独立して自身の脱毛サロンを持とうという時、自分1人だけで始めるか、スタッフを雇うか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。実際、全国的に脱毛サロンの数は年々増加していますが、オーナーが1人で運営している個人サロンも多いです。

そこで本コラムでは、スタッフを雇う場合と雇わない場合のどちらが儲かるのかという点について解説していきます。これから脱毛サロンを開業する予定の方は、参考にしてみてください。

個人経営の脱毛サロンは儲かる?

普段広告を見かけるのは、全国に何店舗もある大手サロンばかりですが、個人サロンもいたるところに存在しています。例えば、都市部のターミナル駅の場合、1駅の周りに大小問わず何店舗もの脱毛サロンがあることがわかります。

そこでまずお伝えしたいことは、個人経営だからといって、決して利益が少ないというわけではないということです。

大手サロンに比べて、個人サロンが勝っている点も少なからず存在し、経営次第では大きな利益を獲得することも十分可能です。

個人サロンのメリット

まずは個人で運営している脱毛サロンのメリットを解説していきます。主に以下の項目が挙げられるでしょう。

  • 開業資金を抑えられる
  • 人件費・固定費が安くなる
  • 熱心なリピーターを獲得しやすい
  • 自由かつ安定した運営が可能

開業資金を抑えられる

個人サロンのような規模が小さい脱毛サロンだと、敷地も比較的狭く、導入する備品もそう多くありません。そのため、開業資金が抑えられ、予算が限られている場合でも開業することができます。

とはいえ、それでも決して安いわけではありません。業務用脱毛機をはじめ、必要最低限の備品を全て揃えるだけでも数百万円という多額の費用がかかるのが一般的です。

人件費・固定費が安くなる

他の業種と比較して、脱毛サロンは固定費がかからないビジネスモデルです。未経験で脱毛サロンを開業する方が増えている理由の1つでもありますが、特に従業員を雇わない個人サロンであれば、人件費も最小限に抑えられます。

固定費が安く済むことによる大きなメリットは、廃業リスクが低いということです。特に開業当時は集客も不安定なので、人件費を含めた固定費はできる限り抑えるべきでしょう。

熱心なリピーターを獲得しやすい

個人サロンでは毎回同じスタッフが施術するため、お客様とも仲良くなりやすいです。そのため、ホスピタリティを持って接客することで、熱心なリピーターを獲得できるでしょう。

そういったお客様が増えれば、客単価も増加し、売上も安定します。また、他店に移ってしまうリスクが低いという点も大きなメリットです。

自由かつ安定した運営が可能

職場の人数が増えるほど、健全な労働環境を形成するため、どんどん制限が増えていきます。それは決して悪いことではありませんが、自由に働きたいという人にとっては窮屈に感じられるかもしれません。

また、人を雇うということは、何らかの理由で退職してしまう可能性があるということでもあります。仮に主戦力である人材が抜けてしまうと、シフトに大きな穴が空いてしまい、サロン運営自体が危ぶまれるリスクがあります。

個人サロンのデメリット

個人サロンにもやはりデメリットは存在します。メリットとデメリットの両方を踏まえた上で検討するようにしましょう。

  • 売上に限界がある
  • 新規顧客を獲得しにくい
  • 負担を軽減できない
  • モチベーションが上がりにくい

売上に限界がある

従業員がいない個人サロンは物理的なリソースが少ないため、事業規模や売上に限界があります。確かに人件費がかからないというのは大きなメリットですが、一定額以上の利益を得るためには、どうしても増員する必要があります。

そのため、「上限がない」という点においては、スタッフを雇った方が高い利益を獲得できる可能性が高いと言えるでしょう。リスクは伴うものの、いずれ事業規模の拡大を視野に入れているのであれば、早いうちから雇用体制を整えておくのは有効です。

新規顧客を獲得しにくい

大手サロンを見てわかる通り、店舗数が多ければ多いほど、ユーザーに認知してもらえる可能性は高くなります。近年はSNSなどの影響で口コミも拡散されやすいため、規模が大きいほど新規顧客を獲得しやすくなります。

一方、知名度が低い個人サロンは、ユーザーにとって来店までに高いハードルがあります。特に開業当初は口コミなども少ないため、一定の信頼を獲得するまでは集客に苦労する可能性が高いです。

負担を軽減できない

人を雇うことのメリットは、オーナー自らが現場を離れることができるということです。お店を任せられるほど信頼できるスタッフを育てるのは大変ですが、オーナーにかかる負担を軽減できれば、その分経営に集中できるようになります。

しかし、個人サロンでは経営を続ける限り、いつまでもオーナー自身が現場で施術を行う必要があります。接客が好きな方にとってはむしろメリットとも捉えられますが、人によって向き不向きが分かれるでしょう。

モチベーションが上がりにくい

労働形態や営業時間など、自由に営業できる点が個人サロンのメリットですが、良くも悪くも自分の裁量で決められるということになります。そのため、人によってはそこそこの成果で満足してしまい、思うようにモチベーションが上がらない可能性があります。

個人サロンが向いている人の特徴

「結局スタッフを雇うべきか、雇わないべきか」という疑問を抱いている人も多いと思いますが、前述した通り、個人サロンにはメリットもデメリットもあります。そのうちどの項目を重視するかによって、どちらが向いているかは異なります。

そこで、どのような人が個人サロンに向いているか、一例を紹介します。特に以下の特徴に当てはまる方は、個人サロンが向いている可能性が高いです。

  • 予算が限られている
  • 近隣に競合店が少ない
  • 自由に経営したい

予算が限られている

脱毛サロンを開業する時は、その規模に応じて初期費用も大きく変動します。例えば、施術室が何室もあるような広い敷地を改装するとなると、それだけで数百万円、場合によっては1,000万円以上の費用がかかるでしょう。

それに比べて、個人サロンの場合、各備品や賃貸の初期費用も含めて、安ければ300万円以下で開業できることもあります。それでも決して安い金額ではありませんが、地方自治体が運営している補助金なども活用すれば、予算が限られている人でも無理せず開業できる可能性があります。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

開業前に知っておくべき!脱毛サロンが活用できる補助金制度

近隣に競合店が少ない

個人サロンを開業するにあたり、最も高いハードルが集客力です。ユーザーにとって、知名度が低い個人サロンに通うには勇気が必要でしょう。

そのため、既に何店舗もの脱毛サロンが存在するエリアに新規で出店するのは、かなりリスクが高いです。実際、開業から1年以内に50%、3年以内に90%の脱毛サロンが廃業に追い込まれてしまっています。

反対に、競合が少ない地方では大手サロンも少ないため、個人サロンでも十分に集客できるチャンスがあります。ターゲットとなる顧客数が少なくとも、高いシェア率を獲得すればその分利益も高くなります。

自由に経営したい

「自由に経営したい」という人にも個人サロンがおすすめです。

  • 深夜まで営業したい
  • 1週間のうち数日しか営業できない

例えば、このような事情を抱えている方も中にはいますが、特殊な経営形態を取ると、従業員に負担を強いてしまう恐れがあります。雇用のハードルも高くなりますが、個人サロンの場合、自身が問題なければ自由に経営できます。

後で増員するのもおすすめ

スタッフを雇うメリットとデメリットは理解していただけたと思いますが、例えば、最初は1人でスタートして、後から増員するということももちろん可能です。開業当初のリスクを抑えつつ、余裕が生まれたタイミングで事業規模を拡大できるでしょう。

このように途中で経営形態を変更することも十分に考えられます。最初から選択肢を絞り過ぎず、柔軟な判断を下せる状況を作り出しましょう。