける
安さだけで選んだ防犯カメラを適当に設置してもあまり意味がありません。防犯カメラは、画素数や形状など様々で、目的に合わせて選ぶことが重要です。
画素数
犯人の顔をはっきりと撮影する場合には、200万画素以上のカメラがおすすめです。ただし、画素数が多いカメラはその分価格も上がってしまうため、安価なものと場所によって使い分けると良いでしょう。
撮影場所の明るさ
通常の防犯カメラの場合、周囲が暗いと画面も真っ暗になってしまうため、赤外線暗視型のカメラを選んでください。夜間の窃盗が多いレジや書類、商品棚などの周りに設置するのが良いでしょう。
形状
防犯カメラは以下の3つの形状があります
- ドーム型
- ボックス型
- 小型タイプ
ボックス型の防犯カメラは目立つため、犯罪防止に効果的です。ただ、室内など、サロンの景観を損ねたくない場合には、デザイン性の高いボックス型や小型タイプを選びましょう。
お客様への配慮は忘れずに
防犯カメラを設置する際に、お客様への配慮を忘れてはいけません。特にエステサロンや脱毛サロンは着替えを伴い、VIOなどの施術もあり、防犯が理由だとしても録画されているのは決して良い気持ちにはなりません。
防犯が重要であるとはいえ、不必要に多く設置するのは控えましょう。
自治体の条例
防犯カメラの設置・運用について、自治体ごとにガイドラインが設定されていることがあります。例えば以下のような基準です。
- 設置の表示を行う
- 撮影された画像の適正な管理
- 他者への閲覧禁止
前述したように、防犯カメラは知らず知らずのうちにお客様のプライバシーを侵害してしまうことも考えられます。事前に必ず自治体のページを確認し、正しく使用しましょう。
サロン開業の際は防犯対策も忘れずに
脱毛サロンでも、様々なトラブルを防ぐために防犯対策は欠かせません。防犯対策はお客様やお店だけではなく、スタッフが安心して働くためにオーナーとして大切な準備です。
立地や間取りも考慮し、自分のサロンに合った防犯対策を選択することが重要ですが、まずは窃盗などのターゲットにされないための工夫を施すことが重要です。そして、万が一の場合に備え、特に女性スタッフが多い脱毛サロンでは、防犯システムを導入するのがおすすめです。
自分のサロンだけは大丈夫などと思わず、十分な安全対策をして運営しましょう。