エステティシャンの業務は多岐に渡りますが、具体的にどのようなスキルが必要になるのでしょうか。全くの未経験からエステティシャンになる方も珍しくない中、どうやってスキルアップしていけばいいか、迷ってしまう方も多いでしょう。
本コラムでは、エステティシャンに求められるスキルについて、詳しく解説していきます。これからエステティシャンになろうと考えている方、あるいはエステサロンの開業を検討している方は参考にしてください。
もくじ
エステティシャンに求められる3つのスキル
まず、エステティシャンに求められる能力は以下の3つに分類することができます。
- 知識
- 技術
- コミュニケーション能力
これらのスキルの中でもさらに細かく分けることができるので、一つひとつ解説していきます。
エステティシャンに必要な知識
まずは知識について解説していきますが、一言に知識と言っても、いくつかの種類がありますよね。今回は以下の3種類に分けて解説していきます。
- 専門分野に関する知識
- 人間の身体に関する知識
- 美容機器に関する知識
専門分野に関する知識
- 痩身
- マッサージ
- ネイル
- 脱毛
このように、エステサロンといっても様々なカテゴリーがあり、それぞれ深い専門知識が必要になります。適格、かつ安全な施術を行うためにも十分な知識は必要不可欠ですが、プロとして活動していけるほどの知識となると、一朝一夕で身に付くものではありません。
人間の身体に関する知識
エステサロンのサービスの中には、お客様の身体に影響を与えるものも多く、相応の責任を負うことになります。そのため、施術に何らかのリスクが伴う場合には、事前に承諾書を交わすことが一般的です。
ただし、承諾を得たからと言って、ミスをしてもいいというわけではありません。仮に損害賠償を請求されることがないとしても、サロンの信頼を失ってしまうでしょう。
そのため、エステティシャンは人間の身体に関してもある程度の知識を蓄えておくことが重要です。また、身体の知識はあらゆる美容ジャンルに精通するため、いずれサービスの範囲を拡大する際にもきっと役に立ちます。
美容機器に関する知識
最後に紹介するのは、美容機器に関する知識です。例えば、脱毛サロンを運営するには業務用脱毛機が欠かせませんが、そのようなマシンを安全に取り扱うにも十分な知識が必要です。
近年は家庭で手軽に使用できる美容機器も多いですが、プロが扱う業務用マシンは非常に出力が高いです。操作を誤ればお客様にケガを負わせてしまうリスクもあるということを理解しておきましょう。
また、業務用の美容機器はどれも高額ですが、メーカーによって少なからず性能に差があります。顧客満足度にも直結する部分なので、十分な知識を備えた上で商品を選定しなければいけません。
エステティシャンに必要な技術
十分な効果を発揮するための技術も、エステティシャンには欠かせない能力の一つです。ただ、技術を高めるためにも、実務経験やシミュレーションが大切であり、一人前の技術を身に付けるのは容易ではありません。
大まかに以下の2つに分けられます。
- ハンドエステの技術
- 美容機器を取り扱う技術
ハンドエステの技術
オールハンドのエステサロンにはハンドエステの技術が欠かせません。お客様がリラックスできるかどうかはもちろん、一通りのメニューを丁寧にこなしつつ、規定の時間内に終わらせるには、膨大な経験が必要になります。
一般的に、オールハンドのマッサージには個人によって相性がありますが、技術が上がればお客様に合わせて加減できるようになるため、自然に顧客満足度も上がっていきます。
美容機器を取り扱う技術
オールハンドに対し、近年は美容機器などのマシン類を積極的に導入するエステサロンも増えてきていますよね。近年のマシンは操作性が向上し、初心者でも直感的に使用することができますが、それでも初心者と熟練者とでは大きな差があります。
- 効果にムラがなくなる
- 迅速に施術を行うことでサロンの回転率が上がる
技術を身に付けることで、具体的には上記のようなメリットを得ることができます。
エステティシャンに必要なコミュニケーション能力
エステティシャンに必要なスキルの3つ目はコミュニケーション能力です。カウンセリングやクロージングなど、エステサロンで働く中でコミュニケ―ション能力が問われる場面は多々ありますが、以下のように細分化できます。
- 聞く力
- 伝える力
- 連携する力
聞く力
悩みや不満、疑問など、エステサロンを訪れるお客様の中には、このようなネガティブな感情を抱いている方も多いです。そのようなお客様が抱えるトラブルを解消してあげることもエステサロンの役割ですが、まずは施術の前に、それらの情報を聞き出す必要があります。
エステティシャンとのコミュニケーションもエステサロンに通う醍醐味の一つだと言えるので、お客様が心を開き、気持ちよく話せるように、聞く力を養うことが大切です。
伝える力
どのようなサービスを提供するかにもよりますが、一般的にエステサロンの利用料金は決して安くありませんよね。そんな条件の下、新規顧客を獲得し、リピーターを増やしていくためには、「このサービスは金額以上の価値がある」ということをお客様に伝える力が必要です。
お客様のお話を聞いた上で、適切なメニューやコースを提案することで、契約率も上がっていきます。
連携する力
エステティシャンに必要なコミュニケーション能力は、お客様だけではなく、サロン内の他スタッフに対しても重要です。円満な人間関係を築いておくことで、業務効率がアップするだけでなく、各々がやりがいを持って仕事に打ち込むことができるでしょう。
効率良くスキルを身に付けるには?
- 知識
- 技術
- コミュニケーション能力
これらのスキルを身に付けるためには、様々な方法があります。書籍を購入し、独学で知識を身に付けるというのも有効な手段の一つでしょう。
ただ、実践的なスキルを身に付けるためには、できるだけ本番に近いシチュエーションで学ぶことが大切。特におすすめの方法がスタッフ同士でロールプレイングを繰り返すということです。
ロールプレイングとは、お客様役となる人を設定し、実際の接客の流れを再現することです。あくまで疑似体験ではありますが、実際に人を相手にすることで多くの経験値を得ることができます。
また、一連の流れが終了した後は、相手役にフィードバックをもらうこともできます。具体的に何が良かったのか、何が悪かったのかを、お客様視点で意見してもらうことで、成長速度が上がります。
教育方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
スキルの習得はキャリアアップに繋がる
エステティシャンの人柄を気に入ってリピートしてくれるお客様も少なくありませんが、ファンが増加すれば、サロン全体の売上アップに繋がります。そのため、エステティシャンのスキルアップはサロンにとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。
そして、サロンだけでなく、エステティシャン自身のキャリアアップにも繋がります。サロンへの貢献度が上がれば、給料も上がり、仕事に対してさらにやりがいを感じられるようになります。
後輩を育てる能力も重要
組織の中で働く以上、自分だけが高いスキルを持っているだけでは不十分です。そのエステサロンに所属するエステティシャン全員が高いスキルを身に付けていてこそ、安定して高い顧客満足度を維持できるでしょう。
そのため、エステティシャンにとっては、自身が有するスキルを後輩や部下にも伝え、育てる能力が重要になります。口コミの評価も上がり、余計な費用や労力をかけなくても集客できるようになります。
正しく成長するには環境も大切
どれだけ早く一人前のエステティシャンになれるかは、本人の資質による部分もないとは言い切れませんが、周囲の環境も大切です。これからエステティシャンになる方は研修制度が十分整っているエステサロンを選ぶようにしましょう。
また、エステサロンのオーナーや先輩スタッフは、新人が正しく成長できるよう、あらゆる点に気を配ってあげましょう。教えることは自身のためにもなるので、サロン全体で成長していくことができます。