近年、ホワイトニングサロンの需要が高まっています。また、業態によっては比較的簡単に開業することができるため、都市部を中心にホワイトニングサロンの店舗数は増えてきています。
そこで今回は、ホワイトニングサロンの開業に向けた準備について解説していきます。サロンを成功させるポイントもまとめているので、あわせてご覧ください。
ホワイトニングサロンの需要
美意識の高まりとともに、歯のホワイトニングサロンの需要は年々増加傾向です。結婚式や仕事の面接、写真撮影など、特別なイベントに向けてホワイトニングを選ぶ人も増えています。
最近ではセルフホワイトニングサロンやホームホワイトニングも普及しています。施術料金が高額な歯科医院でのケアに比べ、時間やコスト面などの敷居が低いことが人気の要因だといえるでしょう。
ホワイトニングの種類
歯のホワイトニングの施術は、大きく次の3つに分けられます。
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- セルフホワイトニング
まずは、それぞれの違いを確認しておきましょう。
オフィスホワイトニング
歯科医院や提携サロンで行われるホワイトニングです。資格を持った歯科医師や歯科衛生士でなければ施術できません。
高濃度の薬剤とレーザーを使用するため、短期間で効果を実感しやすい点が特徴です。
ホームホワイトニング
歯科医院で作成したマウスピースを使用し、自宅でホワイトニングを行います。低濃度の薬剤のため、効果はオフィスホワイトニングに比べて緩やかです。効果と持続性を高めるため、オフィスホワイトニングと併用するケースも少なくありません。
セルフホワイトニング
セルフホワイトニングサロンで、お客様自身が施術する方法です。スタッフは説明のみを行うため、専門資格を必要としません。
ほかのホワイトニングに比べると効果はマイルドで、即効性は低い傾向があります。しかし、低価格で受けられるため、若年層を中心に人気が高まっています。
ホワイトニングサロンの開業準備
開業準備では、ホワイトニングサロンの業態や規模、導入する機器などによって必要な費用や届出が異なります。全体的な流れを把握し、必要に応じて準備を進めましょう。
- 業態を決める
- 資金を調達する
- 物件を探す
- 内装工事を実施する
- 機器を導入する
- 各種届出をする
- スタッフを雇用する
業態を決める
ホワイトニングサロンの業態は、次の2つです。
- 医師や歯科衛生士のいるオフィスホワイトニングサロン
- 専門資格を必要としないセルフホワイトニングサロン
どちらを選ぶかによって、必要な申請や機器、雇用人材が変わります。非接触型のセルフホワイトニングサロンのほうが、省スペース・低コストで運営できるため開業しやすいでしょう。
資金を調達する
ホワイトニングサロンの開業では、以下のような費用が必要になります。
- 物件取得費(家賃や敷金礼金など):100万円前後
- 内装工事費:100万円前後
- ホワイトニングマシン:10万円~
- 薬剤などの備品代:20万円前後
このほか、広告宣伝費や人件費、什器にかかる費用なども準備しなければなりません。一からホワイトニングサロンを開業する場合、運転資金も含め300万円ほどかかるケースが多いです。
資金調達には出資や借入のほか、助成金なども活用できます。
物件を探す
省スペースでも開業しやすいホワイトニングサロンは、自宅の一室でも開業が可能です。新たに物件を取得する場合には、ターゲット層や予算を考慮して探しましょう。
立地や競合店の存在など、集客のしやすさを踏まえて候補地を決めることが大切です。居抜き物件を活用すると、コストを抑えることも可能になります。
内装工事を実施する
清潔さやプライバシーの確保、居心地などを意識して内装をデザインしましょう。複数のお客様を受け入れる場合は、半個室にするといった工夫が必要です。また、コンセプトに沿った内装にすることで、SNS映えを狙ったり、宣伝しやすくなったりします。
省スペースで開業する場合は、お客様が窮屈だと感じてしまわないように気をつけてください。サロン内の動線を意識し、適切な距離で機器や施術スペースを設置しましょう。
機器を導入する
ホワイトニングマシンは、購入のほか、レンタルやリースで導入することが可能です。
サービス事業者によっては、コンサルティングや研修を受けられるケースもあります。機器の月額料金にホワイトニングジェル代が含まれているなど、さまざまなサービスが存在するところも。
健全な経営のためには、予算や事業計画に合わせて最適な機器を選ばなければなりません。複数のサービスを比較検討し、適したマシンを導入しましょう。
各種届出をする
ホワイトニングサロンの開業では、次のような届出が必要になります。
- 「内国普通法人等の設立の届出」もしくは「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
- 青色申告承認申請
- 保険医療機関指定申請書(保険診療を行う場合)
- 保健所への開設届(歯科医院を開業する場合)
- ハローワークへの事業所設置届(従業員を雇用する場合)
業態や規模、自治体の規定によって、必要な条件は変わってきます。自己判断ではわからないことも多いため、専門家に相談することが大切です。
スタッフを雇用する
セルフホワイトニングサロンでは、スタッフがお客様に施術をすることはありません。そのため、資格の有無を気にせず採用することが可能です。
ただし、機器の説明や質問に対する受け答えができなければならないため、開業までにしっかりと教育を行う必要があります。
ホワイトニングサロン開業を成功させるポイント
ホワイトニングサロンを成功させるためには、法令を遵守するほか、競合に劣らないサービスを提供して顧客満足度を高めることが大切です。
医療行為をしないよう注意する
日本の法律では、歯科医師以外がホワイトニングの施術を行うことは禁止されています。
セルフホワイトニングの場合、サロンの役割は使用方法の説明やサポートまでです。そのため、施術の手助けをしたり、お客様の口腔に触れたりすることはできません。
このような行為があった場合、医療行為とみなされて違法になることがあります。ただし、歯科医師、歯科衛生士などの資格を持ったスタッフであれば問題ありません。
競合との差別化を図る
ホワイトニングサロンが増加している中で、競合との差別化を図ることは重要です。まず、ターゲット層を明確にし、アピールしたいポイントを策定しましょう。
サロンのコンセプトやサービス内容も、他店と差別化する大切な要素です。リラックスできる空間づくりや、ホワイトニング剤の成分などで顧客の興味を引くとよいでしょう。
このように、さまざまな角度から工夫を重ねることが経営の安定につながります。
サービスの質を高める
サロン経営の成功には、サービスの質の向上が不可欠です。ホワイトニング技術はもちろん、接客態度やサロンの清潔さも顧客満足度に大きく影響します。
スタッフ教育のほか、アフターケアの提案など、お客様が安心して通えるよう心掛けましょう。
お客様のニーズにいち早く応えられるよう、常に最新の情報に触れることも大切です。
集客に注力する
ホワイトニングサロンを成功させるには、集客に力を入れることも重要です。
現代のサロン経営では、効果的なオンラインマーケティングが必須です。SNSやブログ、口コミサイトを活用し、サロンの魅力や施術内容を伝えましょう。
初回割引や紹介キャンペーンなどを導入し、新規顧客を獲得する施策も有効です。このほか、Googleビジネスプロフィールを活用し、オンラインでの見つけやすさを向上させるのも一案です。
ホワイトニングサロンの開業は専門家に相談
ホワイトニングサロンを開業する場合、業態によって必要な資格や届出が変わります。個人で判断すると間違ってしまう可能性があるため、まずは専門家に相談しましょう。
サロンを成功に導くためには、しっかりと法令を守るほか、お客様の満足度を高める必要があります。また、競合との差別化を図り、適切な手法で集客することが大切です。